【波乱含み】サウンドガガは調整順調で気配良好。今回もテンに速い馬が多いがうまく立ち回って勝利を収めたいところ。エイシンヴァラーは力量アップ顕著。レースぶりも上向きで重賞初挑戦でも。キクノストームはしまい堅実で展開も向きそう。シゲルカガは自分の形で運べればしぶとい。マルカフリートも引き続き元気いっぱいで、サトノタイガーやタイセイファントムなども上位を狙える。

【直一気】キクノストームが混戦を断つ。追い込み一手で気配は地味。しかし、グリーンチャンネルCの上がり35秒2もそうだが、常に自分の能力だけは脚を使って全力投球。霜月Sは勝ちを意識し仕掛けを早めたぶん、却って詰めを甘くしたが、レースラップを精査すると、早め仕掛けで敗退組のほうは実は狙い目が大きい。

　連れてアドマイヤサガスがゴール前浮上。追込み型のわりに、内枠で砂を被らせたほうがいいという、けっこう不思議な馬ではあるが、室町Sで国分恭も追い出しや癖が手の内に入った。エイシンヴァラーは、西陣Sを1分9秒8。6Fダートなら、まだ奥と連勝がありそうだ。56キロに増量するが、室町S3着のトキノゲンジも、馬がうなっている。決め手勝負なら、再度マルカフリート。サトノタイガーも昨年2着とほぼ同じデキに造ってきた。

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※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　JRAで唯一、ダート1200mで行われる重賞です。ダート短距離の主戦場は通常1400mなので、「坂があるダート1200m」とはオープンクラスにおいては特殊な部類の条件です。各馬の序列が読みにくくなっており、当然のように毎年大荒れを繰り返しています。JRA重賞の中でも屈指の難易度ですから、心を引き締めて立ち向かいましょう。

1.差し・追い込み馬が中心

　昨年は人気薄のダノンレジェンドが逃げ切って波乱になりましたが、過去7回で逃げ馬の複勝圏内突入はこの一例だけ。先行馬まで広げても他に2頭いるだけです。ダート戦では逃げ・先行有利が大前提ですが、各路線の上位馬が集まる大一番では必ずしもそうではありません。それは先日のチャンピオンズCを見ても痛感されるでしょう。

2.若い馬を狙え

　この条件はレースでの消耗が軽いので、高齢まで現役を続ける馬が少なくありませんが、いつまでも居座り続けるベテランを尻目に勝ち上がっていくのは若い馬ばかり。過去7年間で6歳以上馬の勝利は2012年のシルクフォーチュンがあるだけで、他は4歳馬が3勝、5歳馬が3勝。シルクフォーチュンも連覇を狙った7歳時は3着に敗れていますから、ベテランの実績に頼るのは分の良い賭けとは言えません。

3.迷った時には1枠を買え

　ワンターンの1200-1400戦は揉まれず追走できる外枠有利が原則ですが、このレースでは例外です。大激戦になって前が止まることが通例のため、ロスなく追走できる内枠の馬にチャンスが回って来ます。枠番が「1」の馬は過去7回で[3-1-0-9]、勝率23.1%、連対率30.8%ですから圧倒的です。ちなみに馬番1に限れば[2-1-0-4]。ただし、それ以外の枠には有意な差は認められないので、内枠から買っていくというよりは、あくまで1枠に入った馬に注目するという方針が良いでしょう。

　エイシンヴァラーは4歳を迎えて馬体重が500kgを超え、充実著しい上り馬です。ずっと1400-1700を活躍の場にしていましたが、初の1200m戦だった西陣Sを一気の差し切り勝ち。サウスヴィグラス産駒だけにダートのスプリント戦こそが本領発揮の舞台なのかもしれません。同馬主の韋駄天エーシントップの出走も、展開面でのアシストとして期待できます。

　キクノストームは展開が向いた霜月Sでも5着と一息でしたが、切れ味の差で劣った印象。パワーが活きる1200-1300戦で4勝を挙げていますし、使い込まれたほうがいい馬で今回は小さくない上積みが見込めます。ニットウスバルは連闘になるため出否は微妙ですが、1300m以下では芝ダート合わせて4戦4勝とまったく底を見せていません。「強い3歳世代のダート馬」、スプリント部門でも新星登場の可能性は充分です。

　シゲルカガは芝の京洛Sこそ大敗しましたが、ダート短距離路線のトップランナーの一頭ですからダート戻りなら一変がありえます。ただしここは速い同型エーシントップの存在が目障り。マルカフリートは霜月Sを後方一気の追い込みで快勝。人気薄でしたがこれくらい走って当然の実力馬です。勝って斤量が減るのも好材料。9歳馬だけに疲労のケアが上手くいくかどうか。

　サウンドガガはこの路線の安定株で、ハナを譲っても崩れない器用さがあります。昨年は4着に終わりましたが、展開次第では上位食い込みも。サトノタイガーは昨年の2着馬で、地方馬ながら交流レースでも大崩れしないのですから力量は確かです。追っての味があるので平坦の公営よりも急坂の中山の方が合っている印象。

　ハナを切りたいタイプがエーシントップ、カジキ、サウンドガガ、シゲルカガ、ミリオンヴォルツなど多数。特にエーシントップの前走は引っ張らなかったとはいえ、東京で前半3Fが33秒6という、滅多にお目にかかれないハイペースで追い込み決着を誘発。東京に比べて前半3Fが速くなりやすい中山なら33秒0を切るようなペースがあるかもしれない。少なくとも前半3Fは33秒前半以上になるはずで、そうなればここも追い込み勢から狙うべき。

　本命はエイシンヴァラー。これまでは1400-1700mを中心に出走していたが、初の1200mとなった前走が短距離適性の高さを示す圧巻の勝ちっぷり。相手には前崩れでこそのマルカフリートとトキノゲンジ。

人気はおそらく▲サウンドガガか○エイシンヴァラー。だが平均値ではそれより上位に数頭いるという混戦模様。目立つのはそのサウンドガガの距離コース117だがこれは昨年の同レースのもの。ならば昨年同レース2着だった◎サトノタイガーでもいけるのではないか。もちろん数値は117。平均値トップ☆キクノストームも要注意。前走最高117の△マルカフリート。距離119の△カジキなど穴目を狙った勝負にしてみたい。

先行力は魅力の7サウンドガガが中心。中山には実績があり、うまく好位を確保できれば抜け出すシーンは可能だろう。次位は連勝中の4エイシンヴァラーで差し脚には威力がある。▲は14キクノストーム。追い込み一辺倒だが大駆けの魅力を秘めている。