※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
ダート中距離の重賞としては、同じ週に地方交流の日本テレビ盃(GII)があるので、一線級はそちらに集結する。舞台は、JRAのダート重賞としては最長距離となる2000m戦で、ゴール前に坂がある阪神コース。つまり、「それほど強くないメンバーが、JRA重賞としては類を見ないタフな条件で戦う」という点が
シリウスSの特徴である。
1.過去の実績はあてにならない
上がり馬の
ステップボードとして設定された舞台であるため、復活を目論む過去の実績馬は「勢いが止まっているのにハンデは背負わされる」二重苦に直面することになり、期待値は低い。つまり、過去の実績比較はそれほど意味がない。ふだん走り慣れた条件よりもタフ条件で最後に頑張るために、好調のリズムで臨む「勢い」が重要になる。
2.前走1着馬が強い
距離が2000mになった2007年以降の10年間で、前走で1着だった馬が6勝を挙げている。前走1着馬の成績は[6-3-4-15]と優秀。他に勝った4頭のうち、重賞で2、3着だった馬が1頭ずつ。2011年の
ヤマニンキングリーは芝重賞を4着してのダート転向初戦だった。
3.難しくなった
オークランドRCTステップ
前走のクラスは「なんでもあり」という傾向が顕著で、準オープンからの臨戦だった馬が6勝を挙げている。ただし、同開催の準オープン戦・
オークランドRCTは、2013年以降
シリウスSとの間隔が中1週と短くなった。一昨年の
アウォーディーはこれを克服して勝利したものの、近年では難しい
ステップになっていることは注意したい。
今年は、前年の
シリウスSの1、2、4着馬が出走を予定しているが、「格より勢い」の方針から、2連勝でここに臨む前年4着馬の
ミツバを本命に推したい。昨年は前述の準オープン・
オークランドRCTを勝って中1週の強行軍だった。
今年は7月に交流のマーキュリーカップを勝って以来、2か月半の間隔を開けた。ダート馬としては小柄な部類に入ることもあって、元来久々を苦にしないタイプ。1週前追い切りでは自己ベストに近い好時計をマークしており仕上がりに不安は少ない。
他馬を気にする面があって(深めのブリンカーを着用)、位置取りが極端になることが多かったが、近走では中団追走の競馬ができるようになっての2連勝で、馬が自信をつけて精神的に充実してきた印象がある。ダート2000m以上では6戦4勝だが、敗れた2戦は前述の昨年の当レースとGIの川崎記念(いずれも4着)。今年は昨年以上の結果が期待できる。
モルトベーネは
アンタレスSを勝って以来、5か月半の休養明けになるが、この馬もまた仕上げには手間取らないタイプ。その後重賞を連勝する
ロンドンタウンを寄せ付けなかった前走のように、型にはまれば非常に強い競馬をする。ただ、苦手な左回りでの成績とは言え2000m以上では2戦2敗で、距離延長には不安を残す。
マスクゾロは昨年このレースを勝って以降順調さを欠いていたが、11ヶ月ぶりに
BSN賞(2着)で復帰。叩き2走目で連覇に挑む。前走2番手からの競馬で伸び負けしたのは、久々のぶんもあったろうが、超大型馬のゆえに、元来控えて小刻みに脚を使う競馬の形はあまり得意でない。強引にでも行き切ったほうが安定感があり、去年同様スムーズに逃げられるかが鍵になる。
ピオネロは2連勝で挑んだ昨年の当レースが2着。以来勝ち星から遠ざかっているのにハンデは重くなる、という二重苦のパターンである。ただ、ダートの長丁場自体は得意なので、前走の
エルムSからの距離延長は歓迎。
ドラゴンバローズは、
オークランドRCTを1番人気に応えて快勝しての参戦。以前ならば好走パターンだったが、中1週になった近年は難易度が高くなっているのは前述の通り。夏場から使い詰めでもあり、疲労度の見極めが重要だ。
ナリタハリケーンは芝挑戦で素質が開花して
札幌記念を2着した。ダートでは頭打ちになっていた印象もあるが、「勢いが重要」という観点から見れば過去の戦歴には目をつぶってもいい。
サルサディオーネは
レパードSを逃げ粘って2着。人気薄での激走だったが、必要以上に軽視されていた面もある。大型牝馬で軽ハンデ、すんなりハナに行けるようなら面白い。