ダンビュライトの母系近親にはマリアライトやリアファルやクリソライトやダンディーズムーンやストロングレヴィルなどスタミナ豊富な馬が多く、3/4同血の兄ラブラドライト(父キングカメハメハ)もダイヤモンドS2着の長距離ランナー。

　2017年の3歳世代のJRA勝ち鞍(先週終了時)は、1位がディープインパクト(94勝)、2位タイがハーツクライとダイワメジャー(52勝)、4位タイがステイゴールドとルーラーシップ(45勝)。ルーラーシップ産駒は全体に晩成でキセキのように3歳夏以降に上昇する馬が多いし、ダンビュライトもここで成長した姿を見せてくれるだろう。スタートはいい馬だから、好位差しならまず崩れは考えられない。

　レイデオロは“脚長ラブリーデイ”というイメージだと書いてきたが、斬れるというよりはトムフール的な機動力が武器で、外回り2400mだとダービーのようにスローの上がりの競馬が希望。ここはストライドで斬れる▲☆を実質相手本線にとってみた。

【軌跡が大事】ひと夏のキセキ、その軌跡は堂々菊の大輪が狙える。デビュー戦の1分49秒5・上がり34秒5で、クラシックの図も描いた血統馬(祖母はロンドンブリッジ)。しかし春は、新馬を快ラップで駈けた反動か。腰がフラつきジリ貧。ただ毎日杯3着で夏に目標を切りかえたのが正解。その甲斐あって、中京2000m戦はスローの上がり勝負にせよ、後半1000mはすべて11秒台。11秒6-11秒5-11秒7(3Fは34秒8)というレースラップを、33秒2でひとのみ。

　続く信濃川特別も上がりは32秒9。開催時期や馬場コンディションは異なるものの、1分56秒9という走破タイムは、新潟記念より1秒も速かった。「夏の上がり馬」というのは、無理くりつくられる年もあるが(笑)、キセキの軌跡は時計に裏打ちされた確かさあり。ステップレースこそ異なるものの、少し古いがマンハッタンカフェに似た進化を近二走でトレースした。

　相手はダービー馬レイデオロ。秋の目標はJCと聞くが、2400mの距離でもう一度、キッチリ結果は出しておきたい。皐月賞と違い、今回の休み明けは思った通りに造れた。ルメールなら、大敗なんてまずない。馬体の幅が出たかどうか。いざ当日、馬体をキチンと見る必要があるが、サトノアーサーも才能はGI級。調教は春より走っている。

　カデナは、本番に向けやや余裕のある仕上げ。右回りならダンビュライト。アドマイヤウイナーは臨戦過程好感。

　神戸新聞杯はかなり堅いレースで、ダービー馬◎レイデオロが大崩れするパターンは想像しづらい。ただ、決め手勝負が得意なタイプではないので、なにかにビュッと差されて2着という可能性くらいはあるだろう。

　その候補というと、これも人気ではあるが○キセキか。初手の位置は取れないが、終いの速さはかなりのもの。先週のセントライト記念のようなシーンがあってもおかしくない。

　ただ、例年の相場だと1000万条件組は3着までというケースがほとんど。今年はラジオNIKKEI賞組などがいないので例年よりチャンスがあると思うが、1000万組で馬券の対象にできるのは○と、ここへきて本格化しつつある▲エテレインミノルのみとし、○と▲の間には大きな差をつける。

　ダービー組でからはそれ以前の内容を評価して☆サトノアーサー、△ダンビュライト、前走の着順と前に行ける強みで△マイスタイルにシルシを回すが、買い目を絞らねばならないので3連単◎○→◎○→▲以下と、◎→▲以下→○にする。

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【上昇度大】本命は春のクラシック戦線不参加の5キセキ。ただデビューは12月の阪神。デビュー戦の勝ちっぷりからして、本来なら春から大活躍していてもおかしくない素質馬。誤算は2戦目を抽選漏れで予定外のレースを使わざるを得なくなったこと。そんな歯車の狂いを軌道修正するのに時間がかかったが、ここ2戦の勝ちですべてのストレスが吹っ飛んだ。やっぱり素質は一級品。現時点で菊の出走を迷っているようだが、ここをスッキリと勝って、主役として菊へと駒を進めて欲しい。

　2サトノアーサーも春は不完全燃焼。ただ明確な部分は不明だが、リズムが悪かったのは確か。外回りの阪神コースなら、もう言い訳はできない。ダービーは明らかに展開が合わなかった。勝ち馬を逆転できると判断した。ベストアプローチは青葉賞の内容が優秀。問題はダービー馬、レイデオロの扱い。関西への輸送も鍵だが、そもそもこの距離を正攻法の競馬でクリアできるのか。そこに疑問を感じる。ダービー馬に敬意を表して☆は打つが、あまり積極的に買う気にはならない。

　◎レイデオロは｢キングカメハメハ×シンボリクリスエス｣という組み合わせ。母ラドラーダは阪神牝馬S(G2)で6着となった実績があり、本馬の半兄ティソーナはマーガレットS(OP)の勝ち馬、全弟レイエンダは7月に札幌で新馬戦を勝ち上がった。2代母レディブロンドは大種牡馬ディープインパクトの半姉にあたる良血で、スプリンターズS(G1)で4着となるなど6戦5勝の好成績を挙げたスピード馬。

　子と孫の代で競走年齢に達した8頭はすべて勝ち上がり、そのなかにはレイデオロのほかにゴルトブリッツ(帝王賞)が含まれる。サンデーサイレンスを持たない配合構成ながら、サンデー系の切れるタイプに引けを取らず、同世代の頂点に立ったのは、ウインドインハーヘア-レディブロンドの牝系の威力だろう。

　ダービーの勝因は、スローペースを察知したルメール騎手が道中絶妙のタイミングで動いたことだが、それに応えたレイデオロの能力は高く、皐月賞でメンバー中2番目に速い上がりタイムを記録したように、後ろに控えればそれなりの脚を使う。要するにどんな競馬でもできるタイプなので崩れづらい。

　キングカメハメハ産駒は阪神芝2400mで連対率24.0%と優秀で、2010年以降、当コースで20走以上した20頭の種牡馬のなかで第3位という成績。神戸新聞杯(G2)は2010年以降、7年連続で1番人気が連対しており、これらはすべてダービー最先着馬だった。1番人気が予想されるダービー馬レイデオロにとっては心強いデータだ。

※火曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　菊花賞に向けての最終トライアル競走。今年は皐月賞馬がセントライト記念から始動したのに対して、ダービー馬はこちらからスタートします。

　神戸新聞杯は阪神の外回りコースをぐるりと一周の2400m戦。この距離で行われるようになってからの過去10年間で、菊花賞3着以内馬のうち約3分の2が神戸新聞杯に出走していました。菊花賞への足慣らしとして、最適なステップであることは歴然としています。

1.スタミナが求められる

　菊花賞へのステップレースにふさわしく、スタミナが問われるレースです。近年1番人気に応えて勝利したのは、オルフェーヴル、ゴールドシップ、エピファネイア、ワンアンドオンリー、サトノダイヤモンド。一方で、リアルスティール、エイシンフラッシュというキレ味やスピードを持ち味とするタイプは、勝ち切れず2着に敗れています。

2.ディープインパクト産駒が苦戦

　上記のデータと関連しての結果かもしれませんが、ディープインパクト産駒でここを勝ったのは昨年のサトノダイヤモンドが初めてで、通算で［1-2-3-11］ともうひとつの成績です。サトノダイヤモンドは断然の1番人気(単勝120円)でしたから、1勝したとは言え期待値としては依然芳しくありません。

3.春の序列は絶対ではない

　最近5年間でダービー出走組でワンツーしたことは1回だけ。昨年は1000万条件を勝って臨んだミッキーロケットが2着して、一昨年は準オープン勝ちのリアファルが勝利。2014年は1000万条件から臨戦のトーホウジャッカルがタイム差なしの3着、2013年も1000万勝ちのマジェスティハーツが2着と、近年はダービー不出走馬が確実に勝ち負けに絡んでいます。

　レイデオロはここまで5戦4勝。唯一敗れた皐月賞は順調さを欠いて久々の競馬での5着でしたから、ここまで底を見せていないと言っても過言ではないでしょう。ダービーで自分から早めに動いて押し切ったように、2400mならスタミナの不安はありません。現時点での3歳世代では一頭抜きん出た存在で、この秋の大目標も菊花賞ではなくジャパンC。同世代相手の一戦で足踏みは許されません。

　相手の筆頭はキセキ。春は心身ともに幼さを残した状態でクラシックには乗れませんでしたが、今夏の2連勝を見ると完全に軌道に乗ったと考えていいでしょう。ここのレースぶり次第では菊花賞の惑星に浮上するかもしれません。ダンビュライトは勝ち味に遅いものの皐月賞3着、不利があったダービーでも6着。ジリ脚タイプだけにこの条件は歓迎でしょうし、調教で自己ベストを連発していて秋を迎えての成長ぶりが注目されます。

　ベストアプローチはダービーでは直線でスムーズさを欠いての9着で、不完全燃焼でした。青葉賞の内容からこの距離は合っているはずで、巻き返しに注意。以下、雪辱を期す未完の大器サトノアーサー、メンバー中数少ない4勝馬で自分の形ならしぶといアダムバローズ、重賞2勝で決め手勝負になれば侮れないカデナ。

【順当決着】ダービー馬が順調に出走してきた以上、素直に08レイデオロは信頼すべき。それは過去のデータが証明しており、極端な馬体減でもないかぎり、ここで崩れるケースは考えづらい。素直にここから、相手は02サトノアーサーと09マイスタイルを上位に評価。大きな紛れはないとみて、◎-○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で勝負だ。

【小波乱】キセキは地力強化が著しい。実績上位のレイデオロは崩れる場面が考えにくい。追い比べでサトノアーサーが浮上する。

割とタイム指数とは相性のいいレース。驚いたのは◎キセキの前走115。1000万クラスの芝ではあまり見ない数字だ。これで平均値をダービー馬を超えて1位にしてしまった。デムーロ乗り替わりも好材料で今回は軸抜擢する。相手は○レイデオロと▲ダンビュライト。一発に☆ベストアプローチを入れる。

ダービー馬8レイデオロが中心だ。休養効果でのパワーアップは容易に見込める。直線が長い外回りなら末脚が炸裂する。次位は5キセキで連勝中と勢いがあり潜在能力の高さから侮れない。▲は3ダンビュライトで地力アップの現状から一発の魅力は十分。