フェアリーSは、関東圏では数少ない3歳牝馬の重賞。
桜花賞と同距離でありながら、阪神ジュ
ベナイルFが終わった直後の一戦ということもあって、トップクラスの参戦は稀。遅れてデビューした大物は、ここではなく
シンザン記念に出走することも理由のひとつでしょう。とにかく2勝馬の参戦は、ほとんどありません。
例年、ほぼ500万下レベルのメンバー構成。500万下を勝てる能力があれば通用することが多いですが、今年は新馬戦で素質の一端を見せた馬が1頭出走してきています。それがここを突き抜けて圧勝なら、この先のクラシックで通用する可能性もあるでしょう。
また、このレースが行われる中山外回りの芝1600mは、スタート地点が高低差5.3mの最高地点となる1コーナー横のポケット。そこから2コーナーまで緩やかに坂を下って、向こう正面で約4.5mの坂を駆け下りるコースです。この坂は、レースの3-4F地点。ここで息を入れるか入れないか、加速がつくかつかないかで、スローペースかハイペースかの明暗が分かれることが多いです。
この時期の3歳馬は体力がないので、坂で仕掛けて行かない馬が多く、結果として前残りになるケースがしばしば。これまでも2013年の
クラウンロゼ、2015年の
ノットフォーマル、2016年の
ビービーバーレルなど、逃げ馬が穴を開けてきました。ただ、今年は逃げ馬
ツヅクがスローペースで逃げ切れなければ、ハイペースで逃げてみる江田照騎手なので、極端なスローペースは考えにくいものもあります。平均ペースに近い流れになるのではないでしょうか。
よって、◎は、超スローペースの新馬戦で、ラスト1Fで後の小倉2歳Sの2着馬
ダイイチターミナルを突き放し、最後までラップを落とさずに勝利した
アエロリットを推します。続く休養明けの前走・
サフラン賞は、この馬自身もひっかかっていたし、同じく外からひっかかった
アンバーミニーに競られたために、
トーホウアイレスの直線一気を許しましたが、勝ち馬
トーホウアイレスとの着差はハナ差。
競った
アンバーミニーが最下位まで失速したことが、
アエロリットの強さを物語っています。今回の相手を考えれば、1番人気でもこの馬が本命でしょうがないと見ていますが、突き抜けて勝利するようであれば、今春のクラシックでの活躍も期待できるでしょう。
〇は、
リスグラシューが勝ったハイレベルな
アルテミスSで7着と、メンバー中では最先着の
ヒストリア。
アルテミスS当日は、Bコース替わりで内が伸びていたことを考えると、
コーラルプリンセスも強い内容でしたが、内々で一昨年の
共同通信杯の
ドゥラメンテに近いくらい折り合いを欠いても、最後まで伸びたあたりに
ヒストリアの秘めた能力を感じ取ることが出来ました。配当妙味も含めて一考してみたい馬です。
▲は、昨年9月の中山の新馬戦を逃げて圧勝した
アルミューテン。この新馬戦のラスト3Fは11秒7-11秒7-11秒3。ラスト1Fで加速したあたりに高い素質を感じ取ることが出来ました。PP指数でも、この新馬戦は高い評価となっています。続くアイビーSは相手が強すぎたメンバー構成、そして出遅れたために能力を発揮できず。そして前走の
葉牡丹賞は、後方から一気の追い込みが決まる流れを逃げたために大失速してしまいました。
前走の
葉牡丹賞には、今回の
フェアリーSに出走していたならば上位人気に支持されたであろう
アピールバイオも出走しており、先行策から11着と大敗しています。このことからも
葉牡丹賞で先行していたことがいかに厳しいペースだったのかを理解することができます。近2走はクラシックの主役級の馬たちが相手で、さらに不利があったために大敗してしまいましたが、新馬戦の走りを再現できれば巻き返しがあって不思議ない馬です。