･前走で1400m以下戦に出走していた馬
※東京過去10年[0-0-3-40]
●2012年該当馬→レオアクティブ（8着）、ガンジス（9着）、ネオヴァンクル（12着）、メジャーアスリート（15着）、シゲルスダチ（中止）
○2013年該当馬→アットウィル、マイネルエテルネル、シャイニープリンス、ローガンサファイア、インパルスヒーロー

･前走、ニュージーランドTで4番人気以下、かつ3着以下だった馬
※東京過去10年[0-0-2-31]
●2012年該当馬→ブライトライン（10着）、レオンビスティー（11着）、サドンストーム（13着）
○2013年該当馬→ザラストロ、ストーミングスター、ディアセルヴィス、マイネルホウオウ、カシノピカチュウ、モグモグパクパク

･中8週よりも長いローテで出走する馬
※東京過去10年[0-0-0-9]
●2012年該当馬→ジャスタウェイ（6着）
○2013年該当馬→フラムドグロワール

2012年残った馬→カレンブラックヒル、アルフレード、クラレント、オリービン、セイクレットレーヴ、マウントシャスタ、ハナズゴール、マイネルロブスト、モンストール

【2012年結果】
1着：カレンブラックヒル（○）
2着：アルフレード（○）
3着：クラレント（○）

2013年残った馬→レッドアリオン、ゴットフリート、コパノリチャード、ガイヤースヴェルト、エーシントップ、サトノネプチューン

2013年上半期[星取り表]：●◎●○○●◎●●◎●●●●△●◎

井崎：先週の天皇賞（春）は、3連複2万馬券、3連単11万馬券的中！　いやー、久々にスマッシュヒットが出て嬉しいというか、心底ホッとしたというか（笑）。

須田：下手するとこのまま宝塚記念まで、延々と黒星が続きそうな気配でしたからねえ。もしゴールドシップから入ってたら……と考えると、寒気がしますけど（笑）。

井崎：昨年のオルフェーヴルもそうだけど、アレが自分でレースを作れない馬のリスクだよな。どうしても展開に左右されるし、コースによっても結果が変わる。

須田：平坦の京都外回りで、しかも高速馬場でしょ。ペースが上がったところでマクって行く展開になると、最後に脚が上がって当たり前ですもんねえ……。

井崎：あとは、フェノーメノが想像以上に強かったというのもあるよな。レースも面白かったし、久々に大白星もゲットできたし、この調子で今週もいきたいねえ。

須田：で、マイルカップの消去ネタなんですが、たったの3ネタですか？　しかも、内容まで妙にシンプルというか……よくこれで6頭にまで絞れたものですね。

井崎：うん、このネタでここまで絞れちゃったのには自分でも驚いたよ。つまり、例年だと通用しないパターンの出走馬が、今年は意外に多いってことじゃないかな。

須田：では消去ネタの内容も見ていきますが、まずは前走1400m以下戦出走馬の消去。距離延長組が弱いというのは、東京芝マイルらしい結果ですよね。

井崎：まったく来ないというわけじゃないんだけど、もう明らかに弱いもんな。それに、スタミナ要求度が高いコースだというのは、それこそ昔から言われてることでね。

須田：で、次がニュージーランドT組の絞り込み。単純に前走人気と着順でフィルタリングしてますけど、そのわりに精度が高そうですなあ。

井崎：だって、この組って基本的に好走馬しか来ないからねえ。大きく巻き返してくるケースは考えづらいし、そういう馬なら皐月賞組を狙ったほうが面白いよ。

須田：そして最後に、ローテからフラムドグロワールが「消し」となって、残ったのがこの6頭。かなり人気スジなラインナップですが、このままで大丈夫ですかね？

井崎：うーん、人気どうしの組み合わせでもそれなりの配当が期待できそうだし、軸取りにはこだわらなくていいんじゃないかな。先週ソレで大成功したことだし（笑）。

須田：確かにここは「エーシントップで盤石」というほど堅いレースとも思えませんからねえ。皐月賞組の巻き返しがあれば、また大白星も期待できそうですし。

井崎：サトノネプチューンが来てくれたらアツいねえ。春のG1シリーズで勝ち越しを決めるためにも、ここいらでもう一発……いや、もう二発は当てておかないとな！！

須田：……当たった直後でゴキゲンなのはわかりますが、調子に乗ってるとまたすぐに、ドツボモードに突入しますよ？

　日曜日の東京競馬場でのメインレースは3歳マイル王決定戦のNHKマイルCです。データから総合的に予想していきたいと思います。

　まず押さえておきたいのは、距離延長組が過去10年で1頭も連対していないこと、3着に入ったのもたったの3度であることです。したがって、距離延長組は一思いに切ります。

　本命にはガイヤースヴェルトです。前走の毎日杯は初芝ながらしぶとく粘っての2着。勝ったキズナは土曜日の京都新聞杯を圧勝しましたし、ガイヤースヴェルト自身、3着には3馬身半差をつけています。また、毎日杯組は過去10年で9頭走って4勝2着1回と抜群の成績を収めていますし、ダイワメジャー産駒にとって東京マイルは十八番の舞台です。そして何より鞍上のウィリアムズJが心強いです。持ち前のしぶとさを十二分に発揮できるジョッキーだと思います。

　対抗にはレッドアリオンです。前走のNZTはスタートでやや後手を踏んだものの、内を突いて際どい2着でした。舞台が広い府中にかわるのはプラスにはたらくと思いますし、半兄にNHKマイル3着、東京マイル重賞2勝のクラレントがいるのもポイントです。

　3番手にはゴットフリートを推します。出遅れてレースにならなかった前走のNZTは度外視します。共同通信杯2着で東京コースも問題なさそうですし、人気を落とすと思われる今回は妙味ありです。

　以下、マイル重賞勝ちのある2頭エーシントップ、コパノリチャードと鞍上が不気味なストーミングスターを押さえます。最後に穴馬として、この舞台得意のシンボリクリスエス産駒で東京でも勝ち鞍のあるサトノネプチューンを推奨します。

　東大ホースメンクラブ　PANYA

　木曜の「血統クリニック」は◎ゴット○レッドの順番で書いたが、ここへきての勢い・上昇度を重視して印を入れ替えてみた。

　レッドアリオンはクラブ募集馬の配合診断でほめて推奨したし、全兄リディルもマイルCSなどで◎にしたように、G1を勝てる血統配合だと書いてきたつもりだ。

　母エリモピクシーはエリザベス女王杯のエリモシックの全妹で、エリモシックもエアグルーヴが一本かぶりだった秋華賞で◎にしたのが忘れられないが(勝ったのはファビラスラフイン)、あれがもう15年前なのですね…。

　ボールドルーラー、バックパサー、ヴェイグリーノーブル、テスコボーイ、ダンシングブレーヴ、そしてアグネスタキオンと名血名種牡馬ばかりが配されてきて、クロスの緩急や欧米のバランスもパーフェクトと言える配合。

　デビュー当初はまだ緩さがあってリディルほどマイラーっぽくみえず1800mぐらいがベストではないかと書いてきたが、ここ2週の坂路での力強さと躍動感に溢れる動きを目にすると、今ならば東京マイルでこの血統の爆発力を余すことなく発揮できるのではないか…と思えてくる。

　3/4兄のクラレントは昨年3着だったが、もう一つ二つ上を狙えるはずだ。

　ゴットフリートも朝日杯で◎にしたように配合をほめてきたし、馬券は◎○に絞って買いたい。

　過去9年のNHKマイルC。最多優勝の調教タイプは坂路で本数多い調教タイプ。東京芝1600mという舞台は、基本的に坂路調教馬に適性が高いコースなので、それがG1になって、本数を要するということでしょう。

2004年
1着キングカメハメハ／標準多め坂路
2着コスモサンビーム／標準多め併用

2007年
1着ピンクカメオ／標準多め坂路
2着ローレルゲレイロ／馬ナリ平均坂路

2008年
1着ディープスカイ／標準多め坂路
2着ブラックシェル／標準多め坂路

2009年
1着ジョーカプチーノ／急仕上げ併用
2着レッドスパーダ／乗込坂路

2010年
1着ダノンシャンティ／乗込坂路
2着ダイワバーバリアン／標準坂路主体

2011年
1着グランプリボス／一杯平均併用
2着コティリオン／標準多め坂路

　坂路で本数多い調教タイプが連対した時の相手の調教タイプを列記してみました。ご覧のように、6年中、4年が「坂路で本数多い」タイプと「併用」タイプの組み合わせ。2013年、この調教タイプに該当する馬は6頭いますが、その中の3頭で連対するだろうと考えています。

　その筆頭は◎レッドアリオン。橋口弘次郎厩舎の場合、中3週であれば、4本の調教が普通ですが、この馬は7本。坂路でのキャンターが15-15の時計になっているからです。このあたりの理由について、担当する甲斐純也調教助手に聞いてみたところ「馬のリズムで走らせてあげると、15秒を切るようなところもあるんです」とのこと。

　実は、同調教助手は野元昭厩舎時代にエイシンデピュティを担当、宝塚記念を勝った時がちょうど、今回のような、坂路でのキャンターが15-15の時計になって、標準多め坂路で出走したという経緯があります。今の調教量でG1仕様になったと判断します。

　○コパノリチャードは最終追い切りで福永祐一騎手が跨った時の動きが抜群。とても皐月賞でダメージを受けたとは思えません。状態、調教適性、どちらの面からも勝って不思議ないと思います。

　▲エーシントップは標準坂路主体。調教タイプでは◎○に劣るところはありますが、最終追い切りの動きは文句なし。それが西園正都厩舎の勝負調教に該当していますし、4月28日の日曜左回りのDPで時計を出している点は大きなアドバンテージです。

　☆カシノピカチュウは標準多めトラック主体なので、調教タイプから2着があるか微妙ではありますが、最終追い切りの動きが重心の低いフットワークで抜群。調教タイプ的には標準併用の△ストーミングスターが順当な2着候補。

　△ガイヤースヴェルトは前走時よりも調教内容を強化している点を評価、△アットウィルは3着候補に最適な二桁人気の坂路系。△フラムドグロワールは追い切りが前走時と一変しており、△サトノネプチューンは堀宣行厩舎の勝負調教に該当。

　△ローガンサファイアは当日の気配を見たいところですが、前予想では一応印を。調整方法を変えてからの連勝は見事ですが、やや調教量が足りないというのが、このレースに対する調教内容です。

1.アットウィル
今回：一杯平均坂路
前回：標準坂路

2.ザラストロ
今回：標準坂路主体
前回：軽目トラック

3.ストーミングスター
今回：標準併用
前回：標準併用

4.マイネルエテルネル
今回：標準坂路
前回：標準少め坂路

5.ディアセルヴィス
今回：標準トラック
前回：標準トラック

6.レッドアリオン
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

7.ゴットフリート
今回：標準多め併用
前回：標準併用

8.マイネルホウオウ
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均トラック

9.コパノリチャード
今回：乗込坂路
前回：標準多め坂路

10.ガイヤースヴェルト
今回：標準多め併用
前回：標準併用

11.カシノピカチュウ
今回：標準多めトラック主体
前回：標準多め併用

12.フラムドグロワール
今回：標準多め併用
前回：標準多め併用

13.シャイニープリンス
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準坂路主体

14.ローガンサファイア
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路主体

15.エーシントップ
今回：標準坂路主体
前回：標準少め坂路主体

16.サトノネプチューン
今回：標準併用
前回：標準併用

17.インパルスヒーロー
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

18.モグモグパクパク
今回：乗込坂路主体
前回：馬ナリ平均坂路

　皐月賞、ダービーを超えるレベルの決着になる年もあれば、マイル適性を重視された桜花賞上位馬が好走する年も、そして残念ながらクラシック王道路線からは明らかに劣るレベルとなってしまう年もあるNHKマイルC。

　今年はクラシック王道路線組から比べるとやや落ちるメンバー構成のNHKマイルCとなってしまいましたが、現3歳世代の芝マイルにおけるPP指数最高値を持っているコパノリチャード。そして初芝の毎日杯で好内容の2着とまったく底を見せていないガイヤースヴェルト。この2頭が好走するようなレースになるならば、場合によってはクラシック王道路線組よりも高いPP指数決着になる可能性もありえるだけに、とても楽しみな一戦とも言えるでしょう。

　◎はガイヤースヴェルト。前走の毎日杯では初の芝で、スタートでやや出遅れたものの、すぐに好位に取りつくスピードを見せて、直線は早め先頭。いったんは独走というシーンもありました。最後はキズナの豪脚にやられましたが、3着には3馬身半差をつけての2着です。勝ったキズナばかりが注目されたレースでしたが、緩みないペースで逃げ争いを演じた3頭の後ろにつけて2着と好走したことやレースが進むにつれて芝向きのフットワークに変っていく学習能力とセンスから、ガイヤースヴェルトも十分褒められる内容でした。

　○はコパノリチャード。昨年11月の京都の新馬戦では、前日行われた皐月賞の5着馬タマモベストプレイが勝った、秋明菊賞を0.3秒上回る好タイムで勝利し(パワーポイント指数は、ペースに緩みが生じた分、秋明菊賞のほうが2ポイント高いですが、デビュー戦でそれと大差のない指数を記録したことに価値がある)、3走前の白梅賞では逃げて2着に5馬身差の大楽勝を飾り、この世代のマイル路線をリードしてきました。

　皐月賞ではレコード決着の立役者となり、13着に敗れました。しかし、後続先行馬にプレッシャーかけられて、ガンガン飛ばした結果の敗戦で、逃げ馬らしい、とても美しい負けっぷりでした。特に逃げ馬はオーバーペースに巻き込まれて凡退した後こそ“買い”なのは、前売り1番人気はエーシントップが証明してくれています。

　エーシントップは、シンザン記念が朝日杯フューチュリティS8着大敗からの巻き返しでした。このときの朝日杯フューチュリティSも前へ行く馬にとっては厳しい流れで、その流れを前に行くんだか、控えるんだかハッキリしないチグハグな競馬…でも一旦は前へ行ってスタミナを消費していた分、直線で伸びあぐねました。だからこそ、シンザン記念ではそれまで以上の指数で勝利することができたのです。

　▲は朝日杯フューチュリティSで皐月賞の勝ち馬ロゴタイプ、3着馬コディーノと接戦したゴットフリート。前走のニュージーランドTは9着でしたが、スタート直後に躓き、先行馬有利の流れが敗因。よって巻き返しが期待できます。

過去17回から、■消える馬をチェック！

■アットウィル…前走GII以下で連対を外していた2勝以下かつ連対率5割未満の馬は、前々走に重賞戦で1着or負けても0秒2差内好走ある馬を除き[0-0-3-44]

■インパルスヒーロー…前3走とも1400m以下の短距離戦使用馬は[0-0-2-26]。過去17回の連対馬34頭中30頭までが1600m以上戦1着歴があり、残る4頭も1600m以上の重賞戦で連対歴を持っていただけに、短距離専用馬の出番は厳しい。

■ガイヤースヴェルト…1勝馬は、芝1600mのGI戦3着内好走ある馬や芝1600m以上重賞戦3着内好走が2回以上ある実績馬を除き[0-0-0-17]

■カシノピカチュウ…1600m以上で連対歴がない（未経験も含む）馬は[0-0-3-84]。この中には、前走芝1600m重賞戦3着-5着馬が12頭もいたが連対には至らず。

■サトノネプチューン…前走芝で0秒8差以上の完敗馬は、前々走に芝の重賞戦3着内またはOP戦1着好走があった馬を除き[0-0-3-49]。この中には、前走GI皐月賞出走組が18頭もいたが巻き返しならず。

■ザラストロ…東京芝を2回以上走って0勝かつ連対1回以下は[0-0-0-16]

■シャイニープリンス…前走年明けの非重賞戦使用の芝2勝以下馬は[0-0-3-64]。この中には、前走芝のOP戦1着馬が10頭もいたが連対には至らず。

■ディアセルヴィス…前2走ともGII以下戦で着外（4着以下）は、3走前に芝の重賞戦連対またはOP戦1着好走があった馬を除き[0-0-0-36]

■フラムドグロワール…1600mを2回以上走って0勝は、前走1600m以上の芝重賞戦で0秒3（約1馬身半）差内の好走があった馬を除き[0-0-3-57]

■マイネルエテルネル…前3走とも着外（4着以下）は[0-0-1-33]

■マイネルホウオウ…前3走とも年明けのレースを使用し、そのうち前2走とも体重減（±0を含む）があり、前走GII以下戦で着外かつ0秒4以上敗退は[0-0-3-31]。この中には、2走前に1600m以上重賞戦3着内の好走馬が5頭いたが連対には至らず。万全の仕上げで前走取りこぼしていた馬の再浮上は厳しい。

■モグモグパクパク…ステップ戦のニュージーランドT4人気以下で着外（4着以下）だった馬のうち、1600m戦0勝馬は[0-0-0-34]

■ローガンサファイア…牝馬で斤量増加馬は、前走1400m以上の芝重賞戦連対ある3勝以上馬を除き[0-0-2-13]

　東京芝は開幕週こそ芝丈の影響なのか差しが決まっていたが、芝刈りを行った先週は高速馬場に変化していた。以前のNHKマイルCはマイル以上の距離実績が明らかにプラス材料だったが、高速化が顕著な近年は、道中の速いラップに対応するスピード能力がポイントになる。良績はマイル以下に集中していても、距離延長で指数を上げているタイプで大穴を狙いたい。

　本命はモグモグパクパク。昨年暮れの中山1200mを連勝しているように、以前のNHKマイルCならカモのタイプだが、見逃せないのが本馬の指数動向。1400m→1800mの2戦目で一気に指数を上げて、京王杯2歳Sで7着ながら｢96｣をマークして、連勝した中山1200m戦では京王杯2歳Sの指数を上回れず。そして、今年の2戦がともに距離延長ローテで、徐々に指数を上げているのは歓迎材料。しかも、前走のニュージーランドTは内有利の馬場でスローの展開になりながら、4角で前が詰まる致命的な不利を受けて、直線は外に持ち出すという最悪の展開だった。

　今年はマイル以上の距離実績馬が例年より指数が低調だけに、一発あるなら指数的なバックボーンのあるスプリントタイプと読む。

7番：デキ上昇。
9番：キッチリ仕上がる。折り合えば勝ち負け。
10番：デキ良い。
13番：距離は問題ない。馬場も合いそうでチャンス十分。
14番：気配目立つ。
15番：好馬体も、ややモッサリしている。

【波乱含み】エーシントップは実績最上位。前走叩かれ状態もしっかり上向いており好勝負必至。コパノリチャードは得意の距離に戻って能力の高さを発揮。レッドアリオンは良化十分。左回りもプラスで首位も狙える。初芝の前走毎日杯で2着と結果を残したガイヤースヴェルトはさらに気配上昇。地力アップのローガンサファイアも侮れず、インパルスヒーローやゴットフリートなども上位の候補。

【加速ラップ】インパルスヒーローは、目下三連勝。昨秋11月の未勝利勝ち当時は、1分22秒7。やや平凡な走破タイムもあって、正直マイル適性や将来像を描きにくい馬だった。しかし、二走前の東京戦が、上がり33秒6。前走のファルコンSも、馬群がバラけるのを待つ余裕で、メンバー中最速の34秒7を計時。ラップを精査すると、そのいずれもが加速ラップ。ならば、マイル延長も見えた。ずっしりと重量感のある馬体も、対抗に置いたエーシントップに、負けず劣らずの迫力だ。そのエーシンには、東京マイルに一抹の不安。ただ、喫緊のNZTは、ひと呼吸追い出しを待つ味な競馬。京王杯2歳S・1分21秒2の時点で、NHKで勝ち負けは見えていた。コパノリチャードは、白梅賞・1分33秒9で、エーシンに並んだ。どのように同型を捌き、折り合いをつけるかだけ。ガイヤースヴェルトの前走・毎日杯は、マイル通過が1分33秒7。ラスト1F・12秒台を要したぶん、惑星としたが、数字的には十分足りる。ゴットフリートは、馬体が戻ることが第一条件。前走の出遅れは、戸崎のミスというより、馬がギリギリで余裕がないためだろう。

　昨年、ニュージーランドトロフィーの優勝馬は本番で勝てないというジンクスをカレンブラックヒルが覆したが、実はその前から、「1着→1着」が無いだけで両レースの好走馬は共通する傾向にあった。NZトロフィー4着以下から本番で連対するのは難しく、この組は基本的に前走1-3着馬をケアすればいい。ただ、今年は東京芝1600mは距離適性的にギリギリかもしれない○エーシントップや、詰めの甘い▲レッドアリオンといった馬たちなので、軸は◎から選びたいところ。そこで◎はガイヤースヴェルトだ。

　毎日杯がNHKマイルCと相性が良いのはよく知られた話。一方で、同じ中距離戦の皐月賞からは今年、前走2ケタ着順の馬しか来ていない。消去法か言ってもガイヤースヴェルト以外に選択肢はない。馬連は2-4番手への3頭にまとめ、あとは◎からの3連単で。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

※netkeiba.comのスマートフォン版・競馬総合チャンネルでは、プレミアムコースにご登録されますとご利用頂けます。

　◎ガイヤースヴェルトは「ダイワメジャー×フレンチデピュティ」という組み合わせ。初芝で格上挑戦の前走、800m46秒6のハイペースを好位追走から2着に粘った内容は高く評価できるものだった。NHKマイルCは、昨年こそ直前の雷雨により水を吸った馬場となったため、ガンガン飛ばす競馬にはならず、4ハロンの通過ラップは47秒3とスロー。2年前は45秒7、3年前は44秒8だったように、例年はもっと速いラップになり、勝ち時計も1分31秒-32秒台前半となる。つまり、スピードの持続力が要求される。本馬はこの点で信頼性が高い。ダイワメジャー産駒は過去に勝った7つの重賞のうち4つがマイル戦で、昨年のこのレースを勝ったカレンブラックヒルの父でもある。母の父フレンチデピュティはこのレースで計3頭の連対馬を誕生させている（クロフネ、ピンクカメオ、グラスエイコウオー）。ハイペースのマイル戦に強い血統で、2代母グリーンポーラは名種牡馬グリーンダンサーの4分の3同血なので底力も十分。2年連続で連対を果たしているウィリアムズ騎手が手綱を取るのも心強い。

本命馬の見解:◎コパノリチャードは、直結コースの阪神芝1600mで施行された重賞アーリントンCを制した。この馬にとってのベスト距離はマイルなので、皐月賞の惨敗は度外視して、マイル戦で見直しが必要。クラシック戦線にのっている馬は能力が高いので、前走はレベルが高いうえに距離が合わず、条件的に厳しかった。今回は「適距離＋相手弱化」となるため、勝ち負けできる。

穴馬の見解:▲ゴットフリートは、直結コース中山芝1600mの朝日杯FSを3着に好走。一昨年のNHKマイルCは、朝日杯FSの2着馬(リアルインパクト)が、ニュージーランドT・11着から巻き返した。また昨年も朝日杯FSの勝ち馬(アルフレード)が、スプリングS・12着から巻き返してNHKマイルCを連対した。やはり直結コースのG1激走実績は重視すべきといえる。▲ゴットフリートは、朝日杯FSを3着→ニュージーランドTの9着凡走から、巻き返しを期待できる。