【大団円】平成30年の競馬史を
レイデオロが締めくくる。能力の原点は2017年のダービー。スローの上り勝負、向こう正面先頭という大胆な策もハマったが、上り3Fは11秒5-10秒9-11秒4(33秒8)--ラスト2F目に10秒9という特筆すべき数字を実測として具現。あの
ディープインパクトも、ダービーで、推定10秒5前後の破格の記録を刻み込んだが、11秒台を切ったケースは過去10年間では
エイシンフラッシュと
レイデオロのみ。並外れた加速装置と能力を数字として示して見せた。
3歳秋はJCへ
アタック。発馬で後手を踏み流れに乗れず追い込み届かずの2着に終わったが、古馬勢力に早々に楔を打ち込んだ。本年緒戦の
京都記念は久々、道悪、ルメール騎乗停止を受け、乗り代わり。ドバイ遠征は
テンションが上がり4着。はたから見るより馬っ気が強く、4歳前半は馬体調整の歯車が微妙に狂ったが、秋は心身の造りを一から見直し。
オールカマーは前をとらえようとする持ち前の闘志と加速力が完全復活。
オールカマーを勝ち1カ月間隔をあけ天皇賞へ参戦。口周りの装備をがっちり整えたことで1000m通過・59秒4という澱みのない展開にも折り合いはスムーズ。ラスト4Fから一気に11秒6へと加速、上り3F・11秒3-10秒7-12秒0という激流を好位からスルリと抜け出して見せた。中山は3勝、
オールカマーの2分11秒2・上り34秒3という記録もストロングポイントになる。アフターケアを施し前走後の目標はここ一本。首・肩回りの余分な脂肪が抜け、一層精密な馬体に造り上がった。
対抗には
キセキ戦績を
リスペクト。
毎日王冠、
天皇賞(秋)、そしてJCと、勝ち星にはつながらないものの、レースを支配してきたのは同馬だった。春の
日経賞はルメールをもってしても暴走が止まらず。折り合いを欠き9着に沈没したが、同じハナを切る形でも、今度は意思をもっての逃げ。
日経賞は参考にはならない。思案は一点、脚元が持つかどうか。追い切りを終え前肢がスンナリ出るか否か。賞味期限切れの「お客さん」というパターンを思う人も多いかもしれないけれど、直線入り口で2馬身のセーフティーリードがあれば先頭ゴールのシーンも十分。
単穴
シュヴァルグラン。春の天皇賞2着、JCは4着。若干今期は良化度が遅く、叩き二戦目という必勝パターンが、前走は上手く機能しなかった。ただ、ジワリと末を伸ばしたJC4着の脚色やレース振り。そして馬体造りをみると、次の
有馬記念で
ピークがくる--攻め馬も強化、それに応じる動きも披露。昨年の有馬はJC勝ち後で
テンションも上がり、挟まれるロスが痛かった。ボウマンも今年こそ--期するところはあるとみた。
惑星は牝馬
モズカッチャンの強襲。
エリザベス女王杯はスローに加え熱発明け。二つの難題を抱えては、さすがのM・デムーロも無理はできなかった。叩き一変、
札幌記念3着で牡馬勢との手応えは把握。
アーモンドアイのほかにもまだ強力牝馬は潜んでいる。
有馬記念は
宝塚記念とコース相性や馬場適性の連動率が高く、ならば
ミッキーロケット。最終追い切りは50秒8。春とほぼ同じ身のこなしで鋭く坂を駆け上ってきた。
ブラストワンピースは、ダービー、
菊花賞は、人気を背負い、戦法は正攻法の差し。ただ、ラ
イバルたちを圧倒するだけの体力はつききっていなかった。依然として緩さは残るものの、一戦ごとに身体はデキ上りつつある。本来の組み立てと持ち味は、あの
毎日杯のようなイン強襲。人気的にも立場は楽、池添の必殺イン強襲に一票。有馬といえば
ステイゴールド産駒、
パフォーマプロミスの一発を連穴に一考(
オジュウチョウサンも、
ステイゴールドだけど)。