エルコンドルパサーは母父に入ると牝馬には機動力を、牡馬にはスタミナを主に伝え、この血を母父に持つ牝馬にはオメガハートランド、ラブフール、サクラディソール、クッカーニャ、オメガブルーハワイなど、外回りより内回り向き、東京より中山向きの小脚使いが多い。

　◎アイムユアーズはフェアリーキング＝サドラーズウェルズ≒ヌレイエフ2×4･5のスーパー配合だから桜花賞や阪神JFでも好走したが、それでも小回り内回りの1400から1800mではフィリーズレビューとクイーンSに勝ち2戦2勝で、ファルブラヴ×エルコンドルパサーなら平坦外回りより急坂内回りがベターには違いない。雨のファンタジーSを勝ったように血統的に馬場が渋るのもプラスだから、予報通り降るようならヴィクトリアマイルよりもここでガツーンと買ってみたくなる。

○カラフルデイズはフジキセキ×デピュティミニスター系の黄金配合でクロスがインリアリティ4×4だからカネヒキリのようにダートの鬼が出るパターンだが、それだけに芝なら急坂小回りがいいし馬場が渋るのもいい。他は小回りや道悪に疑問符がつくし先をにらんでの出走でもあるから、ここは◎○に絞って買ってみたい。

　2006年以降、阪神芝1400mで行われている阪神牝馬S。過去の好走馬について調べてみると、毎年のように馬券に絡んでいるのが「併用系統」の調教タイプ。毎年のように、と表現したのは、2011年が馬券に絡んでいないからですが、実はこの年は併用系統の調教タイプが出走していません。ですから、出走があれば、必ず1頭は馬券圏内に入る、それが併用系統です。その成績を集計すると、

　[3-1-4-18]　単勝回収率380%、複勝回収率144%

　複勝率は30%そこそこしかありませんが、回収率が抜群の数字。人気薄から馬券圏内を拾うのであれば、絶対に併用系統の調教タイプがベストです。ちなみに1着馬の調教タイプは、

2009年
ジョリーダンス／標準併用

2010年
アイアムカミノマゴ／標準少めトラック主体

2012年
クィーンズバーン／標準坂路主体

　調教本数が多い必要はありません。また、レース間隔が空いていることも問題ではありません。今年の併用調教は4頭該当馬がいますが、その中で最もこの舞台に適性がありそうなのは、◎アイムユアーズ。なにせ2012年のフィリーズレビューを勝っています。

　当時の調教タイプが標準併用、そして今回も標準併用と全く同じ。さらに最終追い切りの内容ですが、当時が美浦坂路で4F54.4秒、1F11.8秒だったのに対して、今回は美浦坂路で4F51.7秒、1F11.7秒。全体時計が速くなっていて、更にラスト1Fが最速のラップ。仕上がり状態に関しても文句ありません。

1.アイムユアーズ
今回：標準併用
前回：標準多め併用

2.マルセリーナ
今回：標準多めトラック
前回：標準トラック

3.ファインチョイス
今回：急仕上げトラック
前回：標準少めトラック

4.クィーンズバーン
今回：標準坂路
前回：標準坂路主体

5.ホエールキャプチャ
今回：馬ナリ平均坂路
前回：地方

6.アスカトップレディ
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

7.メイショウデイム
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

8.フミノイマージン
今回：標準併用
前回：標準少めトラック主体

9.シュプリームギフト
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

10.サマールナ
今回：一杯平均トラック
前回：標準併用

11.アンシェルブルー
今回：軽目トラック
前回：乗込坂路

12.ハナズゴール
今回：標準坂路
前回：標準坂路

13.カラフルデイズ
今回：標準併用
前回：軽目トラック主体

14.マコトナワラタナ
今回：標準多め坂路
前回：標準少め坂路

15.イチオクノホシ
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準併用

16.サウンドオブハート
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準多め坂路

２番：抜群のデキ。馬場だけ。
12番：キッチリ仕上がる。素材上。
16番：マズマズのデキ。位置取り楽。

【立木をなぎ倒す】ハナズゴールの、勢いは止まらず。ひも解けば、3歳春のチューリップ賞では、後の3冠牝馬ジェンティルドンナ以下を、立木をなぎ倒す勢いで一閃した切れ者。420キロ前後の軽量牝馬ゆえ、体調維持に苦労し、使いたいレースを使えず、レース選びをこねまわしてきた観もあるが、リゲルS、そして京都牝馬Sを連勝。牝馬マイルシーンにおいては、ジェンティルも封じ込めることのできる能力の持ち主であることを、堂々証明できた。二の筆頭はサウンドオブハート。こちらも適鞍がなかなか見当たらず、摩耗を承知で関西遠征を繰り返してきたが、建洛陽Sで、関西圏で初めて結果。1400mなら、ハナズに付け入る余地あり。逆にアイムユアーズは、7Fは微妙に短い。フミノイマージンも、58キロを背負い大外進出の中山牝馬Sに、地力のほどはうかがえたが、この距離では惑星がいっぱい。ホエールキャプチャ、マルセリーナは、次走ヴィクトリアマイルの叩き台?

　阪神牝馬Sがヴィクトリアマイルの前哨戦として4月に移設されたのが2006年。それから7回実施されたわけだが、うち4回は前走準オープン組が優勝している。カレンチャンのように1番人気に推されて勝ったケースもあるが、残りの3頭は5、5、11番人気。さらにオープン特別組からもアイアムカミノマゴが勝っているので、重賞組は勝ち切れていないということになる。

　その前走重賞組は全馬均等買い時の回収率が単39％・複59％とかなり悪い。これは前走大敗馬の巻き返し大穴一発が出ないためで、前走重賞10着以下の馬は[0-0-1-23]と完全に足を引っ張っている。買うべきは上がり馬か、ちゃんと重賞でそれなりの競馬をしている馬かだ。ここは唯一の前走準オープン勝ち◎カラフルデイズを軸に、○ハナズゴールなどオープン好走組に流す。

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【相手探し】ハナズゴールは2走前のリゲルSで牡馬を蹴散らし、京都牝馬Sで重賞2勝目をゲット。いずれも上がり3ハロンはメンバー最速だった。中間も順調で1ハロンの距離短縮も問題なし。ここも鋭い末脚で突き抜ける。サウンドオブハートは昨年の桜花賞4着馬で、今年の京都金杯では牡馬相手に4着と健闘。デビュー以来5着以下なしの堅実派で、牝馬限定となれば崩れることはない。フミノイマージンの前走は休み明けで外を回らされた。昨夏の札幌記念を制した実力馬で、叩き2走目で変わり身があっていい。ホエールキャプチャの前走(13着)は初ダートで度外視。昨年のヴィクトリアマイル勝ち馬で、芝に戻って見直す。マルセリーナ、アイムユアーズ、イチオクノホシを押さえる。