ヴァイザーの父ノヴェリストは通算11戦9勝、キングジョージをレコード勝ちした名馬。その父モンズーンはドイツの名種牡馬で、ノーザンダンサーやターントゥやナスルーラといった主流系統の血を全く持たない。

　そんなノヴェリストを父に持ち、ヘイロー3×4とノーザンダンサー4×4を持つヴァイスハイトを母に持つのがヴァイザーで、この配合的な緊張と緩和の妙だけで重賞でも◎が打てる。

　ヴァイスハイトは全2勝がダ1000mで、このソニンクの牝系はジューヌエコールやノーザンリバーなど短距離のスピードとパワーにも秀でている。33.7-57.2-1.09.0-1.21.9、この新馬戦とは思えない猛前傾ラップを持ったままで追走していたから、1200mにも十分対応できるだろう。

【センス抜群】モズスーパーフレアを狙い撃ち。父スペイツタウンは、新馬戦から全日本2歳優駿まで4連勝を決めたリエノテソーロを送り出したことで知られる、北米スプリントチャンプ。

　日本でデビューした産駒は、ほとんどが勝ち上がっており、本馬もキーンランド1歳9月・12万5千ドルで落札された時から、まず6Fの小倉2歳Sを年頭に置き当地デビュー。2回小倉の最終週の荒れ気味の馬場で、楽々と1分8秒5で快勝を果たした。

　2着馬に直線入り口で被せ気味に寄られ不意打ちをくらいそうになったが、ギアをもう一段上げ、二枚腰を使って突き放すレースセンスと完成度も特筆モノ。中1週でGIIIというローテーションも、デビュー前から描けていた。

　逆転があればヴァイザー。新馬戦は1000m通過が57秒2-1200m通過・1分9秒0というHラップを三番手追走から、もうひと脚使って差し切り勝ち。1分21秒9という走破タイムも、例年の6月の阪神開催・7F新馬の水準を大きく上回っている。

　一週前のCW調教では、上がり11秒台でビビットに反応。直前は息を整える程度で、仕上げもほぼ万全。

　単穴は連闘ペイシャルアス。二走前は1位降着となってしまったが、前走は稍重で1分8秒7を叩き出して大楽勝。押せ押せの連闘は2歳Sでは強みにもなる。アサクサゲンキの勝ち時計は1分8秒8。8月30日の最終追い切りでは、併せ馬で本命馬にしぶとく食い下がった。

　新馬勝ちからフェニックス賞3着のアイアンクローの経験値。スーサンドンの瑞々しさと可能性も連下で試してみたい。

　今年の小倉2歳Sにはフェニックス賞の連対馬が不在。同組からは連対してきた馬がここでも好走、という形が多かっただけに新馬・未勝利組にとってはやりやすい年だ。

　その新馬・未勝利組だが、成績を振り返るとやはり新馬組＞未勝利組。しかも未勝利組は2番人気以下で勝ってきた馬と、勝つまでにレース数を要してきた馬が目立つ。これまで未勝利組の好走馬は前走1番人気だったケースがほとんどだし、キャリアも2戦で来ることが望ましい。そう考えると、馬券はやはり新馬組を中心にということになる。

　その新馬組はどうしても時計を基準に人気が形成されてしまうが、ここはそれに逆らって◎シトリカから入ってみたい。ガサのない牝馬なので上積みがどれだけあるかは微妙だが、新馬組はとにかくレース間隔に余裕のあるほうが良い。1番という枠順も、一か八かで狙う穴馬としては好材料だ。

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【難解】昨年、のちの桜花賞馬が勝ったことで、レースの体質が変わってきたかのように錯覚させている小倉2歳S。しかし本質は将来性よりも、今、力を出せるかどうか。自然と無敗馬に人気が集中するのであれば、敗戦を糧に気合が入った馬を選択していきたい。

　本命は前走、フェニックス賞で人気を裏切った14アイアンクロー。あくまで本番は小倉2歳Sで、これぐらいでも勝てるだろうという目論見が誤算だっただけ。負けたことで、より限界まで追い込むことに成功。小倉得意の浜中騎手へのスイッチ。デビュー戦で見せた軽快な走りは一度の敗戦で色あせない。

　対抗は前走の勝ちっぷりに2歳馬とは思えない貫禄を見せた7ペイシャルアス。馬場の割に時計も優秀。あとは新潟から使ってくる13ルリハリに一発を期待する。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　かつては早熟スプリンターの頂上決戦のようなイメージがありましたが、最近はそんなことはありません。連対馬からホウライアキコ、ベルカント、シュウジ、レーヌミノルと3歳以降も活躍を続ける馬を輩出しており、スプリンターとして資質の確かさが要求されるようになっています。とくに近年は速い時計で決着するようになっていて、仕上がりの早さだけでなく、素質重視の傾向がますます強まっています。

1.馬格が必要

　昨年2番人気で6着に敗れたクインズサリナは434kg、2014年1番人気2着のレオパルディナは412kg、2012年1番人気4着のエーシンセノーテは418kgと、小柄な馬はこのレースではもうひとつの成績です。一流スプリンターで小柄な馬というのはほとんど皆無ですから、ある程度以上の馬格があることは勝利のための必要条件と考えていいでしょう。

2.スピードだけでは勝ち切れない

　2歳の1200重賞ですから、逃げ・先行で勝って来た馬が大多数を占めることになりますが、脚質にかかわらず最近10年間の勝ち馬には「前走の上がり3Fのタイムはメンバー中1位か2位だった」という共通点があります。2013年に1番人気で2着に敗れたベルカントの新馬戦は、5馬身圧勝という派手なレースでしたが、上がり3Fはメンバー中3位と平凡で、そこが最後のひと押しを欠いた要因と考えられます。

3.牝馬が強い

　過去10年で牝馬が6勝。そのうち牝馬によるワンツー決着も3回あります。早期2歳戦では仕上がりが早い牝馬の活躍が目立ちますが、このレースにおいてもそれは同様です。開催が短縮されて馬場が傷みにくくなった2011年以降の6年間では牝馬が4勝と、その傾向はますます強まっています。

　モズスーパーフレアが新馬戦でマークした1分8秒5は、今年の小倉開催で2歳馬としてはナンバーワンの好タイム。2着も素質馬のジャスパープリンスだったため着差はわずかですが、3着馬はそこから7馬身遅れており、今開催指折りのハイレベルな新馬戦でした。父のスパイツタウンは日本でもリエノテソーロを出した仕上がり早のスピード血統。中1週での小倉への再輸送をクリアーできれば、結果は自然とついてくるでしょう。

　アサクサゲンキは3戦目での勝ち上がりですが、勝ち時計は1分8秒8と優秀ですし、芝を使われた2戦はいずれも最速上がりをマークしています。このレースではキャリアが豊富な未勝利勝ち馬の活躍が目立つこともあり、侮れない存在です。ペイシャルアスは3戦目の勝ち上がりですが、2戦目は1着入線しながら降着になっており、キャリア的には2勝馬とも考えられます。連闘で挑んだ馬が過去10年で3回馬券圏内に好走しており、要注意の一頭です。

　バーニングペスカは単調な面はありますが、前走の前半3F33秒5が示すとおりテンのダッシュ力は抜群です。すんなりハナを切れるようなら一気の押し切りも。イイコトズクシはフェニックス賞5着と案外な内容でしたが、包まれて他馬に気を遣った面があり、前走だけで見限れません。ヴァイザーは新馬戦の勝ちっぷりは派手さに欠きますが、2、3、5着馬がすでに勝ち上がったハイレベル戦を競り勝ったしぶとさは評価できます。相手なりに走れそうなタイプ。

【好センス】強行軍だが、それでも狙いたくなるのが07ペイシャルアス。降着もあって勝ち上がりに3戦を要したが、先行内容の良さは文句なしだ。好位に控える競馬もできるセンスの良さも、ここでは大きな魅力。連闘も、滞在ならばそう心配あるまい。相手は、11モズスーパーフレアと10バーニングペスカを上位にチョイス。◎-○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で勝負。

【小波乱】アイアンクローは折り合ってきっちり差し切る。センスがあるスーサンドン。流れに乗りイイコトズクシが浮上する。

初戦同距離コース92という堂々の指数◎モズスーパーフレア軸相当。これはかなり良い数字だ。相手には同距離コースある○アサクサゲンキと▲ペイシャルアス。一発候補に☆バーニングペスカ。以下△も初戦低くても勝っている馬は数字の一気上昇もあるので注意していきたい。

実戦を経験して大幅にパワーアップしてきた8タイセイソニックを狙い撃つ!コース適性は高く精神面でも成長してきた。中団確保から差し切る。次位は11モズスーパーフレアでスピード能力は高くチャンスは十分。▲は7ペイシャルアスで好位から決め手が生かせれば互角。