まずは過去3年の欅S、1着から3着までに入った馬の調教タイプを列記します。

2012年
標準坂路(12人気)/標準坂路(2人気)/標準坂路(9人気)

2013年
標準多め坂路(2人気)/標準併用(3人気)/乗込坂路(4人気)

2014年
標準坂路(1人気)/標準坂路(3人気)/標準坂路(4人気)

　圧倒的に強いのが、標準坂路。そしてトラック調教馬の好走が皆無。もちろん、トラック単一調教で上位人気に支持された馬がいないということもありますが、坂路の脚力が必要なダート1400mということでよいでしょう。

　昨年の覇者○タールタンは今年も標準坂路なので、評価すべきかも知れませんが、最終追い切りのラップの踏み方が、昨年とも好走時とも違っています。ならば、標準坂路の◎レッドアルヴィス。休み明けでも好走実績があり、そのラップの踏み方はすばるS時よりも優秀。心配があるとすれば、スタート地点がダートということくらいでしょう。

1.ガンジス
今回：標準少め坂路
前回：標準多め坂路

2.キョウエイアシュラ
今回：馬ナリ平均坂路
前回：一杯平均坂路

3.メイショウツチヤマ
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準多め坂路

4.ネオザウイナー
今回：標準坂路
前回：標準坂路

5.タールタン
今回：標準坂路
前回：標準少め坂路

6.ロングロウ
今回：標準トラック
前回：馬ナリ平均坂路

7.マキャヴィティ
今回：標準トラック
前回：標準多めトラック

8.アメージングタクト
今回：馬ナリ平均坂路
前回：馬ナリ平均坂路

9.ヒメサクラ
今回：標準トラック
前回：軽目トラック

10.シセイオウジ
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準多め併用

11.レッドアルヴィス
今回：標準坂路
前回：標準坂路

12.ワンダーコロアール
今回：標準少めトラック
前回：馬ナリ平均トラック

13.エアウルフ
今回：標準多め併用
前回：乗込併用

14.デザートオアシス
今回：標準併用
前回：標準多め坂路

15.ラヴィアンクレール
今回：標準トラック
前回：馬ナリ平均トラック

16.アンズチャン
今回：標準少め坂路主体
前回：標準坂路

【伏兵注意】エアウルフは充実しており今週の動きも上々。末脚堅実で差し切りに期待する。レッドアルヴィスは距離短縮プラスで力量も上位。3歳時のケガの影響がようやく払拭したラヴィアンクレールも争覇圏。ワンダーコロアールは休み明けも力を出せる態勢。アメージングタクトも能力そん色なく、タールタンやマキャヴィティなども差なく要警戒。

【7Fのスペシャリスト】タールタンは東京7Fダートのスペシャリスト。マイルのオアシスSは、残り1Fで止まってしまったが、当コースは昨年の欅S・1分22秒7の快時計も含め〔2201〕。先行してよし、差してよし。自在のレースを組み立ててきた。57キロの斤量でも、昨年のエルコンドルパサーMで2着と結果を残している。

エアウルフは、一昨年の欅S2着馬。ここ二戦、内に閉じ込められたり外を振り回されたり、枠順に泣かされているが、1400ダートはOP特別優勝歴や中京でレコード勝ちもある。フェブラリーSはGIの壁にはね返されたが、折り合いや脚のつかいどころを見ると、レッドアルヴィスは7Fダートでワンステップアップ十分。

ヒメサクラの前二戦の走破タイムは、同時期のエルコンドルパサーMと同レベルの快記録だった。アンズチャンは、さすがにOP特別に入ると、一、二度レース慣れが必要かもしれない。アメージングタクトは、クラス慣れが見込める。

　ここはベスト条件に戻った◎タールタンから入る。ここ4走馬券に絡んでいないが、重賞だったり距離が微妙に長かったり芝スタートの京都だったりで、負けても仕方ない面があった。前走は1600mのうえに前残り。それでいて勝ち馬から0.5秒差ならそう悪くない内容だし、昨年勝ったレースに戻るのだから当然買いだ。

　その昨年時は、後に武蔵野Sを勝つワイドバッハを抑えての勝利。東京ダート1400mはこの馬に限らずTapit産駒と相性が良いこともあり、ここは当然の軸だ。

　○ヒメサクラ。昇級+半年の休み明け+東京で逃げといろいろハードルは高いが、それでも賭けてみたくなるのがここ2走のパフォーマンス。自身が1番人気になるわけでもない相手関係であれだけの着差をつけてきたことは評価しなくてはならないだろうし、ハナに行ったレースはここまでパーフェクト連対。ここも先手さえとれれば通用する。

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　◎タールタンは｢タピット×グリッターマン｣という組み合わせ。父タピットはいまアメリカで最も勢いのあるエーピーインディ系のトップサイアーで、2014年は歴代最高記録を更新して米リーディングサイアーに輝き、今年の種付け料は前年から倍増の30万ドル(約3600万円)。日本でもテスタマッタがフェブラリーS(G1)を制したほか、現3歳のゴールデンバローズはドバイに遠征してUAEダービー(G2)で3着、タップザットは全日本2歳優駿(Jpn1)で2着と健闘している。これまでにダートで挙げた30勝中18勝を東京コースで挙げており、とくにダート1400mでは連対率40%と抜群の成績。

　タールタン自身、東京ダ1400mで[2-2-0-1]とほとんど崩れたことがなく、昨年の当レースではのちに武蔵野S(G3)を勝つことになるワイドバッハを抑えて快勝している。休み明けの前走オアシスS(OP･ダ1600m)は、距離が1ハロン長く、大外枠だったため終始外を回らされ、3コーナーで故障馬を避けようとしてさらに外に振られる不利もあった。叩き2戦目、ベストの1400mに戻り、絶好の5番枠を引いた今回は勝ち負け必至。

いかにもオープン特別で、いかにも1400mという中途半端な距離が得意な馬たちが集結。万全の仕上がりとまではいかなくても◎レッドアルヴィスの地力が一枚上だろう。対抗には差す競馬ができたラヴィアンクレール、安定感でリードするエアウルフが続く。

ここ目標の馬も多いせいか、指数の近い馬が多数出走。距離コースの適性と前走の組合わせで見ていこう。まずは◎レッドアルヴィス。取り立てて高い数値はないが、安定感があって軸はこれだろうという揃い方。相手には前走値高い○タールタン。そこに▲エアウルフが加わる感じ。穴馬もいる。前走同距離コース112を出している☆ヒメサクラ。そして平均値1位とかなりよく走っている割に勝ちきれてこなかっただけの△ワンダーコロアール。この2頭、オープンでもいける指数だ。

距離短縮でスピードが生かせる11レッドアルヴィスが中心!重賞勝ちがある東京は絶好の舞台。うまく好位で折り合えればチャンスは十分にある。次位は決め手上位の13エアウルフ。切れ味は抜群で展開次第で逆転は可能。▲は東京は得意でパワーアップが見込める12ワンダーコロアール。