中京競馬場が新装オープンして5年目。ファルコンSが芝1400mで行われるようになってからの逃げ馬の着順はと言うと、2012年エクセルシオール・17着、2013年カシノランナウェイ・14着、2014年ネロ・8着、2015年セカンドテーブル・9着、2016年ミスキララ・13着とことごとく馬群に沈んでいます。(全てフルゲート18頭立て)

　過去5年のレースラップはと言うと、2012年34秒8-36秒8、2013年34秒9-35秒5、2014年33秒0-36秒3、2015年34秒4-36秒9、そして2016年は極悪馬場だったこともあり、前半3F33秒3-後半3F39秒7。2013年こそ馬場状態も良く、1-3番人気馬が差し、追い込み馬だったために前半のペースがそれほど上がらず、逃げ馬がもっと強ければがんばれていました。

　しかし、それ以外の年は、前後半のペース落差が2.0秒を越える前傾ラップで、逃げ、先行勢が粘るのは厳しい状況。特にネロとシゲルカガが競り合って、前半33秒0まで押し上げた2014年や、新馬戦2着以来の芝で未知数のミスキララが行けるだけ行く競馬で前半3F33秒3(不良馬場)で通過した2016年は、逃げ馬が失速するしかないようなペースでした。

　ファルコンSは、全体的な傾向として、逃げ、先行馬が苦戦。その一番大きな理由は、中京芝1400mという舞台が、スタートして約120mほど坂を上って、そこから4コーナー過ぎまで一気に坂を下って行くコースであること(スピードのある馬ほど、加速がつきやすい)。さらに逃げ、番手馬などが、経験を重ねてこれまでよりも体力がついてきたため、もっと行かせてみたい騎手心理が働くことや、揉まれるのを嫌うなどの理由もあります。

　今年は、福島2歳SやクリスマスローズSが時計の要する馬場で行われて、そこで逃げた馬や番手馬が大失速したこともあり、ことごとく休養させたり、ダート路線に行ったりしたので、例年のこのレースよりも逃げ、先行馬が手薄です。(めげずにこの路線を歩んでいるのは、クリスマスローズS・9着→かささぎ賞・3着→萌黄賞・1着のショウナンマッシブくらい)　それでもこの舞台で未知数な3歳馬の対決である以上、例年の傾向どおり34秒台くらいの速い流れになるのではないでしょうか。中京は高速馬場ということを考慮すると、あまり後方すぎると届かない可能性もありますが、本命馬には、好位から差せる馬を据えたいところです。

　よって、◎には、前が競り合ってタフな流れとなった前々走の福島2歳Sでは好位でレースを進めて、直線では外に持ち出して楽に突き抜けて勝利したメイソンジュニアを推します。この馬は芝1200mばかりを使われ、そこで勝ち上がってきたことからそれほど人気になりそうもありません。しかし、前々走の指数は朝日杯フューチュリティS・3着よりも少し優秀。また、前走でダ1600mの厳しい流れを経験したことが、今回でのスタミナアップに繋がるでしょう。

　○は、芝1400mから芝1600mへと距離を伸ばし、逃げ競馬でデイリー杯2歳Sではしぶとく粘って2着、続く朝日杯フューチュリティSでは粘り込んで3着のボンセルヴィーソ。距離が伸びて良さが出た一面もあるので、過信は禁物ですが、他に取り立てて対抗扱いしたい馬がいないために対抗評価としました。中京芝1400mで逃げ競馬にこだわりすぎると失速の可能性もありますが、積極的に行きたい馬がいれば、それに行かせてやや控えるような競馬ができれば、ここも上位争いでしょう。

　▲は、4走前の福島2歳Sでは◎メイソンジュニアの2着に敗れましたが、タフな流れの前々走・クリスマスローズSは、正攻法の競馬で勝利したマイネルバールマン。決め手がある馬ではないので、もう少し時計を要する馬場のほうが理想的ですが、福島2歳SやクリスマスローズSで結果を出しているようにレースが流れればしぶとい馬です。

【進化系】ナイトバナレットの末脚一閃。未勝利脱出に数戦を要したものの、ひいらぎ賞3着を経て、年明けのジュニアCを大外一気。前半1000m・58秒2-1400m通過・1分22秒6という前崩れのHペースに恵まれたとはいえ、1分34秒7に時計を短縮。走るたび、目に見えてレースの質と末脚を強化してきた。一週前の坂路調教では自己べストの51秒1をマーク、短期放牧明けになるが仕上げも手抜かりなし。

　コウソクストレートとの追い比べが第一本線。シンザン記念は、長距離輸送に加え瞬発力を削がれる重馬場が敗因。二走前京王杯2歳Sは、ローテーションが詰まりパドックではテンションが高く、発馬で後手を踏み、仕掛け遅れ気味の4着に終わったが、坂越えの東京1400mで1分22秒5というタイムは、この組み合わせならトップランクだ。リフレッシュ効果でストレスも抜けた。

　ボンセルヴィーソの先行力も再度要注意。スローペースのアシストは得たとはいえ、デイリー杯は1分34秒6で2着、GIの朝日杯FSも果敢にハナを切り3着に奮闘。元より1400mは、三走前1分21秒6を計時。折り合いに心配のない7ハロン戦なら、好位差しという戦法も使える。

　ジョーストリクトリは、アーリントンCは相手も強かったが残り1Fで失速気味。ベストは1400m、なずな賞快勝のコース経験も大きい。持ち時計に課題を抱えているが、福島2歳Sの伸び脚をみると、メイソンジュニアは距離延長はOK。マイネルバールマンも、クロッカスSは0秒1差。この距離でも粘れる自信がついた。

　前走オープン連対馬は1頭だけ。朝日杯の3着馬はいるが人気薄での逃げ粘りで再現性は微妙。コース自体も改修後5年でデータも蓄積されていない……ということで、予想はなかなか難しい一戦。

　少ないながら過去を振り返ってみると1600mのGIIIを負けてきた馬たちがまずまず好走している。ひとつには、1400mベストの馬が番組の関係で1600mに出ていたケースが多いということもあるだろう。またメンバーレベルの点で、例えば1600mのGIIIと1200mか1400mのオープン特別だと前者のほうが選手層が厚く、そのため見た目の着順が悪くても実は他レースの好走組と同レベルかそれ以上にある、ということも考えられる。

　◎はジョーストリクトリ。アーリントンCでギリ掲示板の馬を上位人気で買うのがどうかという問題はあるが、好走パターンにあてはまってはいるし、自身に1400m好走歴があるのも強みだ。

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【波乱含み】条件馬の身ながら格上挑戦でOP勝ちを達成した前走の12ナイトバナレット。そこから距離短縮になるが、初勝利は左回りの新潟1400m。鋭い決め手で直線一気を決めたい。相手は中京2戦2連対の16エントリーチケット。前走は折り合いに苦労したが、今回はペースが速くなり不安は軽減。ゆったり外を回れるのも好材料。1ラニカイサンデーは未勝利を勝ったばかりだが、この距離を得意としており侮れない。

　◎ボンセルヴィーソは｢ダイワメジャー×サクラローレル｣という組み合わせ。母の父サクラローレルはダイワメジャーと相性がいいブラッシンググルームとボールドラッドを併せ持ち、なおかつ母バイモユリはブラッシンググルームとトニービンを近い世代に持つので、本馬はコパノリチャード(高松宮記念など重賞4勝)、マテンロウハピネス(橘S)と配合構成がよく似ている。

　配合的なレベルは高く、デイリー杯2歳S(G2)2着、朝日杯FS(G1)3着という成績はフロックではない。とくに12番人気で健闘した後者は、1、2着のサトノアレス、モンドキャンノが後方から突き抜ける展開で逃げ粘っており、レース内容は高く評価できるものだった。ダイワメジャー産駒は1400mで安定しており、先手を取れば容易には崩れない。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　中京芝1400m戦として生まれ変わって今年で6年目を迎えます。かつては3歳限定戦で唯一のスプリント重賞でしたが、距離延長以降の5年間で前走1200mを使われていた馬は3着が1回あるだけ。一転してスプリンターには厳しいレースになってしまいました。

　しかし、オープンクラスのスプリンターにはこの時期適当な目標がないのも事実で、毎年1200m戦での活躍馬が多数出走して、ペースは速くなります。過去5年で4回が差し・追い込み馬によるワンツーになっていることが示す通り、スピードタイプよりもより長い距離をこなせるスタミナタイプに有利なレースになっています。

1.マイル以上の距離の経験が必要

　過去5年の勝ち馬5頭はいずれも以前に1600m以上の距離に使われた経験がありました。短距離専業タイプはそれだけで割り引きになります。

2.差し一辺倒では難しい

　差し馬優勢な傾向ですが、過去5年の勝ち馬のうち3頭は前走では先行していましたし、4年前のブライトラインと昨年のトウショウドラフタも過去に先行した経験が多数ありました。行く気になれば行けるスピードの持ち主が距離短縮で差しに回る形がベスト。

3.オープン実績馬が強い

　いろんな路線の馬が入り乱れますが、過去5年の連対馬10頭のうち、前走で重賞・オープンに使われていた馬が7頭を占めます。500万条件から昇級で挑む馬には敷居が高い重賞です。

　ナイトバナレットはジュニアカップの勝ち馬。2着のディバインコードがアーリントンC3着で、3着のタイムトリップがクロッカスSを勝っていますから、例年以上にメンバーが揃っていた一戦でした。パワフルな馬だけに距離短縮はおそらく歓迎。左回りも問題なく、中谷騎手に重賞制覇の大チャンスが訪れました。

　コウソクストレートはシンザン記念では行きたがる面を出して惨敗しただけに、距離短縮での巻き返しが期待されます。メンバーが揃っていた京王杯4着を再評価したいところ。ジョーストリクトリはアーリントンCでも5着に健闘。当コースではなずな賞を勝った実績があります。

　ボンセルヴィーソは朝日杯の3着馬。単騎ハナならしぶとい馬で、ここも展開が最大の鍵になりそう。メイソンジュニアは福島2歳Sの勝ち馬で、前走ダートでの敗戦は度外視できます。以下、2戦2勝のジャッキー、決め手に欠くものの能力秘めるマイネルバールマン。

平均値は11頭が80台で90台なし。さらに前走比較では9頭が90台。おそらく人気の差ほど能力の差はないはずのメンバー。人気薄の絡みが穴配当を出すかもしれない。だが人気になりそうな馬はそれなりの指数を持っている。93から94◎ボンセルヴィーソ。相手は前走95○ナイトバナレット。同距離コース83▲ジョーストリクトリ。一発は初戦60から2戦目同コース93の☆メイショウオワラに期待。とにかく大混戦。

休養明けになるが仕上がりは良好な9コウソクストレートが有力。左回りは堅実で1400はベスト。切れ味勝負ならチャンスはある。次位は5メイソンジュニアで末脚は鋭く能力は互角。▲は10ボンセルヴィーソで先行策から善戦は必至。

　新装中京で距離も1400mとなってからの過去5年、波乱決着あり順当決着ありで傾向も掴みづらいが、1600m以上の距離に実績があって決め手に長けた馬、というのが好走馬のイメージだ。スプリント路線の範疇ではあるが、長い直線に急坂も控えるタフなコースでは、必然的にそうなる。

　◎はナイトバナレットとした。同じ直線に急坂のある中山マイルのジュニアCで強靭な末脚を発揮して差し切り勝ちを演じ、左回りの新潟で未勝利勝ちもあるのなら、実績も申し分はなく、まさに来る馬のイメージ通りだ。ジュニアC以来の2ヶ月半ぶりとなるが、仕上げには定評のある厩舎で、全く不安はないだろう。

　相手は、良馬場なら見直せるコウソクストレート、朝日杯FS3着のボンセルヴィーソへが本線だが、割って入れば中京コースでの走りが優秀なエントリーチケット。以下は、ジョーストリクトリ、ジャッキー、ラニカイサンデーまで押さえたい。