ピクシープリンセスはエリ女でも◎にしたが、母オータムメロディーが世界的な名血で、ディープ産駒としても底力や持続力は最高レベルの配合といってよく、ここまで本格化してきたら来年の飛躍が楽しみだ。パワーの要るニュー中京は合っているし、ここで初タイトルを手中にするものと期待する。

　▲アイスフォーリスは秋華賞で◎を打ったが、ノーザンテーストの頑健さを増幅した「ステイゴールド黄金配合」で、中距離の持続戦ならもっとやれる馬だと思っている。

　新装中京競馬場での芝2000m牝馬限定重賞はこのレースが初めて。それだけに調教タイプの傾向などがなく、どのあたりを指標にすべきか、難しいところ。そうなると先週の中京芝2000mを振り返りたくなる、オーソドックスな方法がベストでしょう。

　先週、特別レースで行われた中京芝2000mは2鞍。11頭立ての豊明特別は1着馬ナリ平均併用、2着標準坂路、3着標準坂路という結果でしたが、2着3着が7番人気、8番人気。18頭立ての栄特別は1着標準少め坂路、2着標準坂路、3着標準併用で人気は4番人気、11番人気、13番人気。これら2レースの馬券圏内馬のうち、最終追い切りが栗東坂路だったのは5頭。つまり栗東坂路のパワーある追い切りが今の中京芝2000mでは適性を発揮できるというわけです。

　該当馬は多いように見えて、意外に2頭。◎アスカトップレディは須貝尚介厩舎の勝負調教にも該当。1週前にはジャスタウェイ、そして今週はゴールドシップを煽る動きで攻め内容は絶好。調教本数も十分に足りていますし、スムーズな競馬で距離に対応できれば勝つチャンスは十分。

　坂路調教馬ではありませんが、1着があるという意味で○オールザットジャズ。こちらは角居勝彦厩舎の勝負調教に該当。相手がルーラーシップでの勝負調教ですから、非常に濃い内容。状態はエリザベス女王杯以上とも思わせてくれます。

　混戦で厳しい流れに対応できそうなのが、標準多め併用の▲メルヴェイユドール。自身にとっても、5走前3着時のマーメイドSと同じ調教タイプであり、差し決まる展開になれば、一気に浮上の余地があります。

　△ピクシープリンセスは調教タイプから適性があると思いますが、これを評価するなら、最終追い切りでこの馬に先着した△エーシンメンフィスも評価しないといけません。

　展開は厳しいと思いますが、本命同様、栗東坂路で追い切られている標準多め坂路☆レジェンドブルーは当然押さえておきます。

1.サンテミリオン
今回：乗込トラック主体
前回：乗込併用

2.ゴールデングローブ
今回：標準坂路主体
前回：標準トラック

3.アカンサス
今回：標準少め坂路
前回：標準少め坂路

4.メルヴェイユドール
今回：標準多め併用
前回：標準併用

5.アースシンボル
今回：標準併用
前回：標準多め併用

6.ダイワズーム
今回：馬ナリ平均坂路
前回：馬ナリ平均併用

7.マイネオーチャード
今回：標準併用
前回：標準多め併用

8.サンシャイン
今回：標準坂路
前回：乗込併用

9.アスカトップレディ
今回：標準坂路
前回：乗込坂路

10.レジェンドブルー
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

11.シースナイプ
今回：標準トラック
前回：標準少めトラック主体

12.エーシンメンフィス
今回：一杯平均坂路主体
前回：標準多め併用

13.アイスフォーリス
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

14.ピクシープリンセス
今回：標準併用
前回：馬ナリ平均トラック

15.オールザットジャズ
今回：標準多め坂路主体
前回：標準多め併用

16.ミッドサマーフェア
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準多め坂路

17.ギンザボナンザ
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

18.パワースポット
今回：馬ナリ平均坂路
前回：乗込併用

　先週土曜の中京・芝は強風の影響で差し馬の台頭が目立ったが、風が弱まった日曜日は一転して前残り傾向に。土曜の風は穏やかそうな予報だが、弱いながらも雨の影響を受けそうな気配。コースレイアウトが大きくなったとはいえ、コーナー4つのハンデ重賞ならば、道中のペースが緩まない持久力勝負濃厚だろう。

　本命はメルヴェイユドール。条件時代から前後半の緩急差が小さいペースでは2桁指数をマークしていて、2走前が高速馬場の上がり勝負、前走が重馬場のスタミナ勝負と、真逆の適性が問われながら、最高指数｢106｣をマークしているのは本格化の予兆と見たい。3戦連続の格上挑戦となるが、持久力勝負で斤量の恩恵がある今回が絶好の狙い目と読む。

【相手探し】オールザットジャズの復活劇が開演だ。春シーズンは馬体の増減は激しく、ヴィクトリアマイルを境に迷走もしたが、452キロに体が戻った前回のエリザベス女王杯は、4コーナーすぎから一気に先頭を奪い、一旦はセフティーリードにもみえたロングスパート。残り100mで力尽きたものの、外差し決着の重馬場で、あの5着は負けて強し。復調気配をアピールする0秒5差だった。昨年はエリザベス女王杯11着後、中3週で準OPを快勝。中山牝馬S2着、続く福島牝馬S楽勝と、10-4月に全5勝をマーク。冬場は体重も維持しやすく、稽古も思い通りに消化できている。土曜日は雨もちらつくようだが、距離短縮、良馬場の瞬発力にこしたことはない。当面の敵はエリザベス3着のピクシープリンセス。7月の中京の2000m戦1・3着を起点に、GI戦もクビ・アタマ差に猛追。急激に力をつけている。本命馬と2キロ差の54キロなら逆転も十分。ミッドサマーフェアは左回りの東京2000mのフローラSを上がり33秒4で一閃。オークスで番人気の支持を集めたほどの好素材。中京への輸送の懸念、まだ良化途上の観があるだけに慎重に三番手としたが、ターコイズSは着順こそ7着だが脚色は断然だった。アカンサスは苦手の道悪、不利とされたインよりに進路をとりながらエリザベスは8着に盛り返している。昨年の秋華賞を最速の上がりで4着に入線した切れ者。良馬場条件に前進あり。大勢が決着したあとの4着とはいえ、マイネオーチャードもエリザベスの末脚に見どころ。オークス3着馬アイスフォーリスは、平均ペースの中距離なら粘り込み可能。

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【差し注意】ピクシープリンセスは前走の内容とこのハンデなら中心視が可能。オールザットジャズは叩き3走目で体調アップが見込めそうだ。ミッドサマーフェアは近走案外も流れひとつで首位争いが視野に。パワースポットは前走が好内容で、軽量を利しての一発に警戒したい。アカンサスも仕掛け次第で食い込みが狙えそう。ゴールデングローブも叩き3走目で差し切りの可能性を秘めている。

　◎アイスフォーリスは「ステイゴールド×クロフネ」という組み合わせで、オークス(GI)3着、フローラS(GII)2着を含めて左回りでは通算[1-2-1-0]というサウスポー。前走のマイル戦は8着に敗れたが、距離不足に加えて中山芝1600mでは致命的ともいえる大外枠からの発走だったので参考外の一戦だ。土曜日の中京競馬場は雨の予報。母方はパワフルな血で構成されているので道悪適性はきわめて高いと思われる。じっさい、重馬場で行われたミモザ賞(芝2000m)ではクビ差2着と健闘しており、馬場が渋れば台頭してくるだろう。