過去10年、阪神開催の最終週に行われた
マーメイドSは2004年と2005年になりますが、この2年はいずれも坂路調教馬の勝利。馬場が荒れて、
パワーが必要となる調教適性では、栗東坂路が断然有利でした。
しかし、開催時期が変更となってからは、トラック調教の要素が非常に重要になりました。馬場状態が良く、立ち回りの巧さが必要になることを示す調教適性だと思います。特に近3年は、最終追い切り場所「CW」が連勝中。最近の
マーメイドSのトレンドは「栗坂」ではなく「CW」でしょう。
CW追い切りでも「一杯」に追われている馬が好走。その成績は[3-1-0-7](2007年以降)で、単勝回収率365%、複勝回収率205%という数字を残しています。牝馬限定重賞といえば、馬なり系統の好走がイメージできますが、そこは阪神競馬場。直線の坂を踏ん張るには、せめて強さが必要というイメージでしょう。
◎
フロアクラフト。これまで栗東在厩時には坂路調教で仕上げられていましたが「大型馬だし、最近、少し甘い競馬が続いていたので、しっかりやりたかった」(
西園正都調教師)という理由で、この中間はCW追い切りに変更。これで
マーメイドSへの調教適性がぐんと上昇しました。最終追い切りの強さは、もちろん一杯。
問題は、これまでの坂路から調教場所が変更したことで、馬がそれに対応できているかどうか。13日の調教後、馬を確認して、トモに銭形模様がくっきりと見えていた(体調が良い証拠)ので、むしろ、この変化は
フロアクラフトにとって、ひと皮むけるために必要なことだったような気がします。
○
ディアデラマドレは最終追い切り場所がCWですが、強さは馬なり。強さの違いが、評価の違いになった感じです。加えて、中間の追い切り本数の割合が坂路。冒頭にも記したように、坂路調教馬がやや不振なので、対抗評価にとどめました。
▲
フーラブライドは、標準併用で、最終追い切りもCWで一杯。本命にしてもよい材料が揃っていますが、主観的に追い切りを見て、前走ほどの魅力を感じることができませんでした。それでも地力が違うと思いますし、このレースまでなら、能力を発揮できると見て、この評価。
△サンシャインは
藤岡健一厩舎の勝負調教に該当。△
シャトーブランシュは前走に引き続き、近5走以内にメンバー最速上がりをマークして、最終追い切りが栗東坂路で終い最速ラップ。1着こそないものの、9頭出走で2着2回の美浦坂路で馬なりの調教データから△
ブリッジクライム。☆
コスモバルバラは標準併用を重視しての評価となりました。
1.
ウエスタンレベッカ
今回:馬ナリ平均トラック
前回:軽目トラック
2.
フロアクラフト
今回:急仕上げトラック
前回:標準坂路
3.
サイモンガーランド
今回:標準坂路
前回:一杯平均坂路
4.
サトノジュピター
今回:標準トラック
前回:標準併用
5.
ブリッジクライム
今回:馬ナリ平均坂路
前回:馬ナリ平均坂路
6.サンシャイン
今回:標準坂路主体
前回:乗込坂路主体
7.
アイムヒアー
今回:標準トラック
前回:乗込併用
8.
カノン
今回:軽目トラック
前回:軽目トラック
9.
フーラブライド
今回:標準併用
前回:標準併用
10.
メイショウキラリ
今回:一杯平均トラック
前回:標準多め坂路主体
11.
アイスフォーリス
今回:標準少めトラック
前回:馬ナリ平均トラック
12.
シャトーブランシュ
今回:標準坂路
前回:標準坂路
13.
ディアデラマドレ
今回:乗込坂路主体
前回:標準多め併用
14.
コスモバルバラ
今回:標準併用
前回:標準トラック