京成杯は15年ベルーフ、16年プロフェットとハービンジャー産駒が連覇中。今年も3頭のハービンジャー産駒が出てきたが、◎はサンティールでいきたい。

　土曜の愛知杯で2着したサンソヴール(父キングカメハメハ)の半妹で、ハービンジャーもキングカメハメハもノーザンダンサーの強いクロスを持つだけにノーザンダンサーの血が薄い牝馬との配合が成功しやすく、だからクラージュドールとベルーフ、ディアデラマドレとドレッドノータスなど、ハービンジャーの活躍産駒は兄姉にキングカメハメハの活躍産駒を持つことがままある。

　母母ヴィクトリーバンク(マーメイドS2着)はクレイロンとリボーのクロスを持つスタミナ型で、サンソヴールが2000mに延びてしぶとさを発揮したように、サンティールも距離延長はプラスだろう。

　バリングラはジュニアCの予想で中距離馬だからマイルは忙しいと書いたが、2000mなら見直せる。

【混戦】コマノインパルスは前走でレイデオロとコンマ2秒差。センス良く使われつつ気配も上向きで重賞Vに期待。マイネルスフェーンもホープフルSでレイデオロとコンマ2秒差。末脚堅実で力もつけており差し切りも。サーベラージュは初戦快勝。気配も上々で争覇圏。バリングラは連闘策で巻き返し狙う。イブキも動き上々で力を出せる態勢にあり、アダマンティンやベストリゾートなども差はない。

【電光石火】コマノインパルスの葉牡丹賞・2分1秒2の2着を信頼だ。デビュー戦の東京2000mは、前半1000m通過が1分4秒6のスロー。上がり3Fの瞬発力勝負となったが、11秒6-11秒1-11秒4(3Fは34秒1)というレースラップを上がり33秒8で内一気。抜け出す時の脚は実に素早かった。続く葉牡丹賞のペースは、前半1000m通過が1分1秒0のミドル。残り4Fから11秒7と一気にピッチが上がり、11秒9-12秒1-11秒9という相当タフなラップで展開。勝ち馬の決め手には屈したものの、坂上一旦先頭、走破タイムは2分1秒2。勝者はホープフルSも連勝、3着とは3馬身半の決定的な着差を思えば、これはもう相手が悪かったとしか言いようがない。年末年始にかけ一段調教を強化したが、鍛えながらまた体が大きくなった。

　対抗はイブキ。6月の東京1800mを1分49秒9で新馬勝ちを果たしたが、一昨年の同時期、メジャーエンブレムの新馬勝ち時計は1分50秒0だった。上がり34秒8のラスト2F目に11秒2というHラップも計時している。血統はルーラーシップ×アグネスタキオン(母の兄エルカミーノは6勝、モノポールは7勝)という中距離型。新潟2歳Sは、マイル適性の差のぶん、3着に切れ負けしたが、狙いは血統通り中山2000mだろう。

　一発逆転があればニシノアモーレ。新馬戦は直線2F・11秒0-11秒6という流れを目の覚めるような末脚を繰り出し外一気。上がりラップには10秒台を内包、重賞級の規格外の切れを披露している。ベストリゾートのホープフルSは出遅れに加え、外々を回らざるを得ないコースロスがありながら、坂上からあきらめずもうひと脚つかった。コース三度目、前走からワンステップアップがあっていい。

　マイネルスフェーンは、内を上手く立ち回って同レース2着、レースを肥やしにして一戦ごとに地力を強化してきた。キャリアは1戦と浅いが、サーベラージュの新馬の上がり3Fは稍重で11秒5-11秒1-11秒7。レースの大勢が決したあととはいえ、アサギリジョーは葉牡丹賞をゴール直前3着に急浮上。

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　◎イブキは｢ルーラーシップ×アグネスタキオン｣という組み合わせ。父ルーラーシップは現3歳が初年度産駒で、昨年のファーストシーズンサイアーチャンピオンに輝いた。距離適性に大きな特徴があり、芝1200-1600mでは連対率わずか6.6%(61戦4連対)と不振を極めているが、芝1800m以上では23.0%(87戦20連対)と好成績を挙げている。

　要するにスピードよりもスタミナに特長のあるタイプで、現時点では東京よりも中山、外回りコースよりも内回りコースで良績を挙げている。距離とコースの得意分野が合致した中山芝2000mでは連対率50.0%(6戦3連対)。抜群の成績を挙げている。

　イブキの前走は新潟2歳S(G3)。外回りコースのマイル戦、という決して合っているとはいえない条件で3着に食い込んだ。今回は4ヵ月半ぶりのレースとなるが、条件的にはこれ以上なく好転するので勝ち負けに持ち込めるだろう。

【上位拮抗】混戦だが、堅実に差を詰める8コマノインパルスが引き続きチャンスとみて中心視。2マイネルスフェーンは前走が好内容で再度の首位争いに期待ができる。3イブキはひと息入ったが乗り込み入念で要注意の存在。14ベストリゾートは前走後の上積みが大きそうで善戦以上が狙えそうだ。15バリングラは前走ひと息も連戦での変わり身に要警戒。初戦快勝の1サーベラージュも押さえておきたい。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　皐月賞と同じコースで行われる3歳重賞。2010年にはのちのダービー馬エイシンフラッシュがこのレースを制したことがあります。また、2013年の勝ち馬フェイムゲームは古馬になってから長距離重賞を3勝、春の天皇賞でも2着しました。中山芝2000mは若い馬にとってはタフな条件で、潜在的なスタミナの持ち主が素質を開花させる場面がしばしば見られます。

1.ホープフルS組に要注意

　ホープフルSは2014年から暮れの中山のGII戦となって、豪華なメンバーが揃うようになりました。一昨年の京成杯でもホープフルSから転戦した馬が2、4着。また、オープン特別のホープフルSからも3頭の京成杯勝ち馬が出ているように、最適なステップであることは明白です。

2.新馬・未勝利からの臨戦は厳しい

　過去10年間の連対馬のうち、前走で勝ち上がったばかりだったという馬は2頭のみ。2頭はいずれも未勝利戦勝ちでしたから、キャリア1戦という馬の連対は皆無です。たとえ負けていたとしても、レベルの高いところで戦った経験は必須といえます。

3.ハービンジャー産駒に注目

　ハービンジャー産駒は今年の3歳が3世代目ですが、これまでの2年で京成杯には3頭が出走して2勝を挙げています。ちなみに勝った2頭は5番人気と3番人気でした。上がりが掛かる中山でのスタミナ勝負という条件がピッタリのようです。

　ベストリゾートはホープフルSで4着。外々を回る形から最後までしっかり脚を使って、スタミナ豊富なところを見せました。前走は間隔が開いていたことを思えば、使われたぶんの上積みが見込めます。このレースを得意とするハービンジャー産駒ですし、相手関係が楽になるここは順当に上位争いになるでしょう。

　コマノインパルスは葉牡丹賞で2着。ここまで3戦全勝のレイデオロを相手に、一歩早く動いていく形でしたから価値があります。ホープフルSを自重したことで状態もフレッシュ。イブキは新潟2歳Sを3着に敗れましたが、力負けというよりキレ味の差に泣いた印象。距離延長は歓迎ですし、器用な馬なので小回り対応も難しくなさそう。

　マイネルスフェーンはホープフルS2着ですが、内に潜り込んだシュミノー騎手の好騎乗が光った印象です。使い込まれている馬で上積みも期待できず、4番手の評価。アダムバローズは京都2歳Sではイレ込みがきつく大敗しましたが、今回のメンバーでは唯一の2勝馬ですから、落ち着きさえ出てくれば一変があって驚けません。

　アサギリジョーは葉牡丹賞で3着に敗れましたが、直線で窮屈になった影響もあり、スムーズなら2着とはもっときわどかったはず。未勝利戦で前述のマイネルスフェーンを負かした実績からも軽視できません。サンティールはレースを覚えた前走が危なげのない完勝でした。一気の相手強化は課題ですが、このレースと好相性のハービンジャー産駒でもあり、上昇度に注目。

【小波乱】コマノインパルスはレースがうまく能力も高い。スムーズな競馬でポポカテペトルが前進。ジュニエーブルは力をつけている。

初戦80の勝ち抜けで魅力十分といえる☆サーベラージュ。ただ距離もコースも初ではちょっと人気になりすぎ。同距離コース最高値101▲マイネルスフェーンもいいが騎手代わって前走の競馬ができるのかは疑問。ならば人気ないが平均値トップ◎バリングラに期待。同距離コース99○ベストリゾート。まったく人気ないが初戦71から2戦目98というのは一発ないことはない△メリオラも爆穴。

確実にパワーアップしてきた12アサギリジョーを狙い撃つ!葉牡丹賞は出遅れて挟まれる不利を克服して3着。スムーズならチャンスは十分だ。次位は8コマノインパルスで末脚は鋭く能力的に差はない。▲は2マイネルスフェーンで額面通りなら好勝負。

　ここは、同じ舞台でレイデオロが連勝した、暮れの葉牡丹賞とホープフルSの上位馬が有力視される一戦。ただ、走破タイムの比較で葉牡丹賞が上回るとはいえ、開幕週と最終週という馬場差を考慮すれば、むしろホープフルSの方が時計的価値が高いと判断すべきだろう。

　◎はここにきての馬体の充実ぶりが著しいマイネルスフェーンとした。展開を問わずどんな競馬でもできるタイプであり、内枠も引けた今回は、前走同様のロスのない立ち回りが期待できるはずだ。

　相手本線は、葉牡丹賞の内容自体が優秀なコマノインパルスだが、穴の魅力は距離延長が魅力のバリングラ。以下は、久々も素質は一級品のイブキに、サーべラージュ、ベストリゾート、メリオラまでを押さえたい。