･前走7着以下馬
※阪神過去5年[0-0-0-19]
●2011年該当馬→フォーエバーマーク(5着)、カフェヒミコ(8着)、ウッドシップ(13着)、サクラベル(16着)、マルモセーラ(17着)、マイネショコラーデ(18着)
○2012年該当馬→ダームドゥラック、エイシンキンチェム、ファインチョイス、アラフネ

･1枠-3枠に入った馬
※阪神過去5年[0-0-1-29]
●2011年該当馬→フォーエバーマーク(5着)、ハブルバブル(6着)、ダンスファンタジア(7着)、カフェヒミコ(8着)、デルマドゥルガー(11着)、マルモセーラ(17着)
○2012年該当馬→ダームドゥラック、エピセアローム、オメガハートランド、サンシャイン、パララサルー、エイシンキンチェム

･前走、1400m以下戦に5番人気以下で出走していた馬
※阪神過去5年[0-0-0-24]
●2011年該当馬→カフェヒミコ(8着)、スピードリッパー(10着)、ウッドシップ(13着)、エーシンハーバー(14着)、ラテアート(15着)、サクラベル(16着)、マイネショコラーデ(18着)
○2012年該当馬→ダームドゥラック、エイシンキンチェム、プレノタート、ファインチョイス

･前走、フィリーズレビューに出走して2着以内だった馬
※阪神過去5年[0-0-0-10]
●2011年該当馬→フレンチカクタス(9着)、スピードリッパー(10着)
○2012年該当馬→アイムユアーズ

･重賞勝ち馬をのぞく、騎手が乗り替わりとなる馬
※阪神過去5年[0-0-2-15]
●2011年該当馬→ハブルバブル(6着)、スピードリッパー(10着)、ライステラス(12着)、サクラベル(16着)、マイネショコラーデ(18着)
○2012年該当馬→サンシャイン、エイシンキンチェム、イチオクノホシ、サウンドオブハート

2011年残った馬→マルセリーナ、ホエールキャプチャ、トレンドハンター、メデタシ

【昨年結果】
1着：マルセリーナ(○)
2着：ホエールキャプチャ(○)
3着：トレンドハンター(○)

2012年残った馬→メイショウスザンナ、マイネエポナ、ジェンティルドンナ、トーセンベニザクラ、ヴィルシーナ、ジョワドヴィーヴル

須田：先週は見事、勝ち馬ショウナンマイティを真っ先に消すという偉業を達成した当コラム！　今週の桜花賞も、井崎センセイが攻めに攻めた予想で魅せてくれそうですね!!

井崎：……えーっと、スマン。どうか、そのへんで勘弁してもらえないかな？

須田：12頭立てのレースで5頭残し、しかも軸馬に推したナカヤマナイトが5着という冴えない結果でしたからねえ。ここまでくると、さすがに追及の手を緩めるわけには……。

井崎：いや、今週の桜花賞こそは大丈夫！　もう、ホントに大丈夫だから!!

須田：ほほう……ではまず、その根拠からお聞きしましょう。こんなにハズレまくっているのに、今週に限って大丈夫だという、その根拠をですよ!!

井崎：どっかの刑事モノか裁判モノのドラマみたいなノリだな(笑)。じゃあ、まずは「2011年残った馬」を見てくれよ。4頭だけ残って、しかもその4頭が1着から4着を独占っ！

須田：おお、これは確かに素晴らしい。昨年はかなり順当な結果でしたが、11番人気4着のメデタシが残っているあたりに、価値を感じますねえ。

井崎：だろ？　つまり、例年と同じ傾向、同じパターンの結果さえ出てくれば、的中期待度はかなり高いというワケだよ。この6頭なら、当たったも同然ってことだ！

須田：なんかセンセイまで変なノリになってますね(笑)。とはいえ、この6頭って人気馬をほぼ網羅してますから、組み合わせ次第で簡単にトリガミになりません？

井崎：そう、問題はソコなんだよなあ。パララサルー、エピセアローム、アイムユアーズの3頭は消せてるから、ギリギリ耐えられそうな気がしないでもないんだが。

須田：いやあ、ギリギリアウトって可能性も十分ありますよ、コレ。だからといって、先週のように軸馬を選ぶと、センセイのことだからキッチリ抜けそうですし……。

井崎：ウン、いかにも抜けそうだよな(笑)。パターン的には、「チューリップ賞チョイ負け組」のジョワドヴィーヴルとジェンティルドンナが信頼度は高いんだけどなあ。

須田：なるほど、「この6頭で決まる」という点に関しては自信があっても、軸馬選びに関してはサッパリ自信が持てないと。そうなると、トリガミ覚悟で勝負ですかねえ。

井崎：で、うまく配当の高い目で決まってくれるのを待つのが、正解って気がするんだよ。メイショウスザンナやマイネエポナが絡む確率だって、けっして低くないと思うからね。

須田：ま、今年の桜花賞が混戦だというのは、誰の目にも明らかでしょうからねえ。わかりました、じゃあこの6頭による他力本願の馬券で行きましょう！

井崎：いやホントに、今週はかなりの確率で当たるって手応えがあるからな。騙されたと思って、ぜひ！

須田：コレを読んでくださっている9割近くの人が「で、やっぱり騙されるんだよな」って思ってますよ、間違いなく(笑)。

　本命はアイムユアーズ。勝っているレースがマイルより短い距離ばかりなのが少し気になりますが、マイルGIで2着しておりそれほどマイナスではないでしょう。いつも通りの競馬をしてくれれば、おのずと結果はついてくるはずです。

　対抗はジェンティルドンナ。前走は実力を出し切っていない感じで、単に着順を実力として考えるのは避けたいです。また、ここまでマイル戦しか使っていないことから陣営の思いが感じ取れます。

　3番手評価はプレノタート。今まであまりぱっとしない成績でしたが、前走はすごい脚でつっこんできて3着を確保しました。もう少し力を出し切ればGIでも上位を取れるはずです。

　4番手評価はヴィルシーナ。前走は好位から危なげのないレースを見せてくれました。周りのレベルが上がっても自分のレースをできるかが鍵でしょう。
5番手評価はジョワドヴィーヴル。阪神JFを勝っていますが、前走の走りがあまりよくなく評価を落としました。

東大ホースメンクラブ　おにぎり

　パララサルーはデビュー戦でゲンテンの2着にきたときから見どころのある馬だとは思っていたが、とはいえ菜の花賞もアネモネSも◎にはしなかった。それは母方の血や全体の配合パターンからして、中山より東京向きの中距離馬とみたからで、それは今でもそう思っている。

　実際中山マイルではいつも4角ではこりゃ届かんという手応えの悪さで、しかし直線半ばから鋭くというよりは力強く伸びて、終わってみればあの手応えの悪さが信じられない完勝。時計のかかる決着に恵まれたという部分はあるだろうが、ノメりながらもグイグイ伸びてねじ伏せたアネモネSなどをみると、たとえば東京で超一流のブエナビスタが中山内回りでも一流なのと同じで、距離もコースも合っていないのに負けないところに底知れない強さがあるのではないかと思い直した。

　外回り桜花賞はオークスに直結するレースだし中距離馬の地力や素質がモノを言うレースだから、不安要素はあれこれあっても一番強いと思う中距離馬に◎を打つことにしたい。

　2008年1着レジネッタ、2009年2着レッドディザイアなど調教本数が標準より少ない馬が連対することも稀にある桜花賞ですが、外回りになって以降の馬券圏内馬は前記2頭を除いて、すべて標準以上の本数を消化していました。ここでフィルターにかけることができる頭数は少ないのですが、ひとまずはこの方法で馬券対象馬を絞ります。

　その中から選択したのは◎ジョワドヴィーヴル。過去の外回りになった桜花賞へ出走した松田博資厩舎の成績は[2-0-1-1]で勝率50%。その調教タイプがブエナビスタの標準トラックとマルセリーナの標準トラック主体ですから、やや併用指向の阪神芝1600mでも普段から坂路調教を取り入れている同厩舎には調教タイプに表れない併用要素があるのでしょう。

　また前走チューリップ賞で調教本数平凡、併せ馬遅れと調教内容はいかにも休養明けという状態で3着。叩いて良化を期待しましたが、定石通りの上昇を見せ、調教本数を増やし、最終追い切りでは併走相手を突き放す豪快な先着を見せてくれました。今の状態なら阪神JF時のような華麗な走りを披露してくれることでしょう。

　調教タイプから最も妙味を感じているのは○マイネエポナ。坂路主体という併用系統の調教タイプは外回りになってから常に馬券圏内に入る調教適性の高いタイプ。1週前に南Pで併せ馬先着し、最終追いは坂路でソフトに。それでいながら全体的な調教内容が標準多め坂路主体ですから、直線に向いて見せ場十分なレースをしてくれるはずです。

　本数不足のチューリップ賞を叩いて良化歴然なのは▲ジェンティルドンナ。調教タイプが一杯平均坂路になり、併せ馬でもアダムスピークが止まっているように見える機敏な動きでした。

　△ヴィルシーナは最終追い切りを馬なりで終えたことが近2走と違う点なので、評価を下げました。△プレノタートは併用ではありませんが、坂路で本数多い調教タイプで末脚が活きるはず。△エピセアロームは前走から大きな上積みがないと判断、阪神JFとほぼ同じ調教内容の△サウンドオブハートはさすがに評価、△サンシャインは最終追いの時計を遅すぎて評価を落としました。

　☆エイシンキンチェムは標準多め併用と桜花賞の舞台には最適な調教タイプ。全体的な調教内容も5走前1着時と全く同じですから、調教状態の良さを買ってみたいと思います。

1.ダームドゥラック
今回：標準トラック
前回：標準少めトラック

2.エピセアローム
今回：標準坂路
前回：標準坂路

3.オメガハートランド
今回：標準併用
前回：標準多め併用

4.サンシャイン
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路主体

5.パララサルー
今回：馬ナリ平均坂路
前回：馬ナリ平均坂路主体

6.エイシンキンチェム
今回：標準多め併用
前回：一杯平均坂路

7.メイショウスザンナ
今回：標準トラック
前回：急仕上げトラック

8.マイネエポナ
今回：標準多め坂路主体
前回：標準坂路主体

9.イチオクノホシ
今回：軽目併用
前回：標準併用

10.ジェンティルドンナ
今回：一杯平均坂路
前回：急仕上げ坂路

11.アイムユアーズ
今回：標準少め併用
前回：標準併用

12.プレノタート
今回：標準多め坂路
前回：標準併用

13.サウンドオブハート
今回：標準併用
前回：標準トラック

14.トーセンベニザクラ
今回：急仕上げトラック
前回：標準少め併用

15.ヴィルシーナ
今回：標準坂路主体
前回：標準併用

16.ファインチョイス
今回：標準トラック
前回：標準少めトラック主体

17.ジョワドヴィーヴル
今回：標準多めトラック
前回：標準トラック主体

18.アラフネ
今回：標準多め坂路主体
前回：標準多め併用

　桜花賞の注目はデビューしてからわずか29日で現3歳世代の女王の座についたジョワドヴィーヴルでしょう。チューリップ賞ではJRA史上最速のG1勝ちのスケールが評価されて圧倒的な1番人気に支持されましたが、その期待に応えることができず、ハナズゴールに2馬身半差も引き離されての3着完敗でした。そのジョワドヴィーヴルが休養明け2走目の今回で上昇するかどうかがこのレースの鍵となるでしょう。上昇すればそれほど荒れないし、上昇しなければ荒れる可能性を秘めます。

　結論からいうと、ジョワドヴィーヴルは前走チューリップ賞3着から上昇すると見て◎とします。根拠としては前走時よりも調教が良くなっていること、そして大方の言うとおりのスケールの大きさです。通常2歳馬はキャリアを積みながら少しずつ成長していくものですが、同馬はキャリア2戦目で阪神ジュベナイルFを涼しい顔で勝利しました。

　ましてG1は多頭数でレースの流れも厳しく、様々なレースを経験した馬が有利となりやすい舞台です。それをデビューしてから姉ブエナビスタよりも早く勝利したのですから、姉ブエナビスタよりも強いとは言いませんが、伸びしろは姉以上のものが期待できます。また、阪神ジュべナイルFまでは外一気の他馬抜き去る競馬でしたが、チューリップ賞では馬群に入れて揉まれる競馬をさせたのも吉と出る可能性が高いです。今回は不利な外枠に入りましたが、開き直って大外一気の末脚勝負に出るならば好ましいでしょう。

　○は前々走のシンザン記念をそれでも阪神ジュベナイルF出走なら2着に相当する指数で勝利したジョンティルドンナ。シンザン記念激走直後の前走チューリップ賞は、そのダメージで好走するのは難しいと見ていたのですが、結果4着と予想以上の走りを見せてくれました。それは地力強化を示す内容であり、打倒ジョワドヴィーヴルの可能性も秘めます。

　▲は底を見せ切っていないサンシャイン。同馬はシンザン記念では行き脚がつかず、後方からの競馬となりましたが、メンバー中最速タイの上がり3F34秒3の末脚を使っています。つまり11着という着順ほど悪い内容ではなかったということです。また前走のエルフィンSもスローペースを早め進出から、ラスト100mあたりで突き抜けて楽勝し、このときもメンバー中最速の上がり3F33秒8の末脚をマークしました。未完成ながら素質の一端を感じます。

82(S57)年以降の過去30年から、■消える馬・□残る馬をチェック。

■1ダームドゥラック…前走良・稍重の芝で10着以下大敗[0-0-0-60]。

■2エピセアローム…前2走とも芝1600m戦55kg以下かつ0秒4以上敗退[0-0-1-21]。

■3オメガハートランド…前4走内GII以下芝1600m戦55kg以下で2回以上走って連対なし[0-0-1-43]。

■5パララサルー…キャリア4戦以下で芝良・稍重のOP戦連対or重賞戦3着内好走歴がなく非重賞芝で敗退歴がある馬[0-0-1-15]。

■6エイシンキンチェム…年明け2戦以上使用して前走10kg以上体重減[0-0-0-27]。

■7メイショウスザンナ…芝1600m2馬身以上の快勝歴がなく、前走1800m以上使用の芝2勝以下は[0-0-2-31]。

■8マイネエポナ…着外(4着以下)が3回以上ある前走非重賞戦敗退馬[0-0-1-49]。

■9イチオクノホシ…芝4戦以上馬で右芝2回以上走ってゼロ勝[0-0-0-32]。

■12プレノタート…前3走とも55kg以下で連対外かつ0秒2以上敗退の連対5割未満[0-0-2-58]。

■14トーセンベニザクラ…前走2か月以上休養明け戦で着外かつ0秒6以上敗退[0-0-0-55]。

■16ファインチョイス…前2走とも55kg以下で着外かつ0秒5以上敗退[0-0-0-79]。

■18アラフネ…芝2勝以下馬で前走10番人気以下の低評価敗退[0-0-2-70]。

以上から4・10・11・13・15・17の6頭が残るが、

□休養馬…2か月以上休養馬は[1-3-0-29]。このうち、(a)着外がある芝2勝以下or着外が2回以上×・(b)前走非重賞戦敗退×・(c)右芝0-1勝×・(d)1600m未使用の斤量増or前走OP以下戦使用で斤量2kg以上増×・(e)前2走内に1秒以上惨敗×、以上の5項目クリア馬は[1-3-0-0]で、■4サンシャイン脱落。

□重賞V…前2走内に芝1600mの重賞戦Vある馬は[6-6-4-43]。このうち、(a)キャリア10戦以上×・(b)V時、良・稍重で1分36秒6以上×・(c)前3走内1400m以上の非重賞戦で連対外あり×・(d)阪神JF1秒以上惨敗&前3走内に重賞戦6着以下or0秒8以上敗退あり×・(e)前走1700m以上使用×・(f)阪神JF勝ち馬除く右芝0-1勝×・(g)前々走-前走の間隔が2カ月以内なのに前走体重増減10kg以上×・(h)芝2馬身以上快勝歴ない芝2勝以下×・(i)前走敗退もしくはハナ・アタマ・クビ差の辛勝で斤量2kg以上増×・(j)前3走内、連対外が2回×、以上の10項目クリア馬は[6-6-0-0]で、■15ヴィルシーナ脱落。

　改装後の桜花賞は小回りだった旧コースとは違い、オークスと直結するようになったのが大きな特徴で、それは過去の好走馬を見れば一目瞭然。指数的に見ても、改装後は1400m以下ではなく、中距離指向のタイプに好走が目立つ。

　この観点で今年の指数を見ると、高速マイル戦や1400m以下で高指数をマークした馬が多く、求められる適性とのギャップが大きい。また、今開催の阪神芝は悪天候の開催が続いた影響で、時計の掛かるタフな馬場状態だけに、現時点の指数は低くても、中距離での実績、もしくはスタミナ指向の強いタイプを狙いたい。

　本命はヴィルシーナ。現時点の最高指数｢89｣は、今回のメンバーでは下から数えた方が早いのだが、それをデビュー2戦目の1800mでマークしているのがポイント。3戦目のエリカ賞(2000m)、前走のクイーンC(1600m)もスローの上がり勝負で、指数はともに｢87｣なのだが、逆に言えば、2戦目以降は1600m以上の距離で指数を極端に落としていない。この臨戦過程で高速マイルとなると不安があるが、今の阪神はタフな馬場状態だけに、GIの流れでスタミナがより問われる展開になるのであれば、逆に指数を跳ね上げる可能性は高い。

　相手本線はデビュー2戦目の阪神JFで｢97｣をマークしているジョワドヴィーヴル。他メンバーの最高指数が｢102｣だけに、ひと叩きの上積みがあれば普通に勝ち負け必至。

　穴ならオメガハートランド、サンシャインの2枠2頭。阪神1600mの内枠は明らかに不利なのだが、指数的にはともにスタミナ指向のタイプ。前者は最高指数｢98｣を出した以来の距離短縮が魅力で、後者は内しか伸びない馬場だった1回京都のシンザン記念で、大外枠で出遅れるという物理的に無理なレースで最高指数を出しており、持久力勝負なら面白い。

2番：好馬体。上位争い可能。
4番：トモ良くなった。鞍上こみでチャンスある。
10番：良くなったが、ややトモ甘い印象。
11番：キッチリ仕上がる。
15番：馬体目立つ。馬場も合いそうで勝ち負け。
17番：もう少しトモ欲しいが、バネ感素晴らしい。勝ち負け可能。

【素質が満開】偉大なる半姉のブエナビスタと比べてひと回り小ぶりだが、ジョワドヴィーヴルは、父ディープインパクト譲りの、滞空時間の長い持続力のある末脚を駆使し、阪神JFを豪快に一気差し。残り2ハロンめに計時したラップは推定10秒半ば。上がり34秒1の末脚で2歳女王の座をチカラでもぎとった。前哨戦のチュリープ賞は12月以来の実戦、ころ合いも三分咲き。追い切りの動きもフワフワとして、意識的に馬込みに入れ好位から抜け出す競馬も試したが、器用に小脚を使い一瞬の脚で勝負するタイプではない。馬群を割って内から一旦抜け出しを計ったものの、フットワークも小さく伸びもひと息。阪神JFのように、外目をゆったり走らせたほうがいいように思うが、引き当てた枠は17番。たぶん、福永クンも、直線勝負と腹を括っていたに違いない。その意識と枠順が、ピタリと合致。木曜日発表の体重は416キロだが、前走をたたいて調教内容も一変。トモ回りの筋肉も研ぎ澄まされてきた。阪神JFの34秒1の末脚を今一度。満開の桜の下、ジョワドヴィーヴルの素質開花を楽しもう。相手本線もチューリップ賞組。ジェンティルドンナは、同時期の12月の阪神マイルで、ほぼ同ラップの34秒1をマーク。牡馬混合のシンザン記念を、過去10年で2番目の1分34秒3という好タイムで制覇。ポテンシャルは五分だ。前回は熱発(風邪)明け。ライバルのジョワドを前に置き、脚色を計る感じで4着に敗れたが、ゴール前はもうひと伸び。直前の追い切りでは、坂路53秒6の一番時計をマーク。まさにピークで本番を迎えることができた。このデキなら、ジョワドと真っ向勝負のたたき合いでも十分勝ち負けになる。割って入ればエピセアローム。大外枠から先行策で手いっぱいに粘り切った、前走のチューリップ賞2着は、やっぱりなかなかの内容。脚質的にロスなく運べる2番枠、立ち回りの巧さがさらに発揮できる。パララサルーは、木曜発表の体重は438キロ。心配された馬体も、ギリギリ死守できた。3連勝は、いずれも渋馬場。時計で能力の在り処を上手く説明し切れないが、中山の急坂を11秒台の加速ラップで登板。古馬然とした末脚と、3連勝の勢いを惑星に警戒。クイーンCをパワーで制した、ヴィルシーナの先行力も、エピセあたりと同等。オークス向き云々を言われているが、桜花賞は負けてもいいなんて、たぶん誰も、これっぽっちも考えていない(笑)。アイムユアーズは、6戦すべてが3着以上と、勝負強く堅実無比。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

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【上位拮抗】昨年の2歳女王ジョワドヴィーヴルを中心に推す。前哨戦は3着だったが、初めて馬群でモマれる競馬を経験。本番に向けて収穫のある内容だった。ひと叩きして状態は確実に上向いており、本領を発揮する。ジェンティルドンナは同レースで4着だったが、熱発の影響もあった。シンザン記念で牡馬を破った実力は侮れない。アイムユアーズはメンバー中唯一の重賞2勝馬。クイーンC勝ち馬のヴィルシーナは競馬センスがいい。パララサルー、エピセアローム、サウンドオブハートにも注意を払う。

　◎ジョワドヴィーヴルは「ディープインパクト×カーリアン」という組み合わせで、ブエナビスタの半妹、トーセンレーヴの全妹にあたる超良血。母方にカーリアンを持つディープインパクト産駒は高確率で走っているのでニックスといっていいだろう。2戦目にG1を制した事実は偶然でもフロックでもなく、日本が誇る最高クラスの名血に負う部分が大きかったと思われる。

　前走のチューリップ賞で3着に敗れたのは、良馬場とはいえ雨の影響が残る馬場コンディションだったこと、久々に加えて下痢気味で体調面がもうひとつだったこと、初めて馬群に揉まれる競馬をしたことなど、複数の原因が重なったものだろう。一度叩いた今回は稽古での動きが鋭く、完全な良馬場になりそうなのもプラス材料。馬群の外をのびのびと走って直線でスイッチが入れば、阪神ジュベナイルFのときのようにまとめて差し切るはず。

　このたび、奥田隆一郎の新刊『「直結コース」の激走馬を買うだけで高配当が鮮やかに当たる「直結式」馬券術』(東邦出版)が発売されます(4月13日全国発売、一部の書店では先行発売中)。これにより、今週から「直結コースの一覧」が、単行本に掲載された新しい直結コースとなり、より精度の高い予想が可能になります。ご期待ください！

　桜花賞を予想するにあたり、注目するレースは阪神ジュベナイルF、シンザン記念、クイーンC、エルフィンSの4レース。◎ジェンティルドンナは、直結コース・京都芝1600m外のシンザン記念の勝ち馬。直結コースの重賞を勝って適性の高さをあらわし、さらに牡馬相手の重賞勝ちでレベル的にも高評価となる。前走のチューリップ賞は、中間に熱発して体調が不十分だったうえに、マークした1人気馬が飛んだことで流れに乗れなかった。今回は万全の体制で挑め、得意の外回りコースなので巻き返しがある。

　○ヴィルシーナは、牡馬相手のエリカ賞を勝った後、直結コースのクイーンCを制して、いまだ底を見せていない魅力がある。そして、△イチオクノホシは、クイーンCの2着馬で○からのヒモ穴。

　▲ジョワドヴィーヴルは、同コースの阪神JFの勝ち馬なので巻き返し必至。また、△アイムユアーズは阪神ジュベナイルFの2着馬、△サウンドオブハートが阪神ジュベナイルFの3着馬で馬券的に流す相手となる。

　最後に、エルフィンSの勝ち馬△サンシャインを穴馬に推奨する。同コースで新馬戦を勝ち、2戦目は出遅れてレースにならず、3戦目でエルフィンSを制した。直結＋同コースの勝ち馬で適性は高く、2戦目を度外視すれば悪くない戦績を持っている。