筆者の見立てでは素質は◎と▲五分。しかし、小回り1800mでの機動力では◎○▲の順だろう。

　◎はロジユニヴァースの全弟で、クロスがヘイロー≒サーアイヴァー3×5・5、そして母系にヌレイエフが入るというネオユニ産駒の成功パターンの配合。ネオユニ産駒でヘイローのクロスといえば同厩の先輩ヴィクトワールピサとも同じで、ここを使いにきたのも小回りの機動力十分という成算があってのものだろう。

　▲はドリームパスポートの3/4弟で、ディープ×トニービンはグルヴェイグやコティリオンと同じで、走らせると“ワイルドリスク的にナタ斬れするグルヴェイグ”という感じで、長い直線での斬れ味は一級品だ。ただしコスモス賞で、いったんはマイネルホウオウに完全に捲りきられたように、小回りの4角で加速できるほうではないので、ここで◎を差し切るのは難しいか。

　☆はプロヴィナージュの全弟でパワーと粘りで走るフレンチデピュティ産駒だから洋芝小回りは合っているし、今の札幌で◎○▲の一角を崩すとしたら前残りイン残りだろうから、姉のクイーンS2着のように立ち回れれば面白い。

　新書「100%激走する勝負調教大全」に掲載した『札幌芝1800mを鉄板スポット』にするのが角居勝彦厩舎。その数字は[4-1-1-2]で勝率は50%、もちろん単複の回収率は100%を超えていました。

　ところが今年に入って成績が急降下。4回の出走機会がありましたが、5着、12着、6着、6着と掲示板に載るのもやっとという低迷ぶりです。そのおかげで、通算の鉄板スポット成績は数字を悪くしていますが、単複回収率はかろうじて100%をキープしています。

　なぜ札幌芝1800mが角居勝彦厩舎の鉄板スポットかという説明は新書をお読みいただくとして、ここでは該当馬が本命に適しているか否か、そこに焦点を絞ります。結論から言えば、◎トーセンパワフルで鉄板スポットの成績も上昇すると見ています。

　1週前追い切りの段階で動きが悪かったトーセンパワフルですが、今週の札幌芝での追い切りは上々の動き。先行していたので、同入は当たり前に見られがちですが、後ろが来れば来るほど伸びるといった仕草を見せていましたから、状態に関しては文句なし。牡馬だけに調教本数も標準は欲しかったので、その点をクリアしてくれたことも大きな本命材料です。

　○ラウンドワールドは勝ったコスモス賞から本数強化の標準多めトラック。▲コディーノは乗込トラックなので、印を打っていますが、その中身が軽すぎるので、あっさり惨敗しても不思議ない調教。それなら新馬戦から大幅に変わった印象ある△グランデアモーレ、門別坂路の未知の適性に期待したい☆ジェネラルグラント。

1.グランデアモーレ
今回:標準多めトラック
前回:急仕上げトラック

2.ロゴタイプ
今回:急仕上げトラック
前回:馬ナリ平均トラック

3.コディーノ
今回:乗込トラック
前回:標準トラック

4.タマモコンパス
今回:標準トラック
前回:標準トラック主体

5.エデンロック
今回:馬ナリ平均トラック
前回:標準トラック

6.トーセンパワフル
今回:標準トラック
前回:標準多め併用

7.マイネルホウオウ
今回:標準少めトラック
前回:標準少めトラック

8.コスモシルバード
今回:標準少めトラック
前回:標準トラック

9.アポロカーネル
今回:標準トラック
前回:調教なし

10.ロードクラヴィウス
今回:標準トラック
前回:標準多め併用

11.ラウンドワールド
今回:標準多めトラック
前回:標準トラック

12.ブリリアントアスク
今回:軽目トラック
前回:馬ナリ平均トラック

13.ジェネラルグラント
今回:標準坂路
前回:標準坂路

14.マコトタンホイザー
今回:軽目トラック
前回:一杯平均トラック

3番：飛節柔らかく、バネ感素晴らしい。勝てそう。
5番：ツナギ強く、好馬体。
6番：キッチリ仕上がる。
11番：細くはない。ただ、枠も馬場も微妙。

【ボックス】札幌2歳S優勝馬は、ジャングルポケット、ロジユニヴァースなどのダービー馬をはじめ、昨年の2着馬ゴールドシップはのちに皐月賞を奪取。クラシックおよびGIと密接な関連のある基幹重賞のひとつだが、本年のコディーノも、過去の優勝馬たちと同等か、それ以上の素質を秘めている。新馬戦でマークした上がりは33秒7。1000m通過が1分5秒9というスローの上がり勝負にしろ、時計のかかる洋芝で、3コーナーすぎからゴール前にかけ、ラスト3ハロンのレースラップは11秒9-11秒3-11秒1(3Fは34秒3)。先行馬をとらえるときの加速力、ノーステッキでさらに脚を伸ばしたゴール前の脚は、通過順から逆算すると、推定10秒台を連発。今季の札幌シリーズは、好天に恵まれ洋芝らしからぬ高速ラップが随所にみられるが、上がりラップは文句なしのGIレベル。出遅れはしたものの、道中の走りは気負いもなくリズミカル(カッとして大成しきれなった兄姉とは、微妙に性格も違う)。2秒以上のペースアップや時計更新にも、即座に対応可能とみた。トーセンパワフルのデビュー戦は、直線に坂のある阪神マイル。上がり3ハロンの中に、こちらも推定10秒台のラップを内包。全兄ロジユニヴァースを彷彿せるパワーと資質を垣間見ることができる。ラウンドワールドは前哨戦のコスモス賞を力でねじ伏せた2勝馬。1分49秒4という走破タイムは札幌2歳の優勝レベル。半兄ドリームパスポートは皐月賞2着、古馬となってJC2着。430キロ前後の軽量馬だが、勝負根性と決め手は血統通り。上位三頭が、やや抜け出た感じ。馬連・馬単は3頭のボックスで、だいたい片が付く。マイネルホウオウのセンスは認めるが、コスモス賞は着差以上の完敗。函館2歳S2着のコスモシルバード、アポロカーネルも、末脚勝負に徹したとしても、恵まれての連穴まで。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

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【一騎打ち】ラウンドワールドは素質高く、3連勝の可能性が十分。トーセンパワフルも力量互角で、ここ目標に仕上がり良好だ。割って入ればしぶといタイプのマイネルホウオウ。コディーノは折り合いひとつで上位争いに加われる。グランデアモーレの流れ込みにも要警戒。エデンロックも能力高く、連下の押さえには入れておきたい。

　◎コディーノは「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」という組み合わせ。母ハッピーパスは03年京都牝馬Sの勝ち馬で、シンコウラブリイ(マイルCS)やタイキマーシャル(エプソムC)の半妹にあたる。前走は上がりだけの競馬だったので、重賞の厳しい流れに対応できるかどうかはまったくの未知数だが、底力を感じさせる配合だけにペースの違いやクラスの壁に戸惑うことはないと思われる。今年の札幌芝コースは時計が速く、前が止まりづらい。外を回らされると厳しいので、3番枠に入ったこの馬にとっては追い風だろう。デビュー戦のように出遅れてしまうと厳しくなるが、ポンと出て好位のインで立ち回ることができれば、持ち前の決め手の鋭さで勝ち負けに持ち込めるだろう。