10R

日本ダービー

15:40発走 / 芝2400m (左 C) / 天候:晴 / 馬場:良
2回 東京 12日目 サラ系3歳 オープン       (国際) 牡・牝(指) 定量 18頭
本賞金:20000,8000,5000,3000,2000万円
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 望田潤の予想

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買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
単勝

1

1点 1000円

馬連流し

1

相手

2

4

11

12

18

5通り 各1000円

ワイド

1

-

18

1点 3000円

ワイド

1

-

2

1点 1000円

望田潤の見解

 スワーヴリチャードが東京で巻き返すシナリオは私も考えたが、いかにも古馬になって本格化しそうなハーツクライ産駒。本格化前のジャスタウェイが3歳時、ダービーに出ても勝てなかったのと同じように。

 ペルシアンナイトハービンジャーとヌレイエフのナタの斬れが武器で東京でも面白いが、ダービーはテン乗りで勝てるレースではないのでこれも◎は打ちにくい。

 アメリカズカップサトノアーサーダンビュライトに完勝したきさらぎ賞が評価できるが、リボーの継続クロスで渋った馬場がプラスだった部分もあったか。ここで松若くんがいきなりダービージョッキーに…という結末もまだ想像しにくい。

 音無先生はアドミラブルについて「未勝利を勝ったときからダービーをめざしてローテを組んできた。こんな馬は今までいない。青葉賞馬は勝てないというジンクスを覆したい」と意気軒高だが、たしかにスタミナもパワーも斬れ味ハイレベルで、瞬発力勝負でも持続力勝負でも満点の結果を出してきて弱点らしい弱点が見当たらない。しかし飛び抜けた一芸に特化してないので、どこでも好走するが大一番では常に2着…という伯父のリンカーンに近いイメージも描ける馬だ。

 同じ音無厩舎で同じノーザンファーム産のダンビュライトは2歳7月のデビューで、これは翌日にセレクトセールを控えて新種牡馬ルーラーシップ推しの采配でもあっただろうが、その期待に見事に応えて新馬勝ち。

 マリアライトリアファルクリソライトブラックスピネルが出るスタミナとパワーに富む牝系で、そこにルーラーシップだから明らかに大箱向きの中距離馬なのに、2歳時は朝日杯を目標にマイル路線を歩み、今年は京都外1800mのきさらぎ賞と中山内2000mの弥生賞皐月賞で3着を重ね、すっかりモノサシ馬のような存在になってしまった。

 しかし血統や体つきや走りからすると東京2400mでベストパフォーマンスを出せる可能性はあるだろうし、皐月賞ファンディーナを意識したかのような捲りで長く脚を使っていて、あれで勝負付けが済んだとみるのは早計ではないか。

 2戦目からずっと重賞を走りつづけて様々なレースを経験してきて、前走からコンビを組む鞍上はダービー5勝の名手。まれに見る混戦で難解なダービーだからこそ、今年は人馬の経験値を最重視してみた。

好配当連発 netkeiba関東本紙の予想

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netkeiba関東本紙

買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬単1着流しマルチ
1着

15

相手

4

6

7

11

12

18

12通り 各300円

3連単1着2着流しマルチ
1着

15

2着

12

相手

4

6

7

11

18

30通り 各100円

3連単1着2着流しマルチ
1着

15

2着

11

相手

4

6

7

12

18

30通り 各100円

netkeiba関東本紙の見解

【混戦】ダイワキャグニーは東京3戦3勝が秀逸。スタンド前発走でテンション鍵も将来性豊富で自在性もありVを期待。レイデオロはデビューから3連勝の内容評価。久々の皐月賞5着を叩かれ態勢万全で実力発揮。ペルシアンナイト皐月賞2着が好内容。素軽さ増しており好勝負。サトノアーサーも気配上々で能力も見劣らない。皐月賞アルアインも争覇圏でアドミラブルスワーヴリチャードも差はない。

ラップ理論を駆使 丹下日出夫の予想

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丹下日出夫

予想印
18アドミラブル(1人気)
12レイデオロ(2人気)
4スワーヴリチャード(3人気)
7アルアイン(4人気)
6サトノアーサー(5人気)
13カデナ(8人気)
15ダイワキャグニー(10人気)
買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬単1着流しマルチ
1着

18

相手

4

6

7

12

13

15

12通り 各300円

3連単1着2着流しマルチ
1着

18

2着

12

相手

4

6

7

13

15

30通り 各100円

3連単1着2着流しマルチ
1着

18

2着

4

相手

6

7

12

13

15

30通り 各100円

丹下日出夫の見解

【新記録】アドミラブル青葉賞経由でダービーを奪取、先例と歴史を塗り替える。牝系の大本はバレークイーン、近親にはキャリア三戦でダービーを制し「奇跡」の冠がつくフサイチコンコルドが名を連ねるディープの息子。ノドを患い新馬戦は9着と惨敗し危うい時期もあったが手術に成功。

 復帰緒戦の阪神1800mは、1000m通過・58秒5-マイル通過・1分34秒2という澱みのないラップを踏み、同日の古馬OP・大阪城Sより1妙3も速い1分45秒8という桁違いの走破時計でカムバックを果たした。続戦のアザレア賞は一転スロー、上がり勝負を見越し向こう正面手前でスルスルと2番手に浮上。ラスト3Fのレースラップは11秒0-10秒9-11秒8(33秒7)、自身の上がりは33秒5、稍重・坂コースの阪神で、目に見える形で10秒台のラップを刻みこんだ。

 しかし前哨戦の青葉賞は、スタートから進んで行こうとせず道中は最後方。鞍上のデムーロも少々慌てた。加えて、1000m通過・59秒7-2000m通過・2分0秒2という過酷なミドルラップ。大欅手前の3コーナー手前から動くのか--いや東京の2400mを、あそこから動き出しては、さすがに最後までもたない--ところが坂上からフラフラとしながらも再びスイッチオン。ラスト4F・11秒9-11秒8-11秒4-12秒0(3Fは35秒2)というレースラップを0秒6上回る最速の上がりを駆使し、従来の青葉賞の記録を大幅に塗り替える2分23秒6というレースレコードで圧勝。アザレア賞はスローだったが、タフなミドルラップでも、同じように二回脚が使えた。

 歴代の青葉賞優勝馬たちとはちょっと桁が違う資質が、数字だけでなく、あの二枚腰とレースぶりにも現れている。なんて、正直中三週続きのハードローテは怖い。青葉賞もパドックから前肢が出ず、ドキドキもの。普通の馬なら、このローテだとガチガチに体が硬くなってしまう。しかし前二戦同様、二週前の日曜日から時計を出し、デムーロが跨り最終追い切りも強気に追えた。大一番に向け奇跡的に上昇へと針がふれた。鋼の馬体と闘志を持つ、遅れてきたディープ産駒の傑物を、本年のダービーの◎としたい。

 対抗はレイデオロ。東京の新馬戦の走破タイムは重馬場で2分4秒3。湿った馬場で11秒前半のラップを2連続計時し、資質の在り処は何気に示していたが、続く中山の葉牡丹賞は、前半5F通過は1分1秒0のスロー。残り4Fめから一気に11秒7にピッチが上がり、続く3Fも11秒9-12秒1-11秒9(3Fは35秒9)という激流を、レースの上がりを1秒2上回る34秒7で坂上一気。返す刀でホープフルSを2分1秒3でV2。ラップの精度は葉牡丹賞に軍配が上がるが、開催最終日のパワー馬場で前回より余裕をもちレースを組み立てることができた。中山2000mのあの破壊力は、同じキングカメハメハ産駒であるドゥラメンテを彷彿させる。

 ただ葉牡丹賞ホープフルSをつかえば、誰だって疲れがたまる。皐月賞は蓄積疲労の影響か。キチンとした調教メニューが組めず、最終追い切りは木曜日追いにずれ込んだほど。ローテーションも、皐月賞の王道ではない。やっぱり、484キロという造りはプラス8キロぶん重い。G1で勝ち負けするには、細いくらいに厳しく仕上げないと通じない。しかし下腹に緩さの残る急仕上げでも、メンバー中第二位の上がりで5着突入。皐月賞で一番印象的な上がりと伸び脚を示した馬をダービーで買えという格言がピタリと当てはまる。叩き一変、今度はレイデオロが持つ本来の、「喜んで走る」意欲が前面に現れてきた。

 皐月6着馬スワーヴリチャードも、4キロ増の水っぽい造りを見た時に、中山はあくまでダービーへの助走と感じた。右回りの皐月は、道中上がったり下がったり。三分三厘の仕掛けもギクシャクとし、やっぱり小回りの右回りは動けない。ただ、マイルから2000mにおける一連の重賞レースで、2歳戦の中では最も内容が濃かったのが東スポ杯(同馬は2着)。年明けの共同通信杯は1分47秒5に時計を更新。今度の枠は幸いかな2枠4番。好位のポケットにおさまり、二の脚を駆使した共同通信杯完勝をなぞればいい。陣営の目標は公言してきたとおりダービー、今度は研ぎ澄ませた馬体で現れる。

 惑星印になってしまったが、皐月賞アルアインも、もちろんリスペクト。思えば秋の京都新馬のデビュー戦でムーアが、競馬という意味を、ムチをもって叩き込み、松山とのコンビで毎日杯が1分46秒5。その記録を皐月賞・1分57秒8という数字につなげている。好タイムで走っても、なお心身ともに健やかなのがアルアインの持ち味であり特徴。2400mでも、まずバテない。

 ダイワキャグニーも、プリンシパルS・1分58秒3で一気に皐月組に追いついた。1000m通過・59秒0-マイル通過が1分33秒4-1800m通過1分45秒9という、息も詰まるミドルラップの上に立ち、11秒2-12秒5-12秒4(3Fは36秒1)というレースラップを、35秒3でラスト200mでもうひと伸び。今年のプリンシパルSも、例のないくらいのHレベルだった。

 サトノアーサーは、まだ身体に芯が入りきれず、道中動けない、動かさない。たぶん、目をつぶっての直線勝負となるが、毎日杯の33秒3。シクラメン賞の上がり32秒7には、10秒台のラップを内包。大外強襲は不発か。一か八かではあるが、カデナもあわせ馬券には加えたい。

至高の頭脳 須田鷹雄の予想

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須田鷹雄

買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬連

2

-

4

1点 400円

3連複フォーメーション
1着

4

2着

1

2

6

相手

1

2

6

7

11

13

18

15通り 各400円
3連単フォーメーション
1着

4

2着

1

2

6

相手

1

2

6

7

11

13

18

18通り 各200円

須田鷹雄の見解

 皐月賞組重視+内枠重視を基本に考えた結果、◎スワーヴリチャードでいくことにした。皐月賞では内枠から好スタートを切りながら、下げて外を回すもったいない競馬。しかし考えてみれば、皐月賞で非効率的な競馬をしていたということはダービーでの伸びシロがあるということでもある。ある程度速い上がりの競馬でも持続力勝負でもそれなりに対応できるし、死角の少ない馬。ワンアンドオンリーなどの皐月賞凡走→ダービー激走というパターンに合致するイメージもある。

 ○アメリカズカップはもともとシルシを回す予定がなかったが、枠によってピックアップ。皐月賞はなにもできずに終わったので、ここでは前半から出してくるはずだ。位置を取りそうなのは▲ダンビュライトも一緒。自分で競馬を早めから動かしたい。

 エンジンのかかりが遅いがかかると長く良い脚を使う☆サトノアーサーも含めて3連複・3連単の2列目とし、馬券は◎から別掲の通り。

徹底データ分析 コンピューター予想の予想

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コンピューター予想

予想印
1ダンビュライト(7人気)
13カデナ(8人気)
7アルアイン(4人気)
4スワーヴリチャード(3人気)
買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬単BOX

1

4

7

13

12通り 各400円

3連単BOX

1

4

7

13

24通り 各200円

コンピューター予想の見解

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負!

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

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 栗山求の予想

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予想印
18アドミラブル(1人気)
4スワーヴリチャード(3人気)
6サトノアーサー(5人気)
7アルアイン(4人気)
10ベストアプローチ(11人気)
12レイデオロ(2人気)
買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬単1着流しマルチ
1着

18

相手

4

6

7

10

12

10通り 各400円

3連単1着流しマルチ
1着

18

相手

4

6

7

10

12

60通り 各100円

栗山求の見解

 ◎アドミラブルは「ディープインパクト×シンボリクリスエス」という組み合わせ。母スカーレット皐月賞ヴィクトリーや重賞3勝馬リンカーンの半妹で、2代母グレースアドマイヤは半兄弟にダービー馬フサイチコンコルド皐月賞アンライバルドがいる。クラシック向きの底力に恵まれた超一流のファミリーだ。本馬は母方にサドラーズウェルズトニービン、ロベルトといった重厚な血が散りばめられており、これが大舞台における信頼性を高めている。全兄タブレット(2勝)、全姉イサベル(4勝)はいずれも大成する前に競走生活を終えてしまったが、素質は重賞級だった。

 もともとノド鳴りを抱えていたため、昨年秋のデビュー戦は10頭中9着と惨敗。しかし、手術を経て復帰した3月の未勝利戦(芝1800m)は、休み明けにもかかわらず1分45秒8という古馬オープン並みの好時計で快勝し、続くアザレア賞(500万下・芝2400m)はスローペースとなったものの難なく折り合って豪快に抜け出した。余力を残すことに主眼を置いた前走の青葉賞(G2)は、緩めの調整、初の長距離輸送、初の左回りといったハードルを楽々とクリアして楽勝。2分23秒6の勝ちタイムはレースレコードだった。

 500kgを超える恵まれた馬体から繰り出す豪快なフットワークは大物感にあふれ、血統的にスタミナの裏付けがあるので苦しいところからさらにもうひと頑張りできる。今回は大目標のダービーなので前走よりもしっかりと仕上げてきた。その傑出した能力は大外枠の不利を補って余りある。世代の頂点に立てるだろう。

データから好走馬だけを絞り込む! 浅野靖典の予想

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浅野靖典

買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬単1着流しマルチ
1着

4

相手

5

6

7

11

12

10通り 各300円

3連単1着2着流しマルチ
1着

4

2着

12

相手

5

6

7

11

24通り 各100円

3連単1着2着流しマルチ
1着

4

2着

7

相手

5

6

11

12

24通り 各100円

浅野靖典の見解

【波乱含み】4スワーヴリチャード皐月賞で流れに乗れずという印象で、コース替わりで改めて本領発揮に期待。12レイデオロは休み明けの前走が上々の内容で、叩いた上積みを含めて期待ができる。7アルアインはコース替わりがカギだが好位から差し脚を長く使えれば再度の一発が狙えそう。5クリンチャーは競らずに行ければ残り目が考えられそうだ。堅実に差を詰めてくる11ペルシアンナイトが惑星的存在。6サトノアーサーは状態面が微妙だが素質発揮なら上位まで。

最速予想 netkeiba編集部の予想

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netkeibaデスク

netkeiba編集部の見解

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 朝日杯フューチュリティSはミスエルテ皐月賞ファンディーナ。今年の3歳牡馬はここまでの大レースで、いずれも1番人気を牝馬に奪われています。こんな世代は空前絶後かもしれません。

 ただし、両レースとも牝馬は馬券圏外に沈みました。勝ったのは両方人気薄ながら、適切なステップを踏んでいた馬。それを考えると、今年の3歳牡馬を『レベルが低い』と軽く見るのは、早計であることがわかるはずです。

 ミスエルテファンディーナのように、相手関係はともかく派手な勝ち方を続ける馬を見て、私達は「強い」と思ってしまいますが、それはあくまで印象に過ぎません。両牝馬のような目立つ存在が、今年の3歳牡馬にはなかなか現れませんでしたが、それはこの世代に有力馬が多数ひしめいていることの裏返しと考えられます。

 見た目の印象に惑わされるのはもうやめましょう。ダービーを勝つために準備ができている馬はどれか。フラットな視点で出走各馬をスクリーニングしていきます。

1.圧勝したことはあるか?

 ここでは0.4秒差以上の勝利を「圧勝」と定義します。過去10年のダービー馬のうち8頭にはダービーより前に「圧勝経験」がありました。例外はワンアンドオンリーエイシンフラッシュドゥラメンテキズナディープブリランテロジユニヴァースウオッカは、それぞれ2回の圧勝実績を持っていました。

2.差す競馬を教え込まれているか?

 フルゲートの東京芝2400mを先行して押し切るのは至難の業。ダービーでの勝利を本気で狙う馬ならば、それ以前のレースでは目先の勝ちのために安易に先行させず、我慢して差す競馬を教え込むのがセオリーです。過去10年、前走で4コーナーの通過順位が3番手以内だった馬のダービー成績は[0-3-4-34]。逆に、4コーナー通過が7番手以下の馬が7勝、10番手以下に限定しても6勝を挙げています。

3.皐月賞は着順より人気

 皐月賞は、同世代の有力馬が初めて一堂に会する舞台。そこでの単勝人気は、皐月賞の勝ち馬予想であるのと同時に、各馬のそこまでの戦歴の総合評価という側面も持ち合わせます。中山芝2000mは展開による結果のブレが大きいコースですから、着順よりは人気のほうが、序列としてより信頼できます。とくに今年のような混戦の年であればなおさらでしょう。過去10年、皐月賞で5番人気以下だった馬のダービー成績は[1-0-1-41]。一方、4番人気以内だった馬は[6-6-4-20]。

 今年のメンバーで「圧勝実績」があるのは、以下の馬たち。

 アドミラブル(3回)、クリンチャー(2回)、ペルシアンナイト(2回)、サトノアーサースワーヴリチャードダイワキャグニーダンビュライトトラスト(JRAでは1回)

 単勝候補はこの中から選びたいところです。

 アドミラブルの3勝がすべて圧勝というのは、トップクラスと当たっていないことを考慮しても、とてつもない戦歴と言えます。「なにが1番強いのか」と問われたら、この馬以外に答が思い浮かびません。ただ、ここで問われているのは「なにがダービーを勝つか」という問いです。

 アドミラブルは3月頭の未勝利勝ちから使い詰め。ちなみにその日は弥生賞の当日で、他のほとんどの出走馬より、アドミラブルはこの期間に1走以上多く走っていることになります。

 前哨戦→皐月賞→ダービー。叩き3走目のピークでダービーを迎えるローテーションを組むのがセオリーです。アドミラブルは前走が3走目でしたから、「青葉賞ピークだった」という可能性を検討する必要があります。ちょうど、皐月賞時のファンディーナと同様です。

 また、アドミラブルは前走の青葉賞でもその前のアザレア賞でも、早めに脚を使う競馬をして、4コーナーではそれぞれ4番手と2番手。ダービーを勝つために必要な我慢を、レースで教えられてきたわけではありません。もちろん、この短期間にダービー出走にこぎつけたこと自体が称賛すべきことですが、そこから先の準備ができているかどうかは別の話。印としては不動の「▲」という扱いになります。

 スワーヴリチャード共同通信杯を2馬身半差で圧勝。上がりのキレ味勝負になりやすい共同通信杯は着差の開きにくいレースで、これ以上の着差となると、前世紀のナリタブライアンまで遡らなくてはなりません。今世紀に入って、共同通信杯を差して2馬身差以上で勝った馬は、他にジャングルポケット(ダービー、ジャパンC勝ち)だけ。東京競馬場でキレ味が抜群であると証明することは、大きな価値があります。

 皐月賞では内枠から抑え込んで後方待機を選択したことで、外を回して差し届かない結果(6着)に終わりましたが、これはもちろん、ダービー2勝の経験を持つ四位騎手による教育の一環です。もともと右回りでは手前の替え方がぎこちない馬で、典型的なサウスポーですから、皐月賞よりダービー向きであることは明らか。それなのに皐月賞より人気が落ちるとしたら、おかしなことだと思います。

 クリンチャー皐月賞までに3戦2勝、2圧勝。他馬より早めに動き出しても最後まで1F12秒そこそこの脚が持続する、並外れたスタミナの持ち主です。なにより心強いのが、鞍上の藤岡佑介騎手がその特色を充分に理解して競馬を組み立ててくれること。前走の皐月賞4着は、圧勝続きの戦歴が伊達ではなかったことと同時に、人馬の戦術の完成度の高さを証明しました。

 不安材料は、ディープスカイ産駒らしくキレ味に欠ける点です。前走の4着も、力負けというよりキレ味負けという内容でした。ディープスカイ産駒は、東京芝の瞬発力勝負を苦手にしていて、これまで東京芝では54戦して未勝利。ただし、ディープスカイ産駒には、芝の重馬場で勝率が12%で、不良馬場になると25%というデータもあります。天気が崩れるようならチャンスは充分。

 カデナ京都2歳S弥生賞の勝ち馬。ゆったりした流れからの瞬発力勝負では確実に結果を出しています。離して勝たないため、戦歴のわりに地味な印象ですが、福永祐一騎手による「ダービー教育」のカリキュラムはほぼ完璧に消化しています。圧倒的な能力は感じにくいものの、相手なりに走れる馬で、すべての状況が好転する今回は、連下筆頭「☆」という評価。

 ペルシアンナイトは、最近出世レースになっているアーリントンCの3馬身差圧勝が光ります。また、新馬戦がコーナー4つの小倉芝1800mで、2着に3馬身、さらに3着が5馬身という大圧勝でした。3歳限定の芝2400mで、距離延長を云々されるような馬ではありません。

 スピードが豊富で早めに動けるのが長所で、皐月賞も含めて好走レースはすべて早め先頭に立つ形。逆に言えば、ここまでの戦いぶりは、ダービーの最適解とはやや異なるのは事実です。乗り方の微調整が必要になるダービーで、ミルコ・デムーロ騎手が乗り替わりになるのは痛恨でしょう。ただ、それでも戸崎圭太騎手を確保できたのは不幸中の幸いでした。

 サトノアーサーは圧勝したシクラメンSのあとは、重賞で惜敗の連続。勝った新馬戦も同着の辛勝でしたから、シクラメンS以外は見る者をガッカリさせてきた部分は小さくありません。それでも無理使いすることなくダービーに出走してくるのですから、やっぱりたいした馬だと思います。

 毎日杯からの直行は、異例のローテーションになりますが、レース直後には決定していたように、予定通りの行動です。なにしろ毎日杯アーリントンCからのステップ皐月賞をワンツーした池江泰寿調教師ですから、成算があってのことでしょう。自慢の爆発的な末脚がダービーの舞台で花開くか。あとは週末の好天を祈るだけ。

 ダイワキャグニープリンシパルSをレースレコードで圧勝。離して先行する3頭を追って全馬が早仕掛け気味になる息が入らない流れを、前々の競馬をして最後突き放したのですから、驚くべき強さでした。これで左回りでは3戦全勝。敗れた弥生賞は、慣れない右回りで自滅したというレース内容で、ある意味まだ底を見せていません。

 プリンシパルSからのステップは簡単ではありませんが、今回クリンチャーが早めに動いていく展開を想定するならば、プリンシパルSはラップ的に格好の予行演習になったのでは? 例年のプリンシパルS勝ち馬にはないアドバンテージが、展開面で発生する可能性があります。

アグレッシブ予想 藤村和彦の予想

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藤村和彦

買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬単1着流しマルチ
1着

18

相手

1

3

4

6

10

12

12通り 各300円

3連単1着2着流しマルチ
1着

18

2着

4

相手

1

3

6

10

12

30通り 各100円

3連単1着2着流しマルチ
1着

18

2着

6

相手

1

3

4

10

12

30通り 各100円

藤村和彦の見解

【小波乱】アドミラブルは能力上位。コースが変わりスワーヴリチャードが前進。サトノアーサーは成長している。

“絶対数感”の持ち主 大石川大二郎の予想

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大石川大二郎

予想印
11ペルシアンナイト(6人気)
1ダンビュライト(7人気)
7アルアイン(4人気)
12レイデオロ(2人気)
4スワーヴリチャード(3人気)
13カデナ(8人気)
18アドミラブル(1人気)
買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬単1着流しマルチ
1着

11

相手

1

4

7

12

13

18

12通り 各300円

3連単1着2着流しマルチ
1着

11

2着

1

相手

4

7

12

13

18

30通り 各100円

3連単1着2着流しマルチ
1着

11

2着

7

相手

1

4

12

13

18

30通り 各100円

大石川大二郎の見解

ダービーは前走値が機能する。ただ今年はその前走値がそれぞれ高すぎるのがちょっと怖い。過去のドゥラメンテマカヒキが前走で出していた116を超えているからだ。指数の出過ぎがどう出るか。その最高値はなんと◎ペルシアンナイト。前走の疲れさえなければこの馬が勝つ。相手に○ダンビュライトと▲アルアイン、さらに☆レイデオロの指数上位馬。以下△は足りないくらい。△スワーヴリチャード、△カデナ、大外でも同距離コース112△アドミラブル。これで勝負!

元祖“情報” 田沼亨の予想

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田沼亨

買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬単1着流しマルチ
1着

12

相手

1

4

5

6

11

18

12通り 各300円

3連単1着2着流しマルチ
1着

12

2着

6

相手

1

4

5

11

18

30通り 各100円

3連単1着2着流しマルチ
1着

12

2着

18

相手

1

4

5

6

11

30通り 各100円

田沼亨の見解

復調途上の皐月賞を使って充実した12レイデオロが有力。距離延長は歓迎で持久力と瞬発力を兼備している。直線長い東京で真価を発揮する。次位は6サトノアーサーで条件はベストで能力的にソン色はない。▲は18アドミラブルでレコード勝ちの青葉賞からチャンスは十分。

 佐藤直文の予想

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予想印
12レイデオロ(2人気)
4スワーヴリチャード(3人気)
13カデナ(8人気)
18アドミラブル(1人気)
6サトノアーサー(5人気)
7アルアイン(4人気)
11ペルシアンナイト(6人気)
買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
馬連

4

-

12

1点 3000円

馬連流し

12

相手

13

18

2通り 各2000円

馬連流し

12

相手

6

7

11

3通り 各1000円

佐藤直文の見解

 混沌とする3歳牡馬戦線に断を下すかのように、颯爽と現れたアドミラブル青葉賞の勝ち時計2分23秒6は、ダービーはおろかジャパンCすら狙えそうなタイムだ。加えて伯父には“奇蹟のダービー馬”フサイチコンコルド。予想家にはまさに救世主に見えたことだろう。ノドの手術を乗り越えた自身の道程からも、競馬ファンの多くが再び“奇蹟”を夢見てしまうのも当然だ。

 ただ、大外枠云々は別として、ここは冷静にその能力を判断してみたい。まず、青葉賞のみならず、翌週のプリンシパルSでもレースレコードが大幅に更新されたように、時計自体は高速馬場のアシストによるものが大きい。青葉賞2着馬とプリンシパルSの勝ち馬は弥生賞にも出走していたが、それぞれ4・9着と敗れていた。その弥生賞で快勝したカデナが、今季の東京の高速馬場で走っていれば、もっと凄いタイムを叩き出していても不思議はない。

 未勝利勝ちのタイムも毎日杯を上回るものだが、これもまたしかり。同様に毎日杯を上回る時計で駆けていた2着馬は、その後に未勝利は卒業したものの500万でも掲示板に載れない現状だ。よって、アドミラブルは“強い馬ではあるものの、けっして怪物ではない”というのが結論。となると、代わりに目立つのがキャリア不足だ。ここ2走が、8・12頭の手頃な頭数だったのに対し、フルゲートの大外枠でどう立ち回れるのか。少なくとも、青葉賞のような競馬では通用しない相手であり、ここは4番手評価にとどめた。

 皐月賞は内有利、先行有利の高速馬場。そのことを踏まえて◎はレイデオロとした。もとより順調にトライアルを使えていれば、その結果にかかわらず皐月賞では◎を打とうと思っていた馬。その瞬発力は、現世代ナンバーワンであると信じていたが、皐月賞のゴール前の末脚を見て、その判断が間違いではないと再認識させられた。今回は100%の状態で出走できる上に、いざとなれば好位で競馬ができる点も、今の東京の馬場では有利に思える。

 ○はスワーヴリチャード皐月賞では前が止まらず6着に終わったが、この馬も最後まで伸びてはいた。手前の関係で右回りより左回りがいい馬であり、この舞台で巻き返しがあっていい。▲はカデナ。一連のダービートライアルの結果からは、弥生賞のレベルを再評価すべきであり、もともとがスローの瞬発力勝負でこそのタイプ。東京でこその感も受ける。

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