今週土曜日の東京競馬場でのメインレースは重賞の富士Sです。

　本命にはガルボを推します。前走の安田記念では勝ち馬に離されたものの5着と健闘し、さらに好タイムで走っています。今年の東京新聞杯やダービー卿CTを勝っており、マイル戦での実績があります。安田記念以来のレースとなりますが、実績のある東京コースで、枠も真ん中と好条件なので期待します。

　対抗にはファイナルフォームです。今回複数頭3歳馬が出走していますが、重賞を勝っているのはこの馬のみです。これまで5戦して全レースで複勝圏内に入っており、安定した成績を残しています。他の3歳馬よりも斤量が1キロ重くなっていますが、期待します。

　3番手にはスピリタスを推します。これまで重賞を勝ってはいませんが、ここ近走重賞でも安定した成績を残しており、さらに東京コースでの実績もあります。斤量は56キロと背負いされた斤量なので問題ないので期待します。

　押さえには前走初重賞勝利をあげたフラガラッハと安田記念で好走したコスモセンサーです。

東大ホースメンクラブ　キャラメル

　過去3年の富士Sのうち、良馬場で行われたのが2009年と2010年。どちらの年も馬券圏内に二桁人気が4頭(2009年2頭、2010年2頭)も入る大波乱のレースでした。その4頭の調教タイプが標準トラック、標準トラック、標準併用、一杯平均トラックだった点を考慮すると、馬券妙味があるのは強さが標準以上のトラック調教ということになります。

　今年の出走馬18頭のうち、強さ標準以上のトラック調教は標準トラックの◎ミキノバンジョーただ一頭。今回もDPでの最終追い切りでしたが、5走前1着時と同じように、全体の時計を遅くして終い重点。実は過去の二桁人気馬の最終追い切りもトラック馬場で終い重点という追い切りが目立っており、それも共通点となりました。

1.ダンツホウテイ
今回：急仕上げ併用
前回：急仕上げトラック

2.ダンスフォーウィン
今回：標準多め坂路
前回：障害

3.ゴールスキー
今回：標準多め坂路主体
前回：標準多め併用

4.ツクバホクトオー
今回：標準併用
前回：標準多め坂路

5.サトノタイガー
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準坂路主体

6.ダローネガ
今回：標準坂路
前回：標準坂路主体

7.セイクレットレーヴ
今回：標準併用
前回：標準坂路

8.コスモセンサー
今回：一杯平均坂路
前回：標準少め坂路

9.ガルボ
今回：標準多めトラック
前回：標準トラック主体

10.ファイナルフォーム
今回：標準併用
前回：標準トラック

11.ヒットジャポット
今回：急仕上げトラック
前回：一杯平均トラック

12.モルトグランデ
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

13.ダノンヨーヨー
今回：一杯平均坂路
前回：標準坂路

14.スマイルジャック
今回：馬ナリ平均トラック
前回：馬ナリ平均トラック主体

15.フラガラッハ
今回：標準少め坂路
前回：一杯平均坂路

16.ミキノバンジョー
今回：標準トラック
前回：馬ナリ平均トラック

17.スピリタス
今回：馬ナリ平均トラック
前回：馬ナリ平均併用

18.クラレント
今回：標準坂路
前回：標準坂路

　現時点の指数は低いが、クラレントを狙ってみたい。春時点から指摘しているように、この馬は腰が甘いのが原因なのだろうが、急坂でギアチェンジできない致命傷を抱えていて、ギアチェンジまでの助走距離が取れるコースが好走スポット。

　前走の阪神外回りも条件的には悪くなかったが、比較的スローの前残り競馬で最内枠から好発したものの、なぜか道中はポジションを下げる競馬で、直線では前が壁になって、まったく追えていない。それでも、自己最高指数をマークしているように、大箱コースへの適性は高い。

　今回はNHKマイルC・3着の実績がある舞台で、距離ロスはあるにせよ自身はスムーズな競馬が可能な大外枠。ラップの上下差が小さい淀みない展開への適性も高いだけに、大幅に指数を上げるなら今回と読む。

【混戦】ファイナルフォームは若さ残すも能力は非凡。休み明けも態勢整い重賞連勝を期待。スピリタスは堅実なレースぶりが魅力。コンスタントに使われ好調キープ。地力あるコスモセンサーはひと叩きで気配アップ。ガルボも底力上位。仕上がりも良好で争覇圏。ダローネガも素質に遜色なく、セイクレットレーヴも成長感じる。本格化のフラガラッハも差のない存在だ。

【波乱必至】3歳馬クラレントのマイル適性に改めて注目。新馬戦・デイリー杯を連勝し、NHKマイルCを3着に追い込んだ好マイラー。怪しげな気性の馬だが、クラシックは、輸送や距離に泣き、結果は出せず。ただ、前回のポートアイランドSは、直線で外から押し込められ、馬群の真っただ中に進路を切り替える不利がありながら、猛然と追い込み0秒3差に入線。ゴール前の脚色は際立っていた。前走の体重は490キロ。骨格的に、このくらいの体重が理想。広い東京だからといって、前を捌くのは易いとはいえないものの、まずはポテンシャルを重視。フラガラッハは、全体時計に難。ただ、米子Sを上がり32秒9の豪脚で一閃。続く中京記念を一気差し。ひと皮むけたことは確か。ラジオNIKKEI賞馬ファイナルフォームも、ポテンシャルは本命と五分以上の器。腰がパンとすれば、GIも目指せる。スマイルジャックは、京成杯を1分30秒9で2着。前走の毎日王冠の13着が不可解だが、考えられるのはレコード走の反動?。マイルで今一度見直し。ゴールスキーも好調。コスモセンサーも、京成杯AHを叩いて上昇。

　今年の3歳馬は強い、と評判である。京成杯AHのレオアクティヴや毎日王冠のカレンブラックヒルなど重賞で印象的な勝ち方をした馬がいた影響だろう。

　一方で、「今年の風邪は悪い風邪」と同様に、似たようなことは毎年言われているような気もする。そこで3歳上の平地重賞(牝馬限定戦を除く)について調べてみたところ、2002-2011年の3歳馬が勝率7.6％・連対率15.6％なのに対し、今年はここまで勝率12.0％・連対率20.0％。回収率も単99％・複144％で02-11年の単75％・複84％を上回っている。確かに3歳馬を狙う手はありそうだ。

　ただ○ファイナルフォームのように、古馬未対戦でありながら人気になる馬はヒモにはできても軸にはしづらい。ここは◎ダローネガを狙う。前走2番人気で5着と敗れたのが印象良くないところだが、着差は僅か。ワイドでも採算が合うくらい人気落ちすればむしろありがたい。

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　◎ガルボは「マンハッタンカフェ×ジェネラス」という組み合わせ。母方にカーリアンを持つマンハッタンカフェ産駒は成功しており、レッドディザイア、ジョーカプチーノ、テイエムオーロラ、マッハヴェロシティなどの活躍馬が出ている。本馬もこのパターン。今年に入ってから連対を外したのは、4コーナーで前が詰まってジョッキーが立ち上がる不利があった阪急杯と、G1の安田記念のみ。その安田記念にしても、直線で馬群を捌くのに苦労してスムーズな競馬ができなかった。今回は休み明けだが稽古で抜群の動きを披露しており割り引く必要はないだろう。東京芝1600mでは確実に上位争いをするので信頼できる。