【ひと夏の経験】
プロディガルサンは、
神戸新聞杯でも主役を張る
リアルスティールの全弟。デビュー戦は486キロ。ディープ産駒では字面では大きい部類ながら、骨格と血統だけで走ったというか。6月時は明らかに成長途上。しかし、その造りでも、東京の坂を11秒8―11秒6―11秒9(3Fは35秒3)というレースラップを上回る、上がり34秒2で強襲。着差はわずかだったが、交わしてからの脚色には余裕あり。おためごかしではなく、2-3歳馬は、ひと夏を越すと見違えるような馬に変身するときがあるが、先週・今週の南Wの調教タイムや迫力は春にはなかった。2000mチョイスも、きっと将来の布石となり吉と出る。
ただ、頭数は少ないが、今年の
芙蓉Sは意外と味のあるメンバー構成。
ルノートルは、福島1800mを1分50秒2で、後続に2馬身差をつける差し切り勝ち。コーナー4つのタイトな福島の1800mは、スタート後の直線も短くピッチも上がりにくい。4F目は13秒0とペースも停滞し、自然とレースの趨勢と能力の在り処は上がり3Fのラップに凝縮する形態をとるが、ゴール板が近づくにつれ、12秒2―11秒6―11秒6(3Fは35秒4)と、レースの流れは一気に加速。ギュッと馬群の凝縮した3コーナーすぎに先団を視野に入れ、最後は手綱を抑える余裕で上がり35秒1で弾けた。ちなみに昨年の同時期、福島の同じ芝1800mを1分51秒3(稍重)、上がり34秒9で突き抜けた
ミュゼエイリアンは、後に
毎日杯を奪取。先週の
セントライト記念の2着馬です。
パラノーマルは、1分47秒7と上がり34秒4という、確からしい時計と二戦のキャリアが生きる一戦。
プランスシャルマンの1分48秒9・上がり34秒6も、ほぼ同じ意味合いをもつ。
札幌2歳Sは素質負けしたが、
スパーキングジョイはデビュー戦、今期の中山の馬場と相通じる洋芝で上がり34秒8を計時。
ストロングタイタンも、パワー勝負のマル外だ。