【お薦め度B】

2番 ケルフロイデ

　緒戦はSペースでの逃げを打っての押し切り勝ち。走破時計・上がりタイム・着差と全て平凡なものでした。しかし、2走目の前走は控える競馬から、終いもしっかり伸びて快勝。センスのあるところを見せつけました。小回りコース向きの器用さがありますし、このメンバーでも楽に好位置をキープして運ぶことが出来るでしょう。ここでも。

◎(お薦め度C)1000円・(お薦め度B)3000円・(お薦め度A)10000円を資金として、明快かつ儲ける競馬にこだわります。

　2歳世代はなかなか粒ぞろいの印象だが、ここは抜けた存在は見当たらず、裏街道の福島で勝ってきたケルフロイデで勝負になるとみた。

　父キングカメハメハがノーザンダンサー4×4・6、母母ケリーアミーがボールドルーラー4×4、しかし母父モンズンのところだけはドイツのアウトサイダー血脈が強く、ノーザンダンサーもナスルーラも全く入らないという、この「1/4異系」の配合形が素晴らしい。

　母方のボールドルーラー的な軽い機動力も受け継いでいて、新馬戦もきんもくせい特別も小回りコースの4角でスムーズに加速しており、この機動力は京都内回りでも活きるはずだ。

　ロライマはなかなか走る馬だが、ミルリーフ≒ミリセントの3/4同血クロスを持ちナスキロ柔いストライドで、前走も加速しはじめたのは直線に入ってからで、本来は外回りがベターなタイプだろう。

　昨年が重賞になって第1回の京都2歳S。その勝ち馬は一杯平均坂路のベルラップ。これを重視するなら、同じ須貝尚介厩舎であり、同じ一杯平均(併用)の◎アドマイヤエイカンで全く問題ありません。

　25日のCWでの追い切りには岩田康誠騎手が跨って、オツウに先着。この中間はゴールドシップやレッドリヴェールといった厩舎のG1ホースに胸を借りて追い切りを行っており、2戦のキャリアでは得ることができないような中身の濃い調教を行っています。

　問題は相手。先週行われた京都芝2000mで連対した調教タイプをご覧ください。

アンドロメダ　標準併用／標準多めトラック
新馬　　　　　標準併用／標準多め併用
嵯峨野特別　　標準多め併用／馬ナリ平均併用
未勝利　　　　標準併用／標準多め併用
修学院　　　　標準坂路／標準多め坂路

　必ず1頭は「標準多め」が連対しています。開催も終盤、芝が荒れて、追い切り本数が必要な馬場になってきたということでしょう。逃げの戦法が決まっていて、標準多めの○ジョルジュサンク。これが相手で間違いないはず。

1.リスペクトアース
今回：標準併用
前回：標準併用

2.ケルフロイデ
今回：馬ナリ平均トラック
前回：馬ナリ平均併用

3.アドマイヤエイカン
今回：一杯平均併用
前回：急仕上げトラック

4.ドレッドノータス
今回：標準坂路主体
前回：標準少め併用

5.ウインクルサルーテ
今回：軽目トラック
前回：標準少めトラック

6.キャノンストーム
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準多め併用

7.ダンツプリウス
今回：標準併用
前回：標準多め坂路

8.ウインテンダネス
今回：標準坂路
前回：急仕上げ坂路

9.オンザロックス
今回：一杯平均坂路
前回：標準多め坂路

10.ジョルジュサンク
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

11.ロライマ
今回：標準坂路主体
前回：標準多め併用

12.コパノミライ
今回：軽目坂路
前回：標準併用

【ああエイカン】アドマイヤエイカンの3連勝に期待。夏の札幌の洋芝は、10秒台のラップが続出する、今の秋競馬とは競馬の形態も異なれば風景も違う。印象もやや遠くなり、数字的な説得力にも乏しいけれど、デビュー戦の上がりは11秒4―11秒5(野芝なら10秒台に匹敵)。札幌2歳Sも、開催末期の稍重という条件下で、前半1000m・61秒9というタフなミドルラップを、豪快に4角マクり。ゴール前もうひと伸びしての1分50秒8は、例年の札幌2歳Sの水準をキチンと保っている。前走後の目標はこことハッキリ。二週前はゴールドシップを相手に7F・96秒5追いを敢行。ゴールドシップは調教駈けするタイプではないとはいえ、ラスト3Fも37秒3―12秒3と伸びきっている。そして先週は坂路で51秒8―37秒5―12秒4。どんなコースでも精度の高い時計を叩きだせるのは、単なる力馬を超えた才能。ハーツクライ産駒の調教の攻め具合と進化を、ジャスタウェイで須貝師は知っている。

　しかしアドマイヤが、やっぱりパワー型。中央場所の高速決着に遅れをとるようなら、ケルフロイデが浮上。新馬戦を見たときは、正直この馬こそ力馬だと思ったが、きんもくせい特別は、11秒9―11秒4―11秒6というレースラップを軽々と差し切っている。リスペクトアースも、デビュー戦は11秒4―11秒0―11秒4で逃げ切り。こちらが想像する以上に、タフで良質な逃げ馬かもしれない。

　ゴール前はモコモコしているように見えたが、ドレッドノータスはラスト4F目から11秒台の脚を長く使っていた。キャノンストームの1分49秒5・上がり35秒7は、同日の黄菊賞の1800通過ラップと遜色ない。ロライマは、先週の東スポ杯を鮮烈に差し切ったスマートオーディンの胸を借り、地力強化に努めている。

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【伏兵注意】アドマイヤエイカンは無傷の2連勝で札幌2歳Sを制覇。脚質に幅があり、追い比べに勝つ根性も秘めている。久々だが仕上がりも良好だ。ロライマの初戦は末脚を伸ばして着差以上に強い競馬。血統的にも奥がありそう。ケルフロイデは2戦2勝と底を見せていない。ジョルジュサンクは良馬場で反撃。キャノンストーム、ダンツプリウス、リスペクトアースを押さえる。

　◎ドレッドノータスは｢ハービンジャー×サンデーサイレンス｣という組み合わせ。ディアデラマドレ(府中牝馬Sなど重賞3勝)の半妹、サンマルティン(新馬勝ち)の全弟にあたる。母ディアデラノビアはフローラS(G2)など3つの重賞を制覇し、2代母ポトリザリスはアルゼンチンダービー(G1)、アルゼンチンオークス(G1)を制した女傑。活気に満ちあふれた名牝系だ。父ハービンジャーは持続力型のヨーロッパ血統なので、ディアデラノビアの瞬発力や柔軟性といった要素は合うだろう。

　前走のデビュー戦は、2番手追走から勝負どころで先頭に立ち、そのまま押し切る積極的な内容。勝ちタイム2分02秒1は、京都芝2000mの2歳デビュー戦では歴代5位タイに相当する優秀なもので、2着ナムラシングン、3着ファスナハトは2戦目の未勝利戦をすぐ勝ち上がった。レースレベルはきわめて高い。血統的なポテンシャル、初戦のレース内容を考え合わせると、このメンバーに入っても十分やれるだろう。ハービンジャー産駒らしい小回り向きの脚質なので、初戦と同コースで戦えることも好材料だ。

※火曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　重賞としては今年が2回目ですが、オープン特別として開催された期間が長く、この時期の中距離戦としてファンには馴染みの深い存在です。オープン特別時代の勝ち馬にはエピファネイア、ヴィクトワールピサなど「超」のつくような名馬の名前も見られます。将来の大物中長距離馬の登竜門的なレースと言えるでしょう。

1.人気馬並び立たず

　過去10年で1番人気が5勝、2着2回と高い連対率を誇ります。しかし、連勝が1-2番人気で決着したことは2005年が最後で、それ以降は4番人気以下の馬が必ず1頭は連絡みしています。重賞になった昨年も1番人気のティルナノーグが沈んで、6番人気のベルラップと2番人気のダノンメジャーで決着。小回りらしい波乱の決着が前提で、人気サイドから穴馬への流し馬券が有効です。

2.スタミナが問われる一戦

　昨年1着のベルラップ、3着のシュヴァルグランはいずれもハーツクライ産駒でした。両馬はそれぞれ6・5番人気の穴馬でしたが、重賞の厳しい流れになって秘めたスタミナが開花した形です。スピードだけでは押し切れない条件なので、ハーツクライやマンハッタンカフェのように長距離戦で活躍馬を出す種牡馬の産駒が狙い目です。

3.差す準備はできているか

　前走で逃げていた馬は過去10年(オープン特別時代を含む)で[1-2-2-7]ともうひとつ勝ち切れません。対照的に前走で差す形で競馬をしていた馬は［5-2-2-15］で勝率20.8%、連対率29.2%と活躍しています。安易に逃げずにきっちり差す形を経験していることが、上級レースで大きな武器になることは言うまでもありません。

　アドマイヤエイカンは札幌2歳Sの勝ち馬。重賞勝ち馬が京都2歳Sに出走することはほとんど前例がありません。次走ホープフルSへの叩き台という側面はあるものの、乗り込みは入念で仕上がりに不安はなさそう。このメンバーならば力の違いを見せつけてくれるでしょう。

　ロライマは阪神芝2000mの新馬戦で披露した末脚が3F推定33.7秒という圧巻の切れ味でした。デビュー戦で差す形をクリアーしているのも好印象で、瞬発力勝負になれば大勢逆転の可能性も。ケルフロイデはきんもくせい特別を完勝。母系はスタミナ豊富で距離延長は歓迎ですし、逃げ差し自在の脚質も魅力的です。

　ドレッドノータスは今回と同コースの京都芝2000m新馬の勝ち馬ですが、前走が逃げての勝利だったために自分の形で競馬ができなかった時の対処には不安が残ります。ジョルジュサンクは黄菊賞を5着に敗れましたが、稍重馬場で淀みないラップを刻んでの逃げだった点は評価できます。マイペース逃げが叶えば2着に粘った紫菊賞の再現も。リスペクトアースは東京芝2000mの新馬を勝っての西下。楽なペースからの逃げ切りでしたが、メンバーの揃った一戦でしたから価値があります。巨漢馬だけに叩かれての上積みも大きいでしょう。

【素質高い】新馬戦が好内容だった06キャノンストームを本命に推す。前走は馬場が悪かったが、それでも反応の良さや末脚はかなりのもの。操縦性の良さも、内回りの芝2000mでは大きな武器となる。相手は、01リスペクトアースと02ケルフロイデが上位評価組。◎の単複や1着固定の馬券も買っておきたい。

【小波乱】ロライマは瞬発力がありレースセンスに長けている。スピードに乗ってからがいいケルフロイデ。堅実なオンザロックスも差はない。

いつもながら判断が難しい2歳戦のオープン。指数が低い馬でも初戦勝ちであれば十分に争覇圏内になるからだ。同距離コース88でジョルジュサンクは評価したいが500万で5着の数値では☆までが妥当か。同距離コース77で決して高くはないが同距離コースで勝ちきっている◎ドレッドノータスを筆頭評価。最高値持つ○アドマイヤエイカン。コース82▲キャノンストーム、△ロライマまでは上位同等。

札幌2歳Sの覇者3アドマイヤエイカンが主力。レース間隔は開いたが心身がともに充実。パワーアップしてきた。長くいい脚が使えるので京都でさらに持ち味が生きそうだ。次位は11ロライマでデビュー戦の鋭い末脚から素質は一級品。▲は4ドレッドノータスでスピード能力は高く善戦は可能。