秋華賞トライアルの
ローズS。
ローズSといえば、
デニムアンドルビーが勝利した一昨年のように、道悪になって前がキレイに潰れた年もありますが、良馬場ならば牝馬限定戦らしくスローから平均的な流れになることが多いレースです。つまり、先行馬が有利で、極端な話、フルゲート18頭立ての最後方から、まとめて17頭も差し切れるような流れにはなりづらいということです。
しかし、追い込み馬は不利なのに、前売りの時点で
ミッキークイーンが、けっこうな支持を集めての1番人気に推されています。確かに
ミッキークイーンは
オークス馬ですが、
オークスはレースメイクした
ノットフォーマルの鞍上がG1・2度目の挑戦というキャリアの浅さを出すように、3コーナーから早仕掛けをしたために前が自滅したレース。
ミッキークイーンは展開に恵まれた面も大きかったことも否めません。
ミッキークイーンは、これまで5戦5連対の優等生。また、スローペースで明らかに先行馬が有利だった
忘れな草賞でも3コーナーからじわりと進出して勝利を決めています。しかし、今回はそのときよりも距離が短くなり、相手も強化。もともとスタートが遅いタイプでほぼ確実に位置取りが悪くなりそうなので全幅の信頼が置けません。
また、
オークス5着の
アンドリエッテは、川田騎手に追い込み馬として育てられましたが、スタート自体は悪くないので、横山典騎手への代打騎乗で、いきなり先行ということも考えられます。しかし、これまで先行したことがない馬がいきなり先行した場合、よっぽど逃げ、先行馬としての資質が高くないと仮に展開に恵まれたとしても中途半端な着順で終わってしまうこともしばしば。先週の
紫苑Sの
アースライズ(
オークス4着)の二の舞になってしまう可能性も考えられるでしょう。
やはり本命にすべきは、もともと先行馬で能力のある馬ということになります。よって◎には、今年の
桜花賞を4馬身差で圧勝した
レッツゴードンキを推します。
オークスでは
桜花賞の圧勝劇の疲れが残ってしまったようで、折り合いを欠いて10着に沈んでしまいましたが、着差を見るとチグハグな競馬をしながらも勝ち馬から1.1秒しか離されておらず、能力の高さを感じ取ることは出来ました。
かつて
桜花賞を圧勝して
オークスで惨敗に終わった
キョウエイマーチは秋緒戦の
ローズSを快勝しています。他の
桜花賞馬も
ローズSでは好成績を残していることが多いようです。今回のメンバーは積極的に行きたい馬が少ないメンバー構成で平均よりも遅い流れになりそうなだけに、折り合いさえつけば展開的にも恵まれるでしょう。実力的にも申し分なく、ここを勝利して、今後はかつての
キョウエイマーチのような活躍を期待したいところです。
○はデビューしてから前走まで全て3着以内に走っている実力馬
ライトファンタジア。前走の
西海賞は1番人気を裏切って3着となってしまいましたが、そもそも古馬混合の1000万下で3歳馬ながらいきなり3着に好走したことは高い能力があればこそです。
前々走で500万下を勝利し、前走の1000万下戦を惜敗というパターンは
ローズSで上がり馬が好走する一番多いパターン。それに
ライトファンタジアはぴったり嵌ります。先行策から流れに乗れば十分好走のチャンスがある馬と言えるでしょう。
▲は今年の5月に遅いデビューをした
プレミオテーラー。最初の3戦は4着、12着、6着と平凡な成績でしたが、近3走は2着、3着、1着と充実急な馬です。特に前走の小倉未勝利戦は重馬場を好位追走から直線で一気に抜け出す強い内容の競馬、PP指数も未勝利戦としてはかなり優秀な数字となりました。
今回は先行勢がやや手薄なメンバー構成だけに、展開も向きそうです。前走でタフな競馬を経験していることも、今回のレースにおいてスタミナアップに繋がるでしょう。昨年に続いて前走未勝利戦からの好走馬が出るかもしれません。