土曜日の
オーシャンSで前半3F33秒9のペースで逃げた、休養明けの
ハクサンムーンが13着に敗れたように、今開催の中山は時計が掛かるタフな馬場状態です。となれば当然、差し、追い込み馬優勢、前走で消耗戦を経験している馬がより優勢でしょう。
◎には昨年11月の新馬戦を勝ったときからこのコラムや『競馬王』などの媒体で、「クラシックで中心となる馬」と豪語している
アズマシャトルを推します。新馬戦の内容は驚くものでした。いくらスローペースだったとは言え、ゴールに向けて加速しながらラスト1F10秒9であっさり差し切って勝利したのです。
新馬戦で最後まで加速できるのはまだ余裕のある証拠です。また京都の芝新馬戦でラスト1F10秒台をマークする馬は滅多に存在しません。そのことから新馬戦の時点で
アズマシャトルの後の活躍は保障されたようなものでした。
予定どおり
アズマシャトルの快進撃は始まりました。続く
千両賞は前残りの流れを強烈に追い込んで2着。そしてラジオNIKKEI杯2歳Sでは外を回りながら勝ちに行く競馬。結果は早め先頭に立ったところを差されて2着惜敗も、内容は出走馬中で最も濃かったと言えます。
血統や鞍上が地味なために相変わらず人気にならない馬ですが、今回のメンバーに入っても秘めた瞬発力はナンバー1と言えます。確かに松山騎手は時々ビックリするような騎乗をしますが、ここを勝利して
皐月賞の主役に踊り出ると信じています。
○は昨夏の新馬戦では12着に惨敗しましたが、そこからの成長力は凄まじく萩Sで2着、そしてついには翌年のクラシック候補の登竜門であるラジオNIKKEI杯2歳Sを勝利した
ワンアンドオンリー。
確かにラジオNIKKEI杯2歳Sは展開に恵まれた面が大きかったのですが、今回の
弥生賞も途中まではスローペースで流れても勝ちを意識した馬たちが
ゴーサインを出すあたりから急流になりそうなメンバー構成で、結局、差し有利になりそうな気配です。タフな馬場の差し比べということになれば、昨年のラジオNIKKEI杯2歳Sと状況がよく似ています。「同レースのやり直しかよ!」という声が聞こえそうな決着の可能性は十分あるでしょう。
▲は前走の
若竹賞を勝利した
イタリアンネオ。確かに今年の
若竹賞は出走メンバーの質にやや疑問符がついてしまうようなメンバー構成でした。しかし、道中は外を回りながら直線では早めに先頭に立ち、そのまま押し込んで勝利した内容は、出走メンバーの中では明らかに一枚上、着差以上の強さだったと言えるでしょう。
また、
若竹賞当時は前年11月以来のレースだったために、前走比馬体重プラス12kgとやや余裕残しの仕上げでもあったのです。予想以上の成長力を見せる
イタリアンネオ。今回は
皐月賞出走のためにはどうしても3着以内が必要な立場だけに、仕上げもぬかりはないでしょう。上昇度に期待します。