ここは先行馬が多く、ハナに拘るのはペイシャぐらいだろうが、揉まれたくない馬や早めに押し上げたい馬が何頭かいるので緩みはないとみて、福島芝も先週はボチボチ差しも決まり出してきたので、差し馬を中心に拾ってみた。

　◎オメガハートロックはオメガハートランドの妹で、ネオユニヴァース×エルコンドルパサーだから小回りの捲り差しが本領、ハーツクライの姪で決して早咲きの血統でもない。

　中山牝馬Sがまだ良化途上というレースぶりではあったが、叩いての上昇を見込んで再度狙ってみる。

　過去3年の福島牝馬Sで馬券圏内に入った馬名と調教タイプを列記すると、

2012年
1着オールザットジャズ/乗込併用
2着コスモネモシン/馬ナリ平均トラック
3着アカンサス/馬ナリ平均坂路

2013年
1着オールザットジャズ/乗込併用
2着マイネイサベル/標準トラック
3着ピュアブリーゼ/馬ナリ平均坂路

2014年
1着ケイアイエレガント/標準多め坂路
2着キャトルフィーユ/標準多め併用
3着フィロパトール/馬ナリ平均トラック

　これらから分かる共通点としては、

(1)1着はすべて追い切り本数の多い調教タイプ
(2)角居勝彦厩舎は3年連続連対
(3)美浦所属馬が圧倒的に有利

　つまり、角居勝彦厩舎が出走していれば最重要視も、そうでなければ、美浦所属馬の追い切り本数の多い調教タイプ(坂路もしくは併用系統)から本命を選ぶ、という手順になります。

　◎ペイシャフェリスは標準多め併用。美浦所属馬として理想的な調教タイプで仕上がっています。最終追い切りは南Wで長めから速い時計を出してきましたが、これは今回は絶対に逃げる、という意思表示に思えます。だからこそ、秋華賞で騎乗した川島信二騎手を起用したと思いますし、淀みなく流れてこそ、標準多め併用の調教適性が発揮されるわけですから、自分でつくった流れを自分で押し切る。これに尽きるでしょう。

1.メイショウスザンナ
今回：馬ナリ平均坂路
前回：一杯平均坂路主体

2.ブランネージュ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

3.ウエスタンメルシー
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

4.フィロパトール
今回：標準少めトラック
前回：標準トラック

5.ケイティバローズ
今回：標準坂路
前回：連闘坂路

6.スイートサルサ
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準少めトラック

7.オメガハートロック
今回：標準少めトラック
前回：馬ナリ平均併用

8.ミナレット
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

9.バーバラ
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

10.グレイスフラワー
今回：標準多め坂路主体
前回：軽目坂路

11.ペイシャフェリス
今回：標準多め併用
前回：標準多め併用

12.リラヴァティ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

13.アルマディヴァン
今回：標準坂路
前回：標準坂路

14.マイネグレヴィル
今回：標準トラック
前回：標準トラック

15.シャイニーガール
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

16.パワースポット
今回：馬ナリ平均併用
前回：馬ナリ平均坂路主体

【横山の熟技】追い込み一手の脚質ゆえ、歩みはスロー。OP到達に時間を要したパワースポットだが、G3の愛知杯を0秒3差に好走。続く京都牝馬Sは、先行勢有利のスローを果敢に3着と追い上げ、地力強化をアピール。コーナー4つの小回り中山牝馬Sも、最速の上がりで3着に突入。見様によっては、相変わらずの不器用。取りこぼしの危険性はつきまとうが、条件馬時代より確実に安定感も切れも増している。久々にタッグを組む、横山典との、ベテランならではの外強襲も楽しみだ。

逆転があればペイシャフェリスの逃げ切り。ニューイヤーC2着など、先手を奪ったときの中山マイルのしぶとさと二枚腰には定評があるが、福島1800mはタフな急坂の中山1600mの延長線上に位置している。

愛知杯3着馬スイートサルサは、福島コースは未経験。取り消し明けの一戦ゆえ、慎重に三番手にとどめたが、決め手は五分以上。前が開くか否か。一発勝負の怖さを抱えているが、中山牝馬S4着馬ケイティバローズの一瞬の脚も猛威。

フィロパトールは、福島と抜群の相性を誇る昨年の3着馬だ。フェアリーS勝ち以降、立て直しに時間を要したが、オメガハートロックは中山牝馬Sに復調の手応え。

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【差し注意】混戦だが、長く脚を使えるパワースポットを中心に指名。グレイスフラワーは叩き2走目で前進必至とみて対抗に据える。アルマディヴァンは距離がカギだが流れひとつでチャンスあり。リラヴァティは再度の単騎逃げなら残り目が考えられそうだ。まくり脚があるケイティバローズが押さえ。ウエスタンメルシーは差し一手だが展開ひとつで食い込みが狙える。

　◎ケイティバローズは「マンハッタンカフェ×キングマンボ」という組み合わせ。コウエイオトメ(日経新春杯-4着)の4分の3妹にあたる。母ホットマンボが「キングマンボ×エーピーインディ」なので、硬質な持続力を武器とし、スタミナにも自信があるので、ハイペースで展開する小回りコースの消耗戦は合っているのではないかと思われる。同じ一族で、同じ「サンデー系×ミスタープロスペクター系」という配合だったアカンサスは、3年前のこのレースで3着と健闘している。

　前走の中山牝馬Sはあおり気味のスタートで後方からの競馬となったが、ハイペースと軽ハンデに恵まれてラストは4着まで押し上げた。今回も行く馬が多く、控えた組が有利な展開となる公算大。稽古では好調ぶりが伝わってくる抜群の動きを見せているので、2kgの斤量増も問題ないだろう。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　春の福島開催の締めくくりを飾る牝馬重賞。ヴィクトリアマイルへの間隔が中2週とステップレースとして理想的なので、ローカル重賞としてはなかなかのメンバーが揃う傾向があります。一昨年はマイネイサベルがここを叩いて本番でも3着しており、GIで穴を開ける馬が潜んでいる可能性も低くありません。

1.中山牝馬Sの再戦に

　同じ小回りの1800m戦ということで、中山牝馬Sから臨戦する馬が圧倒的な優位を占めます。前走で中山牝馬Sを使っていた馬が昨年まで7連勝中。うち6回はワンツーフィニッシュで、1-3着独占も2回あります。なにはともあれ中山牝馬S組の検討なくしては始まりません。

2.格より勢い、大敗馬の巻き返しは厳しい

　その中山牝馬Sの内容ですが、負けていたとしても着順は6着まで。二桁着順に大敗していた馬の巻き返しは厳しいというデータが出ています。中山牝馬Sを人気薄でそこそこ走った馬が、半信半疑のままここでも好走する、というケースがしばしばで、昨年の勝ち馬ケイアイエレガント(10番人気→5番人気)、2010年のレジネッタ(11番人気→5番人気)がこのパターン。順調さと勢いがなにより優先されます。

3.中山では差せるが福島では届かない

　中山ほど坂が急ではないぶん、福島牝馬Sでは早めに動いた馬の頑張りが目立ちます。とくに近年は3週間開催になり、馬場が悪くならないうちにこの重賞を迎えるので、追い込み一手の馬よりも自在性のある馬に分があります。



　グレイスフラワーは休み明けの前走中山牝馬Sが16kg増の太め残りで、行き足がつかず後方からのレースになりましたが、しぶとく伸びて6着。さすがに力があります。本来は好位から進める馬で、小回りも問題にしないはず。ひと叩きしての前進は必至で、重賞初制覇のチャンスです。

　ケイティバローズは前走中山牝馬Sで12番人気ながら4着に入りましたが、その前のダート重賞では上位に顔を出しており、軽ハンデは味方したもののフロックと侮ることはできません。先行する脚もある馬で、福島に替わっても。パワースポットは牝馬重賞で連続して3着。中山の短い直線でも追い込みの破壊力に陰りは見られませんでした。福島でも好走歴があり、馬込みも苦にしません。

　ペイシャフェリスはハナに立つ形ならアネモネS勝ちがあるようにしぶとい馬で、控えて凡走した前走は度外視できます。先行争いを捌ければ1800mでも。ブランネージュはフローラS2着がありますが、君子蘭賞を勝った1800mがベスト距離。中山牝馬Sでは10着に沈みましたが、休み明けも堪えた様子で、巻き返しを期しての一戦になります。

　スイートサルサは中山牝馬Sを取り消しましたがその影響はなく順調に乗り込まれています。重賞で何度も好走があるように力量は確かですが、いずれも直線が長いコースでのものなので、今回は小回りへの対応が課題になります。オメガハートロックは昨年のフェアリーSの勝ち馬。以降は骨折の影響で順調さを欠いていますが、前走中山牝馬Sでは0.8秒差の8着と、復調の気配が窺えました。古馬GIIIが壁にならない素質の持ち主で、あっさり勝つようなことがあっても驚けません。

前走ハナを切っているミナレット、バーバラ、リラヴァティ、4角先頭の形がベストのペイシャフェリス。まずハイペースとみていいだろう。さらに3週間の開催とは言え、最終週の馬場状態。後方待機組みが有利とみた。

本命はアルマディヴァン。以前は右回りに不安があった馬だが、ポジションを上げたコーナリングはスムーズで、坂上で手前を替え伸びた内容から全く問題ないだろう。重賞でも牝馬限定でメンバーが手薄といえるここはチャンス。

パワースポットは終い堅実のタイプ。展開を考えれば、大崩れは考えにくく相手本線。3番手評価は連勝中のウエスタンメルシー。牝馬だけに勢いを重視した。

牝馬重賞で連続3着と好走してきた16パワースポットを推す!追い込み一辺倒だが小回りでも十分に対応は可能。うまく仕掛ければチャンスはある。次位は11ペイシャフェリス。マイペースで行ければ粘り腰は脅威で前進は可能。▲はオークス5着馬2ブランネージュ。能力の高さでどこまでカバーできるか。