有馬記念と同じ中山芝2500mで行われる
日経賞。中山芝2500mと言えば、アップダウンの激しいコースの長距離戦のため、スローペースが発生しやすい舞台。しかし、同じスローペースでも下級条件は単調なスローペースになることが多いのに対して、上級条件は中山の短い直線を考慮して仕掛けのタイミングが早くなります。
差し、追い込み馬は、向こう正面の下り坂である程度勢いに乗せて、3-4コーナーの外から位置を押し上げてくる傾向があるため、前も早仕掛けをして、スタミナが問われるレースになることがしばしば。
日経賞の過去10年でも単調なスローペースになったのは、
ゴールドアクターが
有馬記念でクビ差まで迫られた
サウンズオブアースに先に行かせようとした昨年くらいでしょう。
昨年は、
ゴールドアクターと
サウンズオブアースのハナの譲り合いで、本来は逃げ馬ではない
ディサイファがハナへ行く形。これによって、前半5F65秒1という、G2戦としては異次元ともいえるスローペースが発生しました。トップクラスが相手となると実はスタミナが足りない
ゴールドアクターの弱点を理解した上で、常にハナへ行かないこと、プレッシャーを掛けられても動かないことを選択している鞍上の吉田隼騎手にとっては、してやったりのペースでした。
今年も昨年の再現のようなレースになるかというと、昨年とは異なり多頭数で先行馬も揃っていることや、
ヤマカツライデンが逃げることを想定すると厳しいのではないでしょうか。まして今回は、前走の
有馬記念で向こう正面で
サトノダイヤモンドが上って来ても、無理させずに自分のペースを貫いての3着と、能力を出し切った後(自己ベストのPP指数をマークした後)の始動戦。取りこぼしがあっても何ら不思議ではありません。
しかし、一昨年の
グランプリホースを負かせるほど能力がある馬というのもそう多くはありません。新興勢力の4歳勢くらいでしょう。よって、◎は、昨年の
菊花賞で2着の
レインボーラインとしました。この馬は、昨春はマイル路線を使われ、結果を出し切れずにいましたが、休養明けで一気の距離延長、さらに道悪の消耗戦となった
札幌記念で3着と結果を出したことから、距離が伸びてこそのステイヤー。
日経賞は、昨年のように極端にスローペースにならなければ、ステイヤー適性が問われるので、そういう意味でも
レインボーラインの本命がベストと見ました。本来、前哨戦ではレースを順調に使われている馬を支持するタイプですが、レースを順調に使われている馬で、勝ち切れるまでのステイヤー適性の高い実力馬がいないので、少し
スタイルを変えてみました。
○は、ぶっつけ本番の
菊花賞では10着に凡退しましたが、立て直されて挑んだ前走の
松籟Sが4コーナー先頭から押し切る強い内容だった
ジュンヴァルカン。今回は休養明け2戦目になりますが、反動が出ることなくスムーズに上昇すればチャンスがあるでしょう。
▲は、デビューから上昇一途の
シャケトラ。正攻法の競馬で前走の
日経新春杯2着は強い内容でしたが、それでも始動戦の
ミッキーロケットに競り勝つ強さを見せて欲しかったのは本音。ただ、キャリアが5戦と浅いことを考慮すると、さらなる上昇力が期待できるので3番手評価としました。実績馬が始動戦となる中で、レースを順調に使われている強みもあります。