素質なら▲ローブティサージュだと思うが、血統や体型や走りからすると1800mの捲りタイプと思われるだけに、この距離短縮は微妙。◎ノボリディアーナは母がフジキセキの全妹でそこにフレンチデピュティだから、カネヒキリやミラクルレジェンドやデグラーティアなど成功例の多い「フジキセキ×Deputy Minister系牝馬」の逆さま配合ということにな る。ボールドルーラーとプリンスキロのクロスらしく柔らかく斬れた脚は外回り向きだし、ここは行く馬もソコソコ揃って、今の京都は外伸び馬場でもあるから狙いは立つ。○サウンドリアーナはスローの前残りのデイリー杯で後方で折り合いを欠き気味、あれはノーカウントでいいだろう。

　2008年イナズマアマリリスが13番人気1着、2007年オディールが4番人気1着で共通していた調教タイプが標準多め坂路。この結果があったので「ファンタジーSは標準多め坂路」というのが定番になっていましたが、近3年の馬券圏内馬の調教タイプをあらためて調べてみると、

2009年
1着タガノエリザベート(8)/標準多めトラック
2着ベストクルーズ(5)/標準多めトラック
3着グレナディーン(3)/標準坂路

2010年
1着マルモセーラ(4)/一杯平均坂路主体
2着ホーマンフリップ(7)/標準多め坂路
3着ホエールキャプチャ(5)/標準多め併用

2011年
1着アイムユアーズ(8)/馬ナリ平均併用
2着アンチュラス(4)/標準併用
3着ファインチョイス(1)/標準併用

　確かにホーマンフリップの標準多め坂路は好走として光っていますが、昨年に関して言えば、上位は併用調教馬が独占。そもそも京都芝外回りは併用系統が好走する舞台だけに、調教適性の微妙な変化は納得できます。昨年こそ、標準の調教本数が上位を占めましたが、やはり本数多い、標準多め系統が好走するというのも大きな特徴でしょう。

　この調教タイプ傾向を満たすのが、標準多め併用◎メイケイペガムーンと標準多め坂路○タガノミューチャン。本数の多い調教タイプはこの2頭しかいないだけに、どちらかが、もしくはどちらも馬券に絡むという想定で馬券を組み立てます。

1.ストークアンドレイ
今回：標準坂路主体
前回：標準トラック

2.マイネチャーム
今回：標準トラック
前回：標準トラック

3.ローガンサファイア
今回：標準坂路
前回：標準坂路

4.ディアマイベイビー
今回：標準トラック
前回：標準少めトラック主体

5.エピカ
今回：標準坂路主体
前回：標準多め坂路主体

6.エーシンセノーテ
今回：標準坂路主体
前回：一杯平均トラック

7.メイショウガンツ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

8.タガノミューチャン
今回：標準多め坂路
前回：馬ナリ平均坂路

9.アメージングムーン
今回：標準坂路主体
前回：標準トラック

10.ノボリディアーナ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

11.モーニングコール
今回：標準坂路
前回：標準坂路

12.プリンセスジャック
今回：標準トラック
前回：一杯平均併用

13.サウンドリアーナ
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準多め坂路

14.ローブティサージュ
今回：標準少め坂路
前回：標準多め併用

15.メイケイペガムーン
今回：標準多め併用
前回：乗込坂路

4番：キッチリ仕上がる。上位争い。
12番：好馬体。上位争い。
14番：休み明けも仕上がる。

【間に合う】ローブティサージュの、函館の新馬、1分53秒2・上がり35秒8は、先週の百日草を楽勝した、レッドレイヴンの新馬の内容と五分。4コナーすぎ、先団に取りつく脚も速かったが、大外を回して余裕の抜け出し。先週のアルテミスSを勝った、コレクターアイテムに匹敵する器に思う。ただ、ポテンシャルは認めても、1400mのスピード競馬。ペースや距離と、課題を残しているだけに、大ポカも確かにあるが、前走は道中なだめなだめ。引っかかるくらいの勢いだった。近親はヴィクトワールピサ。小粒なこの組み合わせなら、直線勝負で間に合うと見た。対抗には、タガノミューチャン・サフラン賞1分21秒2のレコ勝ちを尊重。ディアマイベイビーの1分33秒6は、2歳マイルでは最速。先行馬に乗せれば天下一品のルメールも心強い。ストークアンドレイも、さすがといった感じで調教は走るが、しかしクロフネ産駒。中央場所の7Fは試金石。プリンセスジャックも好調。サウンドリアーナは、血統に奥?の、JRA育成馬。ここが最後の買い時かなぁ…。

　ファンタジーSはなかなか狙いどころの難しいレース。新馬を勝ちたての馬はここ数年不振だし、かといってキャリアがあればいいというわけでもない。距離短縮組は連対率・複勝率の高さこそ魅力だが、過去10年で1勝と勝ち切れない面もある。さりとて前走も1400mだった馬というのは、馬券に絡む場合でも上位人気馬であることが多く、過去10年で回収率が単複とも30％台(前走芝の馬のみ)。よほど絞り込みをうまくしなければいけない。

　◎はサウンドリアーナ。先述したように勝ち切れない距離短縮組なので、馬券は馬連と3連複でいく。どうしても直近のレースで勝っている馬が目立つが、重賞で3着→7着は十分な実績。今回は○ディアマイベイビーを軸にレースが早目に動くだろうから、最終的には◎も2，3着には届いてくると見る。

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【波乱含み】ストークアンドレイはデビューから2連勝で函館2歳Sを制覇。いずれも上がり3ハロンはメンバー最速だった。追って味のあるレースぶりから、1ハロンの距離延長も問題ないだろう。エーシンセノーテはテンのスピードが速い。前走の小倉2歳Sは1番人気で4着だったが、先行馬には厳しいペースだった。1ハロンの距離延長でも、流れひとつで巻き返せる。ローガンサファイアの前走は前残りの展開に泣いた。末脚堅実で今回も大崩れはなさそう。タガノミューチャンの前走はレコードV。2戦2勝で底を見せていない。ローブティサージュ、サウンドリアーナ、プリンセスジャックを押さえる。