キングカメハメハ×サンデーサイレンスはドゥラメンテもローズキングダムもベルシャザールも出るオールラウンドな配合だが、ロワジャルダンの場合はゴールデンチケットの全弟でキャプテントゥーレやアルティマトゥーレやクランモンタナのイトコだから、この牝系らしい小脚のきいた機動力がセールスポイント。

　フェブラリーSでは直線凄い反応で抜け出しかかったが、ゴール前で甘くなったように東京の直線は長かった。小回り1700mは2戦2勝で、春は連戦の疲れが尾を引いていたようだが、一息入れて立て直し、鞍上にモレイラを迎えたとなればここは二つ目の重賞制覇のチャンス大だろう。

【さえぎる敵はいない】モンドクラッセは、滞在競馬の王者。北海道シリーズの1700ダート戦は、函館で2勝、札幌で3勝と、さえぎる者はいない。脚抜きのいい馬場コンディションに恵まれたにせよ、大沼Sをレコードで走破。スローの流れにもすぐさま折り合い、2番手から競馬ができた点も評価したい。56キロという斤量も動きやすい。

　対抗はロワジャルダン。モレイラ騎乗も込みで、滞在競馬に替われば、逆転も一考の余地あり。GIのフェブラリーSで5着したあとの二戦が、ややモノ足りないが、早めに札幌入りしてリフレッシュ完了。どこか線の細いデリケートなタイプだけに、輸送のない滞在競馬に替われば大幅なパワーアップが見込めるかもしれない。軽いダート、時計決着も望むところだ。

　昨年のエルムSの優勝馬ジェベルムーサは、休み明け緒戦のブリリアントSで、一瞬先頭をうかがう勢い。最後は8着にバテたが、大きな変わり身を期待できそうだ。大駆けがあればブライトライン。折り合いがカギになるが、函館のマリーンS圧勝歴もある、実はローカル1700ダート巧者。

　クリノスターオーは、エルムSは過去二年2・4着。平安S2着のデキをきちんとキープ。相手は強くなったが、ショウナンアポロンはマリーンS同様、先手必勝で臨む。

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【大駆注意】昨年、条件馬からコツコツ勝ち星を積み重ね重賞ウイナーまで上り詰めたロワジャルダン。そして2015年の締めくくりで挑んだチャンピオンズCで見せ場タップリの4着と好走して、2016年の飛躍は約束されたものだった。しかし、今年は東海Sで1番人気を裏切った後は、思うような競馬が出来ず不振に喘いでいる。ただ前走からレース間隔を開けたことにより馬が一変。ネガティブなオーラが取り払われ、最終追いきりでは好時計をマークした。初重賞制覇となったみやこSは、人気の先行馬が総崩れの展開。北海道の地で二匹目のどじょうが眠っていても、今の出来なら驚けない。そんな理由から◎を決めたので、相手も追込みタイプの馬を上位に取った。ジェベルムーサは昨年の勝ち馬。向こう正面から楽に上がって来る姿が目に浮かぶ。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　近年は施行時期がくるくる変わっていますが、秋を睨む一流ダート馬の夏場の叩き台という位置づけは一貫して変わりません。2014年から交流のブリーダーズゴールドCが牝馬限定戦になったことで、この時期に牡馬が使える唯一のダート中距離重賞として、重要性はさらに高まっています。秋のGIシリーズの出発点として、見逃せない一戦です。

1.勢いのあるチャレンジャーに注目

　最近7年間の勝ち馬のうち6頭は、このレースが重賞初制覇でした(残りの1頭はローマンレジェンドの2勝目)。それら6頭はすべてが4歳か5歳で、斤量は56kg。6頭いずれもオープン特別か準オープンからの臨戦で、上り調子の勢いで重賞実績馬たちを負かして重賞タイトルを手に入れています。

2.前走凡走からの巻き返しは難しい

　過去10年の連対馬のうち、前走で掲示板を外していた馬は3頭のみ。そのうち2頭はすでにGI勝ちのある抜けた実績の持ち主(2014年1着のローマンレジェンド、2011年2着のオーロマイスター)でした。真夏の重賞らしく、順調に来ている馬のアドバンテージは大きく、並の実績馬ではなかなか巻き返せません。

3.人気馬は並び立たない

　過去10年間で馬連が3桁配当になったのは2回だけ。5番人気以下の馬が7頭連対していて、「人気→中穴」の決着になることが多くなっています。先行有利のコース形態ゆえ、勝ちに行って早めに動いた有力馬が潰し合って、一歩引いた位置にいた穴馬が2着を拾う、というのが毎年のパターン。人気馬同士の馬連はあえて避けるというのも悪くない作戦です。

　GIで勝ち負けしたようなクラスの登録は、地方転出後スランプが続くナムラビクターだけで、他ではGIII・3勝のクリノスターオーが実績的に最上位になります。あとはジェベルムーサ、ロワジャルダン、ブライトライン、ショウナンアポロンがダートGIIIを1勝ずつ。これらは「流れをつかめば勝ち負け」になる、というレベルです。

　このメンバーならば、例年通り勢いのあるチャレンジャーから入りたいところ。前走大沼Sをレコードで圧勝したモンドクラッセが、ここで重賞の壁を突破する可能性が高いと見ます。ここまでダート1700では5戦5勝で、いずれも完勝の内容です。控える形も問題なく、斤量も前走から1kg減の56kg。充実の5歳夏を迎え、今回はこの馬に風が吹いています。

　クリノスターオーは詰めの甘さがあるものの、いつも大崩れしないのですから安定感があります。昨年より1kg軽い56kgでの出走となるのは有利。ブライトラインはこの距離だと折合に不安がありますが、そのぶん「一歩引いた位置からの食い込み」が狙えます。内枠を引いたら期待度がアップ。

　ジェベルムーサは昨年の勝ち馬ですが、近年では最も遅い勝ちタイムでの決着だったので捲りがハマった印象もあり、時計勝負に課題を残します。ショウナンアポロンはオープンでの勝ち星が54kgと56kgで、今回は57kgでどうか。ロワジャルダンは名手モレイラ騎手への乗り替わりがカンフル剤になれば。昇級戦ながら相手なりに走れるリッカルドにも注目。

◎モンドクラッセが指数で圧倒している。平均値でもトップだが、すごいのは前走121。同距離のものであるのだからもう一丁は十分。相手は指数平均値2位で○ロワジャルダン。モレイラがどう乗るのか楽しみだ。3番手は▲ジェベルムーサ。昨年の同レース112勝ちは当然プラス要素。一発ならば前走116で☆ショウナンアポロン。以下前走値高いところを△で押さえる。全体としては人気サイドに印が回った印象。

近況の充実ぶりから11モンドクラッセを推す。大沼Sのレコード勝ちは注目に値する。叩いた効果も大きいならチャンスは十分だ。次位は12クリノスターオーで先行策から抜け出しは可能。▲は3ジェベルムーサで決め手は上位で連覇の可能性はある。