【まだいるディープの大駒】
サトノソルタスは、既成勢力図を打ち破る
ディープインパクト産の大駒。2歳王者
ダノンプレミアム、
ワグネリアン、
オブセッションなど、明け3歳世代の牡馬ディープ産駒は粒ぞろい。しかし
サトノソルタスの資質も負けていない。デビュー戦は天皇賞当日、時系列的に激しさを増す豪雨で馬場は不良。1分58秒3という走破タイムからは読み取りにくいが、ラスト3Fのレースラップは12秒2-11秒9-12秒5(3Fは36秒6)、自身の上りは36秒4。あの極悪馬場で11秒台のラップは、
キタサンブラックだって出せない(天皇賞の上りは38秒7)。デビュー戦のサイズは480キロ、
シルエットは実にしなやか。古馬準OP馬
ハナレイムーンを相手に中間併せ馬を消化してきたが、首の使い方やフォームの伸びやかさは際立っている。ディープ産駒は、良馬場でこそ。ムーアのムチとアクションが、一気にクラシックレベルへと導く。
ハーツクライ産駒グレイルの資質も、はかり知れない。本命と同様、初陣は不良馬場。2000m・2分12秒9というタイムは、2200mかと思うほど(笑)遅かった。しかし、上り2Fのレースラップは11秒5-11秒8。あの馬場で、あの上りはモノが違う? 次走・良馬場の
京都2歳Sをどう走るか。楽しみ多くして対抗印を打ったが(本命は
タイムフライヤー)、11秒6-11秒3-11秒7(3Fは34秒6)という速い上りを、ぐんぐんと加速しながら34秒0を計時。右手前のまま差し切ったのには驚いた。前走はまだ腰が尖り気味、体型も幼く映ったが、中間のCWの調教タイムの数値や捌きをみると、どうやらまた一段
ステップアップしている。東京遠征、左回りも、不安よりは楽しみのほうが大きい。
ゴーフォザサミットも急激に力をつけてきたハーツの息子。半兄は
ショウナンマイティ(
大阪杯勝ち、
安田記念2着)、その毛並みは知っている。ただ、504キロのわりに、新馬戦時は薄く映った。兄と一緒で少し時間がかかるかなと思っていたが、中山の急坂・やや重馬場を1分49秒4という好記録で楽勝。続く百日草も体重は変わらずとも毛艶は
ピカピカ、張りも前走以上。2分0秒9というタイムは、あの
ルージュバックに0秒1差の破格の内容。11秒4-11秒1-11秒6(34秒1)というレースラップを33秒6で仕留めている。
惑星は
ブラゾンダムール。
黄菊賞は右回りがまったく合わなかったのか。無抵抗のまま10着凡走には頭を抱えてしまったが、デビュー戦は東京2000m。11秒3-11秒0-11秒4(3Fは33秒7)というレースラップを上り33秒4でスパリ、最後は馬なりの圧勝だった。
オウケンムーンも、時計の出にくい新潟内回り2000mを、後続に1秒差のレコ勝ち。頭の高い独特のフォームではあるが、右回りの中山・急坂も楽々と克服、まだ上積みもある。
ステイフーリッシュは、
ホープフルSを根気よく坂上で二枚腰を使って3着に追い上げてきた。