2012年は美浦坂路追い切りのブライトアイザック、2013年は栗東坂路追い切りのアドマイヤロイヤルが優勝している欅S。過去のレースから、今回の調教適性上位を探すのは、少々難しく、ひとまずは「坂路調教馬」という、大きなくくりでよいと思います。

　◎カネトシイナーシャはオープン入りしてからの凡走が目立ちますが、距離が1600mや右回りといった、得意ではない条件だったことで、理由付けできます。しかも前走は最終追い切りの内容が非常に軽く、明らかにひと叩きを意識した内容でした。

　今回は4走前、東京ダート1400mを勝った時とほぼ同じ最終追い切りの内容。4F時計はもちろん、ラスト1Fが最速になるラップを踏めている点も同じ。当時はメンバー最速の上がり3Fを使っていますから、今回も同様に鋭い末脚が期待できます。

1.ブラボースキー
今回：標準多め坂路
前回：標準少め坂路

2.ワイドバッハ
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

3.カチューシャ
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準併用

4.ネオザウイナー
今回：標準少め坂路
前回：標準坂路

5.トウショウブリッツ
今回：標準少めトラック
前回：標準坂路

6.シゲルソウサイ
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

7.シセイオウジ
今回：馬ナリ平均坂路主体
前回：馬ナリ平均トラック

8.サトノパンサー
今回：標準坂路
前回：スパルタ坂路

9.カネトシイナーシャ
今回：一杯平均坂路
前回：標準坂路

10.タールタン
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

11.クリーンエコロジー
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

12.ヘニーハウンド
今回：標準坂路
前回：標準坂路

13.サクラシャイニー
今回：一杯平均坂路
前回：一杯平均坂路

14.ファリダット
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

15.セイカプリコーン
今回：一杯平均併用
前回：標準多め坂路

16.スズカセクレターボ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

【伏兵注意】タールタンは力つけOP初挑戦の前走でも3着と好走。コース条件もベストで好勝負期待。ワイドバッハはしまい堅実。ひと息入れて活気も十分でチャンスも。前走を好内容で制したカチューシャは昇級でも即通用。シセイオウジは末脚生きる展開で浮上。シゲルソウサイも状態良好で侮れず、スズカセクレターボやヘニーハウンドにも注意を払いたい。

【自信満々】タールタンで、ほぼいける。銀蹄S・1分21秒9で、準オープン昇格にもある程度の確信はあっただろうが、オアシスSは、距離延長も慮り、追い出しはゆっくりめ。ただ、マイルでも、残り1ハロンでもう一度脚はつかってみせた。むろん、1400mはベスト。ウイリアムスも、自信を持って強気に立ち回れる。

当面の目標はカチューシャ。前回は、上がり2Fを11秒8-12秒0を馬なり。とあれば時計も1分23秒台に詰まる。

東京=追い込みという単純な図式とはいかないだろうが、ワイドバッハは近二走が4・3着。相手関係にも恵まれた。シセイオウジ、ヘニーハウンドも、2-3着争いにはゴール前顔を覗かせてくる。

　長くオープンにいる馬の中に勢いのある馬、安定感のある馬は見当たらないメンバー構成。ここは昇級から間もない馬を狙いたい。若い昇級馬(+昇級からまもない馬)がいないのが悩みだが、そもそもここは6歳以上馬だらけの一戦だ。

◎タールタンは昇級緒戦の前走が3着で、いきなりクラスにメドをつけた。今回はオープン2戦目だが、Tapit産駒でかなりダート色が強い馬だけに、スタート地点が芝からダートになる東京1600m→1400mはプラスだろう。前々走の圧勝からも、今回のコースが合うことは明らかだ。

○ワイドバッハは昇級3戦目、▲カチューシャは昇級緒戦で、◎同様「ダートスタートのレース」が得意な馬たち。○の場合はコーナー4つのレースが対象なので◎とは差をさけたが、先述したようにオープン歴が浅いことはむしろプラスとなる。

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　◎タールタンは「タピット×グリッターマン」という組み合わせ。父タピットは今年の米サイアーランキングの首位を走っており、種付料も15万ドルと全米トップ。現代のアメリカを代表する名種牡馬といえる。東京ダートは得意としており、とくに1300-1400mでは連対率46.7%(30戦14連対)。ほぼ2回に1回は連絡みを果たし、3回に1回以上は勝つという圧倒的な実績を残している。単勝回収率228%、複勝回収率139%は素晴らしい。

　加えて本馬は、2代母がマイディアガール=ミーネクスト3×3、母がムーングリッター≒オールアイアクスフォ2×1、そして自身がムーングリッター4×3(ムーングリッター≒オールアイアクスフォ4×3・2)と、綺麗な手順を踏んで配合を創り上げている。高いポテンシャルを感じる配合なので6歳とはいえまだまだ上を目指せる器だろう。前々走の銀蹄Sの内容はとにかく圧巻。前走はひと息入った上にベストディスタンスよりも1ハロン長かったが、それでも3着を確保した。すべての条件が好転する今回は容易に崩れることはない。

【中心不動】東京での近2走が好内容だった10タールタン。厩舎が再度の東京遠征を考えるのも納得で、オープンとはいえ相手関係も軽め。ここなら好勝負可能と見て、本命に推す。難しいのが相手で、外からうまく立ち回れそうな15セイカプリコーン、展開利がある03カチューシャを本線に設定するも、以下も差はない。

フルゲート16頭中、前走で掲示板に載っているのが4頭だけで、そのうち1頭(カチューシャ)は昇級戦。つまり、非常に低調なメンバー構成になったと言える。特別登録の時点ではベストウォーリア、キズマ、ナガラオリオンなどダート短距離の猛者の名前があったが、蓋を開けてみると、この上位陣はすべて除外。

これは欅Sに出走している16頭すべてが優先出走権を持っていたからで、補欠1番手だったベストウォーリア以下は優先権がなかったため除外に。これでは強くて人気になる馬、つまり馬券が売れる馬が狙ったレースを使えないという弊害が出てくるうえ、いつ使えるか判断しにくいので調整が非常に難しくなる。

ただ、別の角度から見れば、強い馬たちが出てこないところで賞金を加算して今後につなげていく馬や、穴党のファンにはなにが勝つのか分からない=荒れる、という図式で興味を引くのかもしれないが。

本命は昇級初戦になるカチューシャ。なにがなんでもハナへという逃げ馬不在で、また前走同様に内枠なのである程度主張すればすんなりと先手を取れる。しかも、今の東京のダートは圧倒的に先行勢有利の前残りの馬場。これはカチューシャにとっては大きなプラス。強敵はオープン特別で実績を残しているタールタンとワイドバッハの差し脚。

前2走で立て続けに118、116を出している人気◎タールタンからの競馬だろう。相手も○▲にすんなり決定。○も▲も5走平均値が109で◎よりも高いのだから相手馬としては適格。だがこの3頭で簡単に決まるようなレースではないだろう。人気薄でも☆は距離で上位だし、△にも一発を秘める馬がいる。