【ルメール起用で万全】別定のGIIIならトリオンフの力量上位。新潟大賞典は前半1000m・1分2秒3のスローに泣き、前をとらえきれず。二走前の大阪杯は、緩ペースを見越し、果敢に3コーナーすぎから動いて行ったが、GIでは押し切りがかなわず。

　ただし、意気込みはしっかりと把握。GIIIの小倉大賞典は、直線入り口ではもう先頭、横綱相撲で寄り切りを果たしている。ローテーションは少しハードだが、調教は質・量ともに万全。アタリのソフトなルメール起用にもプラスアルファが見込め、56キロなら順当に勝機。

　逆転があればトリコロールブルーの瞬発力。3歳春はスプリングSに駒を進め、5着に敗れたものの最速の上りを計時したこともある好素材。踊り場を何回か経験したが、二走前の飛鳥Sは、後半4F11秒9-11秒8-11秒5-11秒6というタフなレースラップをロングスパートで一気。大阪城Sの走破タイムは1分45秒3、11秒5-10秒7-11秒7(3Fは33秒9)というレースラップを33秒3で一閃。瞬発力と持久力の両方を数字として示している。

　三番手はマルターズアポジーの前残り。GIIIは福島記念・小倉大賞典・関屋記念で3勝。GIIの中山記念も小差3着に粘った実力派。2000mは若干距離が長いが、この組み合わせなら単騎マイペースが濃厚だ。

　サトノノブレスは2016年の鳴尾記念を1分57秒6で優勝。8歳となるが、GIIの金鯱賞も見せ場たっぷりに2着と粘っている。

　気温とともにストロングタイタンも体調上昇。5歳馬にしてはキャリアは浅く、得意とする夏場に今年はワンステップアップを果たしたい。

　右回りは少し割り引く必要はあるものの、ナスノセイカンは新潟大賞典を3着に踏ん張った。

　逃げ・先行タイプの多いメンバー構成。もともと差し・追い込みタイプの強いレースでもあり、行きたい馬を行かせてその後ろから競馬ができる◎○のどちらかが勝つという前提の馬単で。

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【平穏】ここ2戦の連勝っぷりから、まだまだ伸びしろを感じる5トリコロールブルー。自分から動けるタイプでもあり、開幕週でも気にならない。6マルターズアポジーは斤量面で有利。自分のペースで走れば、溜めても戦えることは2走前で実証済み。2トリオンフは再び出直し。条件戦から一気に重賞制覇は伊達ではない。

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　今回で71回という長い歴史を誇るが、幾度も時期と条件変更が繰り返されたレースでもある。宝塚記念のステップレースとして、夏の阪神開幕週に行われるようになって今年で7回目。格付けはGIIIながらグレード別定で行われるため、出走メンバーのレベルは並のGIIIとは一線を画する。ただし、1番人気の勝利は過去6年で1回だけと、必ずしも順当には収まっていない。一筋縄ではいかない難しさがある。

1.中2週のステップ重賞は難しい

　天皇賞(秋)に対する毎日王冠や、安田記念に対する京王杯スプリングCを思い出してもらえばわかるように、本番から中2週の前哨戦というのは、実績馬が星を落としやすいステップである。疲労を残さない仕上げと走りが求められるし、本番とはレースの流れも異なってくる。メンバーレベルが高いわりには、格下と目される馬にも食い込みの余地は充分にある。

2.距離延長が有利

　時期変更以降の6回で、より短い距離からの臨戦だった馬が3勝して2着3回で連対率21.4%。距離短縮の14.3%、前走2000mの12.9%を上回る。開幕週の絶好馬場ということもあって、スピードレースからの臨戦でスムーズに流れに乗りやすい馬が優位に立っている。

3.スタミナ・持続力が求められる

　阪神内回りならではの傾向。2014年の勝ち馬エアソミュールはジャングルポケット産駒、昨年の勝ち馬ステイインシアトルはステイゴールド産駒。2013年のトウケイヘイローは母父ミルジョージ、2015年のラブリーデイは母父ダンスインザダーク、2016年のサトノノブレスは母父トニービンと、血統表の近いところにスタミナ血統を持っていることは、勝利のための必須条件に近い。

　トリコロールブルーは2歳7月に中京の新馬戦を快勝、クラシック候補と謳われた素質馬だ。成長が遅れてクラシックでは結果を出せなかったが、3歳時に無理をしなかったことで素質が開花、重賞に手が届くところまでやってきた。1000万条件がクビ差、準オープンがアタマ差、オープン特別の大阪城Sがクビ差と、着差は少ないが競り合いを確実にものにする勝負強さは特筆できる。ステイゴールド産駒だけに、内回りコースに変わってさらなる戦力アップが期待できる。

　トリオンフは小倉大賞典が圧倒的な内容での完勝だった。別定戦で他馬と同じ56kgで出走できるのも有利。ただし、ここまで全5勝を函館・京都・小倉という直線に坂がないコースで挙げていて、阪神の急坂への対応は課題になる。サトノノブレスは一昨年の勝ち馬で、前々走の金鯱賞でも2着したように、本番よりも前哨戦の流れを好むところがある。8歳でも衰えは少ない。

　マルターズアポジーはハンデ戦の58kgから別定56kgに変わるのがなによりの魅力。大型馬の叩き3走目で走り頃でもある。以下、長期休養明けながら乗り込み入念なタツゴウゲキ、転厩初戦で違った一面が期待できるストレンジクォーク、ハーツクライ産駒らしくじっくり時間をかけて開花した印象があるナスノセイカン。

【差し優勢】先行志向が強いメンバー構成となった鳴尾記念。開幕週だが、昨今はエアレーションの効果でいきなり差し馬場となることも多く、ここは差し優勢の流れになるとみた。本命は、久々も好仕上がりの05トリコロールブルー。相手も08ストロングタイタンと10ストレンジクォークが上位評価組と、展開重視の予想である。◎-○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で勝負。

【小波乱】トリオンフはセンス上々。勢いがあるトリコロールブルー。ストレンジクォークは力をつけている。

指数では☆タツゴウゲキ。だが長休明けの実績が不明で軸にはちょっと難しいか。だがほかの指数を見ると大きな差が出ていない。これくらいならば平均値中位でも◎トリオンフ。好位にいながら速い脚が使えるのは今回有利に働くはず。相手に○ストロングタイタンと▲トリコロールブルー。あとは逃げの2頭がコーナー4つのコース初週でどういうペースをつくるか。

今期、連勝中と勢いに乗る5トリコロールブルーが中心。阪神は実績があり決め脚が発揮できればチャンス。次位は2トリオンフで地力はアップしており先行策から巻き返しは十分。▲は6マルターズアポジーで積極策からの逆転を狙う。