【精密機械】
ミッキーアイルは、
ウオッカが保持していた2歳レコードを、一気に1秒1塗り替える1分32秒3・5馬身差の独走の未勝利勝ちをベースに、続く
ひいらぎ賞も、
朝日杯FSを0秒5上回る1分34秒2で後続を0秒6差に完封。
シンザン記念の1分33秒8は過去十年ではNo.1、阪神の坂を4F連続の11秒台でまとめている。“和製
フランケル”とも称される卓抜したスピードは、東京でも衰えなし。精密機械のような従来のラップを踏襲すれば、自然とマイペース。前半3Fを35秒0で入れば、直線2F目標識近辺から、11秒1前後で再加速。一気に3馬身の
セフティーリードとなる。リフレッシュ放牧を挟み馬体も一段進化。最後の1Fも、今日は尾っぽは振らない(11秒台でまとめてくる?)。
とはいえ、最後の1Fを11秒ソコソコで上がってくる切れ者の強襲は怖い。二の筆頭は
サトノルパン。勝ち上がりに三戦を要したが、暮れの阪神マイルを1分35秒7で一気差し。
きさらぎ賞は、距離1800mをおもんばかり、6着に凡走したものの、二走前の東京1400m戦の上がりは33秒0―自身の上がりは2F連続推定11秒フラットという凄味。兄
リディルと
クラレントは兄弟で
デイリー杯2歳Sを制覇。東京マイル重賞の風景がしっくりとくる良質マイラー三世だ。
ショウナンアチーヴのニュージーランドTも価値ある勝利。1分33秒3のタイムは過去十年の歴代2位。1分33秒2で駈けた
カレンブラックヒルは、続くNHKマイルで逃げ切り勝ちを演じている。
エイシンブルズアイは、あと一歩のところで
毎日杯の勝ち星がスルリ。ハナ差2着の惜敗を喫したものの、マイル通過は1分34秒3―上がり3F・11秒9―10秒9―12秒4というよどみのないタフな1800mの平均ラップを、ゴール寸前まで凌ぎ合った意味は大きい。
底力を問われる差し比べになれば、俄然
ロサギガンティアも浮上。
スプリングS・1分48秒4という全体時計は、馬場差を差し引けば前年の
ロゴタイプの1分47秒8と遜色のないHレベル決着だった。父はマイラーで知られる
フジキセキ。中距離クラシック戦線でもまれてきた経験と底力が、東京1600mの舞台で再開花の予感。
NZTでハナ差2着接戦の
ショウナンワダチは、東京マイルは2戦2勝。
ベゴニア賞では、ズボリと馬群を割り、上がり33秒6の快ラップで、後の
スプリングS優勝馬
ロサギガンティア以下を封じこめている。