【意を得たり】ダービー1-2着馬に、
エタリオウが逆転を主張。【1402】の戦績が示すように、基本はステイヤー気配も感じるジリ脚系。
青葉賞2着で、ようやくダービー出走権利を得たが、いざダービーでは戦法一変。
ラスト4Fから一気に11秒7とピッチが上がり、上り3Fは11秒2-11秒2-12秒2(34秒6)という変則ラップを、馬群を割るようにして、あわやの3着。「しまった。あれほどの脚が使えるのなら、もっと前につけてもよかった」--ボウマンも無念を語るダービーとなった。
秋も僚友
ワグネリアンに一週前調教で遅れをとるなど、モタつき感を気にする人もいる。しかし、追い切りで手綱をとったデムーロにすれば、
ワグネリアンとの動き出しの違いはわかった。打ち負かすためのコース取り、そして仕掛けどころ等のレース像を、密かにしっかりと描けたのではないか。
母は芝9FのGI・クイーンエリザベスII世
チャレンジカップSなど北米を中心に6勝。6-9Fにかけ、着外少なくタフな競争人生を送っており、血統的な新味や可能性も多く残っているし、馬場が渋れば
父ステイゴールドだって血も騒ぐ。
相手本線にはダービー馬
ワグネリアン。デビュー戦の中京2000mの上り32秒6という歴史的な切れを起点に、
野路菊Sは重馬場で1分49秒3、東京スポーツ杯2歳Sは1分46秒6。世代牡馬では最上位のラップや時計を、いろんな局面で叩き出してきた。
皐月賞は7着と躓いたが、ダービー優勝は記録の集大成、決算ともいえる。春シーズンまでは、
テンションが上がり気味、馬体細化を考えながら仕上げてきたが、心の充実は身体造りにも好影響をおよぼし、
シルエットがよりスッキリとしてきた。春はパドックで下腹に汗が白く泡立っていたが、秋はそこをポイントに見れば心身のありかがハッキリするだろう。
藤岡康Jに手替わりとなるが、弥生賞前もダービーも追い切りで騎乗。直前の坂路は上り11秒9を馬なり。操作の加減も頭に入っているか。
ダービー2着馬
エポカドーロだって、当然勝ち負け。数字は2分0秒8と地味だが、Hペースの
皐月賞をロングスパートで奪取。ダービーも、歴代5位の2分23秒6という決着を、支配したのは終始
エポカドーロだった。
春は背中を長く見せていたし、母は短距離系。もしかしたら将来は、中距離限定の丸まった姿形にかわる可能性もあるし、
キタサンブラックのように母の父が気にならない、伸びやかな化け方も考えられる。
ただ、3000mの
菊花賞はともかく、3歳秋・2400mの
神戸新聞杯は、たとえ距離に限界があったとしても、ダービー実績でカバーできることを、歴代のダービー上位馬たちが示唆している。
惑星は
ステイフーリッシュ。
京都新聞杯は1000m通過・58秒5-2000m通過・1分59秒1というタフなミドルラップの上に立ち、上り3Fのレースラップは11秒3-11秒4-11秒9。2分11秒0は、過去10年で2位の好記録だった。敏感な
ステイゴールド産駒、今回はホームの利も大きい。
メイショウテッコンは、
京都新聞杯を契機に急成長。「筋金入り」という言葉がぴったり当てはまる身体造りをひと足先に完成。
白百合Sの1分45秒9、
ラジオNIKKEI賞の1分46秒1と、9Fながら記録面も更新中だ。
タイムフライヤーも、クタクタになってしまった春後半とは腰のハマリが違う。渋った馬場は大の得意、雨よ降れ。