小倉2歳Sは、同距離コースで行われる
北九州記念と同様によくオーバーペースが発生します。
北九州記念は、世界最速級のスピードを競う
アイビスサマーダッシュ組が大挙出走するためによくオーバーペースになりますが、
小倉2歳Sはまだ正体を見せない若駒同士の戦いゆえによくオーバーペースになります。鞍上自身がこの馬はこのくらい行かせるのがベストというのをあまり認識していない上で、勝つことに固執するからオーバーペースになるのでしょう。 オーバーペースとは、その馬の能力以上のペースで前半から走ること。今年の
北九州記念で前に行った馬3頭が下位を独占したように、逃げ、先行馬は断然不利です。しかし、
小倉2歳Sでは、逃げ、先行馬は残れていないのかというと、けっしてそんなことはありません。
これは短距離の新馬戦は「スピード任せに行かせてみる」、それで失速して勝てなければ、次走の未勝利戦では「控え気味に行かせてみる」、それでもまた失速して勝てなければ「もっと控えてみる」という、もっともっとが繰り返され、即ち、短距離戦で逃げて早い時点で勝てなかった馬は“弱い”という構図が作られがちだからです。弱い馬が工夫によって勝ち上がって、今回で展開に恵まれたとしても容易には勝てませんよね。ゆえに、
小倉2歳Sは、オーバーペースでも、逃げ、先行馬が活躍するのです。
よって、◎には今年7月の中京・新馬戦を好タイムで逃げ切り勝ちした
シュウジを推します。その走りが評価されて次走の
中京2歳Sでも1番人気に支持されましたが、ここも逃げて3馬身差の勝利でした。今回の
小倉2歳Sで有力視されている他の馬たちは、新馬戦と
中京2歳Sで退けた馬が大半です。また、その2戦ともに余裕を持っての勝利でしたから、まだまだ
シュウジの体調自体は上積みが見込めることでしょう。となれば今回では逆らう明確な理由も見当たらず、よほどのことがなければ、好走必至の馬と言えます。
○は6月阪神の新馬戦では2着に2.5馬身、3着に5馬身もの差をつけて完勝した
コウエイテンマ。続く
中京2歳Sでは力を出し切れず5着と凡退しましたが、前走の
フェニックス賞では直線で追い出されるとグイグイ伸びて5馬身差の圧勝でした。さすがにあれだけ走ってしまうと、今回に向けては多少のダメージが気になるところではあります。しかし、現在の小倉は外枠、差し馬が有利な馬場状態になっています。となれば、自在性が高いこの馬はやはり有利に戦うことができるでしょう。展開も味方しそうです。
▲は7月中京の新馬戦では、ゴール前で後の
フェニックス賞3着馬
タイセイパルサーに捕まって惜敗の2着だった
サイモンゼーレ。この新馬戦はなかなか粒揃いの一戦だったようで、3着馬、4着馬も今回の
小倉2歳Sに出走してきました。
サイモンゼーレは続く小倉未勝利戦では、2着に3馬身差をつけて楽勝を決めました。順調に上昇モードに入ったようです。今回は有利な外枠を引き当て、実績上位馬たちに一泡吹かせるチャンスと言えそうです。