今回の最大の目玉は朝日杯フューチュリティSを無念の除外となって
ひいらぎ賞へ回り、朝日杯フューチュリティSの決着指数(勝ち馬
アジアエクスプレスを3ポイント上回るPP指数で逃げ切った快速馬
ミッキーアイルの出走でしょう。
ミッキーアイルは年末の中山の時計の掛かる、逃げ、先行馬にとっては厳しい馬場コンディションで逃げ切りました。それも朝日杯チューチュリティSの勝ち馬がマークした、最速上がり3Fよりも0.6秒差速い34秒7をマークし、古馬1600万下級のPP指数をマークしたのです。
今回は時計の掛かる馬場から、京都の時計の高速馬場(土曜日は先週よりもワンランク時計が掛かっていましたが)に替わります。これによりおそらく多くの人は、未勝利勝ちした前々走のように淡々とレースを進めれば、後続勢は捕らえられないと考えるでしょう。机上の計算(?)、机上の空論(?)ではそういうことになるはずです。
しかし、
ミッキーアイルが勝った未勝利戦や
ひいらぎ賞では、
ミッキーアイルのスピードがズバ抜けていて、どの馬もプレッシャーをかけに行くことができなかったことも確か。今回は相手強化で、枠順次第では
ミッキーアイルにプレッシャーをかけることも可能な馬も出走しています。特に
ウインフルブルームの宮本調教師が、わざわざ
ミッキーアイルの音無厩舎を訪ねて、「ウチのがハナに行きますよ」と挑発している点も不気味(笑)。
また、将来を考えて、新馬戦のときのように折り合いという英才教育を施し、タメ殺しをしたらどうか?
賞金面を考えるとここは勝っておきたいはずで、陣営の心理としてはこれまでと同じ逃げ戦法を取りたいはず。しかし、
ウインフルブルームがハナに行くのであれば、「ウチの馬は折り合ってみようか」という発想になるかもしれません。
新馬戦の
ミッキーアイルはというと、スタートから終始掛かり気味で、ラスト1Fでは内にササるという、デビュー当初の
サイレンススズカ並の
アンストッパブルを発揮しました。また、前走で古馬1600万下級のPP指数をマークしたとなると、さすがにダメージが出る可能性が高いでしょう。
また、これは
ウインフルブルームにも同じことが言えます。本気で
ミッキーアイルを潰しに行ったならば共倒れになっても不思議ではないし、潰しに行かなかったとしても、前走の朝日杯フューチュリティSがハイパフォーマンスなので、いつかの
マイネルラヴになる可能性もあります。マイネルラブは朝日杯フューチュリティSで
グラスワンダーの2着に善戦し、次走の弱メンバー相手の
京阪杯では「絶対来る!」と言われて、あっさり馬群に沈んだのです。
そこで今回◎に推したいのは、前記の2頭が信用を置けないのならば、当然浮上してくる
モーリスです。
モーリスは京都芝1400mの新馬戦で前半3F35秒1のまずまずのペースから、1F11秒台前半が連発する流れを最後まで加速し続けて2着に3馬身、3着以下に6馬身以上も差をつけ、走破タイム1分20秒6の衝撃のデビューを飾りました。午前のレースと午後のレースでは馬場差があるとは言え、デビュー戦の2歳馬が同日の同距離古馬1000万下、
久多特別、勝ち馬
オースミナインと同じ走破タイムで走ったことは驚きでした。
次走の
京王杯2歳Sでは初戦の走りがあまりにも強すぎたために反動が出て、スタートで出遅れ、1番人気を裏切っての6着敗退となりましたが、直線での追い上げる脚にはみどころがありました。
前走の万両賞は好位から伸びて快勝を決めました。ただ新馬戦での内容からすればPP指数がやや物足りなかったことは確かです。やはり新馬戦の疲れは前走の時点では抜けきっていなかったのでしょう。そろそろ疲れも完全に抜けてくる頃合いの
モーリス。
ミッキーアイル、
ウインフルブルームに死角ありの今回は、当然最有力です。
○は前走の新馬戦は道中後方から直線で一気に抜け出し圧勝した
ワイレアワヒネ。スローペースからゴールに向けて加速していく流れを最後まで加速し続け、ラスト1Fは11秒6。12月の阪神開催最終週だったことを考慮すればとても優秀な内容で、とてもインパクトのある勝ちっぷりでした。
今回は数々の名馬が敗戦を喫したデビュー2戦だけに、どうでるか未知の部分もありますが、中間の追い切りで一変気配(新馬戦で見せた序盤のズブさが見られなかった)を感じたので、対抗まで評価を押し上げます。この馬がここで勝利するようならば、今年の
桜花賞はとても興味深い一戦となりそうです。
▲は前走のラジオNIKKEI杯2歳Sは3コーナー手前から外を回って勝ちに行く競馬をした
ビップレボルシオン。かなり外を回らされながら勝ちに行く競馬は、まだスタミナが不足しがちなキャリア2戦目の馬にとっては厳しすぎたレースだったと言えます。よって9着という着順ほど内容は悪くありません。
逆に言うならあれだけ厳しい競馬を強いられれば、スタミナ面はかなり強化されるはずです。よって、今回は前走の経験から一旦スピードに乗れば最後までなかなか失速しないでしょう。2強共倒れの前崩れの厳しいレースの流れになれば、バテない末脚が発揮できそうです。