シャルールはゼンノロブロイ牝駒で母系にミルリーフの血が入るのはコスモネモシン(11年クイーンS2着)やリラヴァティと同じで、洋芝向きのパワーはある血統。

　トムフールのクロスの影響で短足でピッチで走るから根は小回り向きだと書いてきたし、だから福島牝馬Sでも◎にしたが、スローの前残りを外を回ってよく捲り差してきた。

　あのときよりは先行馬も揃ったから、同じような競馬でも今度は差し切れるだろう。

【洋芝適性も相当高い】リラヴァティがメキメキと地力をつけている。二走前のパールS・1分45秒3という好タイムに、重賞でも勝ち負けの予兆を示していたが、マーメイドSは1000メートル通過・59秒6というミドルラップを好位で折り合い、ラスト4F目から11秒9―11秒6―11秒6でロングスパートを開始。粘り強く後続を封じ込めた内容に力量アップが見て取れる。グリップを効かせて走るパワー型だけに洋芝適性も高い。

　対抗にはマイネグレヴィルの逃げ残りを抜擢。人気のリラヴァティを中心にレースが動き、単騎でハナを切る同馬はかえってマークは薄い。札幌は2戦2着2回、調布特別や垂水Sの1分45秒7という記録も立派な穴の根拠になる。

　シャルールも札幌は3戦1勝2着2回。ヴィクトリアマイルはリズムを崩してしまったが、中距離1800mに戻れば一変十分だろう。ロッテンマイヤーは、ビワハイジの血を汲む、将来性豊かな3歳馬だ。都大路Sを1分46秒0で制したナムラアンも連下には押さえておきたい。

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【実力伯仲】ここでは断然の存在だったオークス2着馬チェッキーノの回避より、一転して混戦模様に変わったクイーンS。答えから書くと本命はナムラアン。メンバーを見渡したところリラヴァティを始め、今年勝利を挙げている馬が数多く出走しているが、その中でOP以上の混合戦と絞ると、ウインプリメーラと◎の2頭しかいない。通常なら重賞(京都金杯)を勝っているウインプリメーラなのだが、休み明けと人気面を考えて▲まで。◎の前走はスタートがすべての敗戦。実際勝ったのは前目で競馬したリラヴァティで、スタートさえまともならば両者に差はない。とくに今回はスタートが上手と評判の三浦騎手を起用と、ゲートには細心の注意を払ってきた。先行出来た時の◎の安定感は抜群だ。対抗は思い切ってダンツキャンサーを指名。前走の一変ぶりには驚かされたが、その後短距離に拘らず、ここに駒を進めてきたのは、それ以上の驚き。この枠順でハナが奪えれば、再度穴を開ける可能性は十分にある。

　◎テルメディカラカラは｢ハービンジャー×ダンスインザダーク｣という組み合わせで、母ジョリーダンスは阪神牝馬S(G2)を二度制し、安田記念(G1)でも3着に食い込んだ活躍馬。父ハービンジャーはイギリスの芝12ハロン路線で活躍し、古馬になって強くなってきた馬だけに、産駒はパンパンの良馬場よりもやや時計のかかるコンディションや洋芝を得意とし、おそらく4-5歳でピークを迎えるタイプが多いだろう。札幌芝1800mでは連対率32.1%ときわめて優秀な成績で、2010年以降、このコースで20走以上した種牡馬のなかでは3番目の数字。

　本馬も昨年夏に一度だけ走ったことがあり見事勝っている。前走の晩春S(東京芝1400m)を勝ってOP入りを果たしたが、ハービンジャー産駒は東京コースも芝1400mも苦手としている。要するに、この馬向きとはいえない条件を勝ってきたので、4歳の夏を迎えて以前よりも格段に強くなっていると思われる。そして、最も得意とする札幌芝1800mに替わった今回、一発があっても不思議はない。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　真夏の牝馬重賞・クイーンS。GIII戦でありながら実績馬も出走しやすい別定重量で行われるため、GIを目指す馬の秋への叩き台として重宝されています。

　最近5年間では1番人気が3勝で2番人気が1勝。「勝ちに来た馬」がきっちり結果を残している反面、10番人気、10番人気、8番人気、6番人気、7番人気という穴馬も毎年連対を果たしています。さすがにローカルの牝馬限定戦らしく、一筋縄ではなかなか収まりません。

1.スピード勝負に対応できるか

　開幕週の芝1800m戦ですから、速いペースで流れて最後も速い上がりを求められます。当然、スピード勝負に対応できるだけの素地を持っていることが勝ち負けするための必須条件になります。去年の勝ち馬メイショウスザンナは、マーメイドS惨敗からの臨戦でしたが、もともとは1200から1600を主戦場にしていた馬でした。2010年のアプリコットフィズと2012年のアイムユアーズは、オークスからの臨戦でこのレースを勝っていますが、両馬はそれ以前にマイル以下の重賞での好走実績が豊富で、スピード勝負に対応できることはすでに証明していました。

2.ヴィクトリアマイル組強し

　前項で触れた3頭は例外的な存在で、基本的に距離短縮で臨む馬は成績が芳しくありません。過去10年で距離短縮ステップが勝率5.1%、連対率11.9%であるのに対して、距離延長組は11.1%、22.2%ですからほぼダブルスコアです。なかでも注目は、勝率21.1%、連対率36.8%を誇る前走ヴィクトリアマイル組。2011年にコスモネモシンが10番人気で2着しているように、人気薄でも侮れないステップです。

3.前走惨敗馬の巻き返しが妙味

　昨年の勝ち馬メイショウスザンナは前走マーメイドSで10着でしたし、2013年2着のスピードリッパーも前走では13着に惨敗していました。2012年2着のラブフールは8着から、2011年2着のコスモネモシンは13着からの巻き返し。牝馬は精神的に脆い面がありますから、惨敗と好走の振り幅が大きいのが通例です。直前輸送がない北海道開催は、繊細な牝馬の巻き返しがとくに起こりやすい時期でもあります。

　オークスで小差2着したチェッキーノが登場。春のクラシックを賑わせたスターホースですから、1番人気が予想されますし、当然実力的にも一目置かれるべき存在です。

　ただ、この馬はまだ身体に芯が入っていない状態。今まで外を回る競馬でしか結果を残していませんし、また追っての反応に時間が掛かるのも課題。アネモネSの勝ちタイムも平凡で、小回り開幕週のスピード競馬で能力全開となるかについては、心許ない部分が残ります。

　ここは、パフォーマンスに計算が立てられる古馬から入りたいと思います。シャルールは洋芝の1800mがベスト条件。2月の東京で準オープンを完勝した時の2着馬がのちにマーメイドSを勝つリラヴァティであることを考えても、GIIIが壁になるようなレベルの馬ではありません。前走のヴィクトリアマイルはハイペースに巻き込まれたことで、最後は無理をしなかったゆえの大敗。ダメージがなかったのはなによりですし、厳しい競馬をしたことが今回のための糧になるでしょう。

　ウインプリメーラもヴィクトリアマイルで勝負に行ったがゆえの大敗で、着順以上に内容の濃い一戦でした。牝馬限定のGIII戦では上位安定の実力馬で、ここも上位争いに加わって来るものと思います。ナムラアンは揉まれ弱さがありますが、距離短縮は好材料。以下、直線半ばまで粘っていた前走に復調の兆しが見られたレッドリヴェール、昨年の勝ち馬で今季も大きくは衰えぬメイショウスザンナ、斤量増はネックも連勝で勢いに乗るリラヴァティ。

コースは初だが平均値で106と2位以下を離している◎ウインプリメーラ、だがほかにも前走100台はゴロゴロいるし、そうでなくても距離コースで指数を持っているタイプが多いので波乱も十分。なかから相手は平均値重視で○ナムラアンと▲リラヴァティ。103を2発☆テルメディカラカラ。以下△絞りも慎重にいきたい。

距離短縮と小回りコースで浮上するのが8ロッテンマイヤーだ。51キロの斤量は魅力で距離1800はベスト。積極策から押し切れる。次位は13リラヴァティで重賞ウイナーの先行力が生きそうだ。▲は11シャルールで得意コースで末脚が炸裂しそうだ。