福島芝1200mは最終追い切り場所が「南W」もしくは「栗P」が好走する、ということを拙著に記しました。スプリント戦なのに、坂路調教に適性が高くないのは、平坦小回りと高速馬場という要因があると思います。

　最終追い切り場所が「栗P」が◎メイショウハガクレ。近5走はすべて二桁着順。まともに考えれば、本命を打つ要素はありませんが、10走前の1着は今回と同じ夏開催の福島芝1200mで最終追い切り場所が栗Pでした。

　当時の2着ツィンクルスターは1000万下、1600万下を勝ち上がり、オープン特別で好走。また3着のケイアイエレガントはその後に福島牝馬Sを優勝。決して弱いメンバーではなかったと思うだけに、この舞台での調教適性がよほど高いのでしょう。ラップの踏み方などは当時と同じ。非常に妙味深い一戦となりそうです。

1.ジャベリン
今回：標準トラック
前回：急仕上げトラック

2.シルクオフィサー
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

3.バートラムガーデン
今回：軽目トラック
前回：馬ナリ平均トラック

4.ダノンエレガント
今回：標準少め坂路
前回：馬ナリ平均トラック

5.マイネルエテルネル
今回：一杯平均坂路
前回：標準少め坂路

6.ラフレーズカフェ
今回：軽目トラック
前回：乗込坂路

7.メイショウスザンナ
今回：乗込併用
前回：標準坂路

8.エンプレスラブ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

9.フレイムヘイロー
今回：一杯平均坂路
前回：急仕上げ坂路

10.メイショウイザヨイ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

11.ダイメイザクラ
今回：軽目トラック
前回：軽目トラック

12.カハラビスティー
今回：軽目併用
前回：乗込坂路

13.メイショウハガクレ
今回：乗込トラック
前回：馬ナリ平均トラック

14.プレイズエターナル
今回：標準坂路
前回：標準坂路

15.アンヴァルト
今回：乗込坂路
前回：標準坂路

16.アビリティラヴ
今回：標準少め坂路主体
前回：急仕上げ坂路

【順当】プレイズエターナルは期待が大きい分もうひと息の印象もあるが降級なら断然。秋に向け再スタートといきたい。マイネルエテルネルは小倉2歳S、バーデンバーデンC勝ち。小回り実績ならむしろ上。アンヴァルトは7歳ながら充実示す。引き続け気配良く争覇圏。カハラビスティーも力つけ上位の候補。前走快勝のエンプレスラブも侮れず、アビリティラヴやダノンエレガントにも注意したい。

【巧みさ】カハラビスティーのスプリント力を重視。たとえ雨が降っても開幕週、まずは先行力とそれを支える持ち時計がありき。三走前の小倉1200m戦は、1分7秒9で5馬身のブッチギリ。続く吾妻小富士賞は自信満々に好位差し。前半3Fを33秒2-33秒4で飛ばし、もうひと伸びが効く強みを生かしたい。前走の駿風Sは、残り1Fまで先頭争い。あまりの手応えのよさに気分よく行かせすぎてしまったのが敗因だが、福島1200mならコーナーで息も入る。鞍上は戸崎。昨夏の福島シリーズは、どうしたものか仕掛けどころに迷い良績を挙げられないでいたが、地方出身のジョッキーは、本来タイトなコースは巧み。

地力なら降級馬プレイズエターナル。京洛S・1分7秒1の2着を筆頭に、OPで常に上位を賑わせてきた実力派。ただ、横山典の捌きや力量は認めても、57キロでは連対経験がない。マイネルエテルネルも、ひも解けば小倉2歳S優勝馬。水無月Sをひと叩き、昨年の福島シリーズのバーデンバーデンの勝ち馬とはいえ、57キロがﾌﾟﾚｲｽﾞ以上に微妙。となると、57キロを背負い水無月S3着のアンヴァルト。福島の芝ならアビリティラヴにも新味。

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　◎シルクオフィサーは「マヤノトップガン×ノーザンテースト」という組み合わせ。父マヤノトップガンは持続力を武器とするロベルト系で、小回りのローカル戦で良績を残している。本馬はロベルト3×4というクロスを持ち、追っての味はないものの先行してしぶとく、過去、芝で挙げた3勝のうち2勝はローカル戦だった。昨年夏の福島では今回と同じ芝1200mの尾瀬特別（1000万下）を鮮やかに逃げ切っている。

　直近の2走はいずれも二桁着順だが、前々走は休み明け、前走は東京コースだったことが敗因。過去に東京コースでも勝ち星を挙げているものの、前述のように血統的には小回りコースが似合うタイプで、今回、福島芝1200mに替わるのはプラス材料。行きたい馬がいれば行かせて、好位からでも競馬はできる。一発の魅力十分。

【波乱含み】14プレイズエターナルと05マイネルエテルネルは、重賞でも上位に食い込める能力の持ち主。両方を素直に信頼する手もあるが、ひと叩きされている分と枠番の差で、信頼度は05マイネルエテルネルのほうが上だ。ここから少しひねって、12カハラビスティーと04ダノンエレガント本線で買う馬券に妙味を感じる。意外に波乱含みと思われるが、どうか。

昨年の同時期、3歳時にオープン特別のバーデンバーデンCを制しているマイネルエテルネル。当時は52キロという軽量ではあったが内容的には完勝。重賞では掲示板がやっとではあったが、馬柱を見てもらえれば分かるように、8秒台の決着なら崩れておらず、7秒台の決着では限界があるだけ。今春の福島開催は8秒台から9秒台の決着が多かったことを考えれば馬場的には最適。降級戦となった前走は行くところ行くところが詰まって脚を余しただけ。相手も降級馬プレイズエターナル、アビリティラヴの2頭。

ここはどうやら面白い結果が出た。軸は人気◎プレイズエターナル、相手本線が○マイネルエテルネルという普通な感じになるが、以降は人気薄が台頭。距離コースでそれぞれいい数値を持っている▲ダノンエレガント、距離コースは未経験なるも平均値が高い☆メイショウスザンナなどが虎視眈眈。荒れるほうに転がってくれればいいのだが…。