◎はステイゴールドやレクレドールの3/4妹で、サッカーボーイの姪で、ドリームパスポートやタマモホットプレイなどとも3/4同血の関係になる名血名配合。

小柄だがワイルドリスクの4×6を持つだけにストライドは大きく、前走も小回り小倉で直線外に持ち出して斬れ味だけでズバッと差しきってしまった。

4走前新潟戦の勝ち方をみてもこの斬れは外マイル向きだと思うし、土曜の京都芝はBコースになって外差しも届いていたから、ここは良血の本格化に一票。

　4歳馬が52kg､5歳以上が53kgで､収得賞金1600万円ごとに1kg増という別定戦ですが､条件馬のﾄﾞﾅｳﾌﾞﾙｰ､ｸｨｰﾝｽﾞﾊﾞｰﾝ､ﾋﾞｯｸﾞｽﾏｲﾙが揃いも揃って4歳馬だけに､実質ﾊﾝﾃﾞ戦のような一戦になりました｡また､京都の芝は今週からBｺｰｽ使用で､先週までの内枠､先行馬が有利の馬場とは異なり､ｺｰｽの真ん中を通ってこれる馬が有利です｡(ｼﾙｸﾛｰﾄﾞSのﾛｰﾄﾞｶﾅﾛｱが通ったｺｰｽがﾍﾞｽﾄ)

　そこで今回◎に推したいのが､ﾛｰｽﾞS4着などの一連の走りから潜在能力は重賞級のものがあると判断できるﾋﾞｯｸﾞｽﾏｲﾙです｡前々走の逆瀬川Sは2番手の馬と､逃げた馬がﾜﾝ､ﾂｰ決着するｽﾛｰﾍﾟｰｽの展開､前走の石清水Sはｸｨｰﾝｽﾞﾊﾞｰﾝが2着に好走したように内枠､先行馬が有利の馬場状態だったために､ﾒﾝﾊﾞｰ中最速の末脚を使いながらも不発に終わりました｡しかし今回は馬場の真ん中を通せる枠順､斤量52kgにも恵まれ､一気に伸びそうな感があります｡

　○はﾄﾞﾅｳﾌﾞﾙｰ｡前走はｵｰﾌﾟﾝ級の好指数で圧勝しました｡ﾚｰｽ間隔を開いたことで疲れが抜けていれば､上位争いが可能でしょう｡

　▲はｽﾌﾟﾘﾝｸﾞｻﾝﾀﾞｰ｡1600万下に昇級してからは直線勝負に徹していましたが､前走は本格化を窺わせる勝ちに行くﾚｰｽで快勝しました｡今回は大外枠を引いたことで､本来の待機策ならば重賞でも勝ち負けできるでしょう｡

　S60年以降(グレード制開始のS59年は降雪の影響でダート変更)から「消える馬」「残る馬」をチェックしてみよう。なお、H2、6年は阪神で実施された点に注意。

■エリンコート……1600m戦で連対歴のない馬のうち、前4走とも1800m以上戦使用馬は[0-0-1-23]。

■エーシンリターンズ……前2走内に芝重賞戦0.6秒差内あるいは1600m以上芝OP戦1着好走歴のない2か月以上休養馬は[0-0-2-18]。

■クィーンズバーン……前3走とも条件戦を使用していた馬のうち、その3走内に連対外かつ0.4秒以上敗退歴のある芝0から3勝の斤量52キロ以上馬は[0-0-0-28]。

■サワヤカラスカル……前年10月以降3戦以上消化していた馬のうち、前3走ともG2以下戦を使用し、前走G2以下芝の良馬場で着外(4着以下)かつ0.6秒差以上敗退の6歳以上馬は[0-0-0-25]。

■スイートマトルーフ……1600m戦を5回以上走ってゼロ勝は[3-2-3-27]で、このうち前走芝重賞戦0.6秒差内・芝OP戦0.4秒差内あった馬や前走不利有の馬を除くと[0-0-0-18]。

■スプリングサンダー……京都芝コース(阪神のH2、6年除く)を5回以上走ってゼロ勝は、前4走内にG1戦5着内・G2戦連対・G3戦1着歴があった馬を除き[0-0-4-26]。

■ダンスファンタジア……前走非重賞戦で4番人気以下かつ4着以下は[0-0-3-76]。

■ドナウブルー……前走1000万クラス戦使用馬は[1-1-3-28]、連対をはたした2頭は前走牡馬相手に4馬身差の圧勝だった馬で、連対率も5割以上あった。連対率が5割未満の前走1000万クラス戦使用馬は[0-0-1-24]。ドナウは前走牝馬相手の3馬身差Vで、連対率は.375。

■メルヴェイユドール……前走1000万クラス戦で3馬身差以上の快勝がない馬は[0-0-3-28]。

■ライステラス……前走非重賞戦、斤量51キロ以下で敗退もしくはVも着差が1馬身差未満だった馬は[0-0-0-12]。また、前走重賞戦連対馬を除く3か月以上休養の芝3勝以下馬は[0-0-0-10]。

■レジェトウショウ……前走芝の非重賞戦で連対を外しているうえに斤量の軽減がなかった6歳以上馬は[0-0-1-18]。

■レディアルバローザ……前走2200m以下の芝のレースで2秒以上大敗の斤量53キロ以上馬は[0-0-0-15]。

■狙い
　◎はショウリュウムーン。前3走内(前年10月以降)に1400m以上の芝OP戦、斤量53キロ以上でV歴のあった馬は[2-5-2-6]。このうち、

(a)芝1600mを2回以上走って持ち時計が1分34秒5を切っていない馬は×
(b)斤量が前走比増の56キロ以上は×
(c)前2走とも1400m以下の短距離戦使用馬は×
(d)前3走内に条件戦で連対を外したことがあった馬は×
(e)7歳以上の高齢馬は×

以上のマイナスポイント5項目をクリアしていた馬は[2-5-0-0]。

　○はコスモネモシン。前走(前年12月以降)重賞戦3着内好走馬は[8-8-4-32]。このうち、

(a)前3走内に1秒以上敗退歴ある馬は×
(b)前走重賞戦で3番人気内かつ3着内ではなかった馬は×
(c)芝連対数が4回以下の馬は×

以上3項目クリア馬は[3-3-1-5]で連対率5割。

　▲はアスカトップレディ。京都芝(阪神のH2、6年除く)を6回以上走って連対率が5割以上あった馬は[2-4-3-21]。このうち、

(a)前走OP以下戦で連対外×
(b)前走G2・G3戦で10着以下あるいは0.8秒以上敗退は×
(c)2カ月以上の休養馬は×
(d)京都芝0から1勝は×
(e)前年12月以降3戦以上消化は×
(f)斤量が前走比2キロ以上増加は×
(g)前走OP戦敗退の6歳以上馬は×
(h)当日体重10キロ以上減馬は×
(i)芝2勝以下は×
(j)前3走内にG3以下戦で着順掲示板を外す6着以下が2回以上は×

以上のマイナスポイント10項目をクリアしていた馬は[2-4-1-0]。アスカの京都芝の連対率は.571。

　☆にビッグスマイル。前走芝1600m準OP戦で0.3秒差4着だったが、4走前G2ローズSでホエールキャプチャ(G1エ女王杯4着)の0.1秒差4着に注目。上がり33.6はレース2番目の鋭い切れ脚で、3歳春のチューリップ賞ではレーヴディソールの5着も、2番目の上がりを駆使して2着馬とは0.1秒差。夏7月の京都芝1600mでは上がり32.5を記録している。勝ち味に遅い嫌いはあるが、H20年、ローズS0.8秒差6着、前走芝1600m準OP戦0.3秒差5着だった2勝馬ザレマの9番人気2着の例もあり穴に警戒したい。ただ、鞍上の国分恭介は、昨年29勝(連対率.083)で41位、今季[0-2-1-33]で目下71位だけに薄目に。

3番：デキ良いが、馬格がないので馬場どうか。
4番：好仕上がり。枠順も良いし勝ち負け。
5番：もう一張り欲しいところだが、馬場合いそう。

【相手探し】体質の弱さに泣き、クラシック戦線では好結果を残せなかったドナウブルーだが、前走の京都戦は、優に3秒以上時計を要する不良馬場で、1分49秒5。1Fが長いと思われた1800mを、二番手追走から自ら勝ちに動き、上がり3Fのレースラップは、11秒5―11秒3―11秒7というHレベル決着。遡れば、2歳暮れの白菊賞(マイル)では、11秒8―11秒5―10秒8という加速ラップを、上がり33秒4でクシ差しにした切れ者。マイル替わり、二段階アップのGIIIでも、ポテンシャルは五分以上。心身ともに凄みを増し、以前とは別馬の観あり。牝馬は旬を見極めるのも大事。重賞の壁も難なく突破可能とみた。アスカトップレディは、強豪相手の府中牝馬Sを0秒3差の4着。ユートピアSを、1分33秒2で、持ったままの楽勝。京都金杯は、大外枠が響き、道中前に壁を作ることができず、3着と詰めを甘くしたが、レース内容は明らかにショウリュウムーンより上だ(ただ、若干の疲れあり?当日のパドック注意)。久々のマイルのぶん、三番手としたが、コスモネモシンは、クイーンS・札幌記念・愛知杯と、牝馬路線のトップランクで僅差の実力派。昨年の覇者ショウリュウムーンあたりと、地力は同じ。久々のぶん、連下に止めたが、エーシンリターンズも、前走の上がりは32秒8。ヴィクトリアマイル・1分32秒0のレディアルバローズも含め、決して軽くは扱えない。

　別定戦で、昔よりも収得賞金に対する条件（今は1600万円単位で加量）が緩いので実績上位馬が有利に見えるレースだが、結果は必ずしもそうなっていない。そもそも本当に格上の馬はこのレースを使う流れにはならないわけで、重賞常連の馬はなにかしら問題を抱えているということでもあるのだろう。

　実際にデータを調べてみても、京都牝馬Ｓは前走で準オープンを勝った馬がやたらと強い。他のファクターを参考にせずそれだけで買う馬を決めてよいほどだ。

　ただ、前走準オープン勝ちといっても距離短縮で臨む形はいまひとつ。ここは◎スプリングサンダーから入りたい。阪神牝馬Ｓの結果が示すように重賞級の地力はある。あとは1600ｍがどうかというところだが、ヴィクトリアマイルの着差を見たらぎりぎり守備範囲だし、直線平坦となるとさらにこなす可能性は高まると見る。

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【波乱含み】昨年の勝ち馬ショウリュウムーンが連覇を飾る。マイル重賞2勝を挙げており、前走の京都金杯も牡馬相手に0秒3差の4着なら悲観することはない。牝馬限定で定量の54キロなら突き抜ける。レディアルバローザは昨年のヴィクトリアマイルで3着と健闘。昨夏以降は微妙に距離が長かったか。適距離のGIIIなら巻き返しがあっていい。コスモネモシンはフェアリーS勝ちがあり、マイルも対応可能。昨年のオークス馬エリンコートは、距離短縮が刺激になれば。スプリングサンダー、ビッグスマイル、アスカトップレディを押さえる。

◎ドナウブルーは「ディープインパクト×ベルトリーニ」という組み合わせ。全妹ジェンティルドンナは当レースと同じ京都外回り芝１６００ｍで牡馬相手にシンザン記念（Ｇ３）を勝った。母ドナブリーニはイギリスびＧ１ウィナー。ポテンシャルの高い血統で、母方に入るスプリント血統の影響か、回転の速いフットワークがセールスポイント。京都牝馬Ｓは末脚の切れが要求されるレースで、ここ２年、勝ち馬の上がり３ハロンは３３秒３、３３秒６。本馬は２戦目の白菊賞で上がり３３秒４の鬼脚を繰り出して差し切った。このレースに向いた鋭さを秘めている。小柄な馬だけに５２キロの軽量で出られるのは大きい。

◎アスカトップレディは、３走前に直結コース・東京マイルのユートピアSを勝ち、前走で同コースの重賞・京都金杯を人気薄ながら馬券になった。直結コースと同コースの両方を激走したことから、コース適性は高い。京都金杯でショウリュウムーンに先着したことから、今回も好勝負になる。

○ショウリュウムーンは、昨年の京都牝馬Sの勝ち馬。また、直結コースの阪神マイルにて、チューリップ賞(G3)とポートアイランドSを勝っている。京都や阪神という外回りのマイル戦を得意にしており、最後の直線で差し脚を伸ばせる。

▲エーシンリターンズは、東京マイルのユートピアS(2010年)で△レディアルバローザを相手に勝利を収めた。また３歳時には、同コースのエルフィンSを制している。この馬も○ショウリュウムーンと同じように、京都・阪神の外回りマイル戦を得意にしている。

△レディアルバローザは、直結コース・東京芝1600ｍのＧ１・ヴィクトリアマイルで馬券になった。このときは３着だが、１・２着がアパパネとブエナビスタなので、よく走ったといえる。昨年の京都牝馬Sの２着馬（ヒカルアマランサス）が、前年のヴィクトリアマイル２着馬だったように、直結コースの牝馬限定重賞なので、その結果は直結しやすい。