先週は関屋記念の◎エーシンリターンズを筆頭に、前走2回中京2週目-4週目に先バテ＆早仕掛けして惨敗した馬が大量に巻き返してきました。今夏の競馬場は例年以上の馬場高速化で、内枠と先行馬がやたらと活躍していますが、新装中京競馬場は路盤が緩く、一度、水を含むと異常に時計が掛かり、差しが決まります。つまり、中京1週目-2週目にかけて雨が降ったことで、レコードが多発した1週目から馬場が一変し、2週目以降は逃げ馬や先行馬は苦しい競馬を強いられたということです。

　そこで今回の◎も2回中京7日目(飛騨S)の先バテ馬リュンヌを抜擢します。同レースで先行して6着に敗れたエーシンハーバーは次走の長岡Sで4コーナー先頭の競馬で楽勝していますし、17着に敗れたキヲウエタオトコは次走初ダートで4着に巻き返しています。

　北九州記念は例年前走でアイビスサマーダッシュを使っている馬が大量出走するため、おおむね前半32秒台→後半35秒台の超前傾ラップで決着することと、小倉が徐々に時計が掛かり出していることが曲者ですが、リュンヌはハンデが50kg。そのようなペースで「06年コスモフォーチュンだって逃げ切ったんだから、リュンヌも先行して粘れないわけない！」ということで、リュンヌの巻き返しを期待します。

　中京の時計の掛かる馬場で行われたパノラマビューカップで1年の長期休養明けにもかかわらず、先日のUHB賞を楽勝したシュプリームギフトに逃げて先着。その時以上に時計の掛かった次走の三河特別でもシュプリームギフトにクビ差まで追い込んでいるのですから、ハンデG3で例年よりややメンバーが低調のここなら通用するというのが私の見立てです。

　○は今春の上がり馬エーシンヒットマン。前走のCBC賞でもスプリントG1級のマジンプロスパーに0.6秒差の5着まで迫りました。▲は今年1月の淀短距離Sで見せた走りはG1級のエーシンダックマン。リュンヌと同型の馬で、リュンヌが好走すると見るならば展開的にこの馬を無視することは出来ないでしょう。

　指数的に上下差の大きいメンバー構成だが、ここは素直に高速馬場適性を重視してエーシンリジルを狙いたい。

　昨年の2着馬で、昨年と同じ斤量というのも有利だが、2走前に京都の高速馬場で｢108｣をマークして、前走で洋芝の函館で｢95｣という指数推移がこの馬のキャラを如実に表している。昨年の本レースを含め、1200mで1分7秒台の決着ならば、110前後の指数をマークするポテンシャルはあるだけに、2年連続の好走に期待したい。

　相手は距離短縮で指数の跳ね上げが期待できるツルマルレオン、エピセアロームの2頭。

【本質はスプリンター】エピセアロームは、昨年の小倉2歳Sの覇者。ポテンシャルだけで、マイルのチューリップ賞を2着したが、本質はスプリンター。6ハロン戦なら折り合いに気をつかう必要がなく、自在にレースを組み立てられる。稽古の動きが体調のバロメーター。直前は重馬場の坂路で、52秒5―37秒9―12秒5の好タイムを、強めでマークしている。エーシンヴァーゴウは、アイビスSDを歴代2位の時計でかけた快速馬。海外遠征明けで、必ずしも万全の態勢とはいかない中、ゴール前グイとひと伸びした前走に地力の片鱗。たたいた上積みも期待できる。ただ、牝馬の56キロは、いかにもキツい(連対実績がない)。エーシンダックマンは、57キロに実績あり。前走のアイビスSDも、内外離れた競馬とはいえ、自分のペースを守って味のある2着。小倉1200mも得意の舞台だ。ヘニーハウンドの、32秒2の末脚に、惑星で敬意を表明。持ち時計が不足気味だが、51キロならマコトナワラタナにも大駈けの目。

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【波乱含み】エーシンヴァーゴウは昨年のサマースプリントシリーズを制覇。前走のアイビスSDはドバイからの帰国初戦で3着だったが、叩き2走目の今回は勝ち負けになる。ジュエルオブナイルは09年の小倉2歳Sを制覇。小倉コースは【3402】と相性がよく、平坦の6ハロンもベストの条件だ。エピセアロームは昨年の小倉2歳S勝ち馬。桜花賞15着、オークス16着だが、一気の距離短縮がプラスに出れば。エーシンヒットマンは減った体が戻って、改めて見直しが必要。ツルマルレオン、ヘニーハウンド、エーシンダックマンを押さえる。