【闊達】
レイデオロに陰りなし。本年緒戦の
京都記念は断然の1番人気。仕上がりは八分、久々の影響か、序盤は折り合いに汲々。加えて道悪。ルメール騎乗停止を受け鞍上に指名されたバルジューの、大事にゝ外を回そうとする気持ちもわかる。
優勝をさらった
クリンチャーは、不良馬場の
菊花賞を2着した
パワー型。ぽっかり空いた真ん中に、気楽に進んでいける利も大きかった。
2着の
アルアインも、相手は
レイデオロただ一頭。同馬さえ交わせばなんとかなるというレースを組み立てていた。なんて、3着に敗れはしたが、あれも競馬、勝負事のアヤ。
ただ、遠征競馬のドバイ・シーマクラシックも、
テンションは高め。道中自分との闘いのほうが優先事項となってしまい、勝ち負けの結果につなげることはできなかったが、ドバイはアウェー。舞台が日本だったら(同じ2400mでもJCなら)、違う結果が出せていたように思う。
なんて、能力の原点は、紐解けばダービー。緩ペースの上り勝負とはいえ、上り3Fは11秒5-10秒9-11秒4。ラスト2F目は10秒9と、実測として11秒台を切ったケースは過去10年間では
エイシンフラッシュと
レイデオロのみ(
ディープインパクトは推定10秒5という特別な記録をマークしたが)。並外れた加速装置を保持していることがわかる。
古馬初挑戦となったJCは、追い込み届かずの2着に敗れた。しかし若さを残す3歳馬が、出遅れをハネ返し、最速の上りを計測し、2分23秒9に時計を更新して2着に食い下がった。4歳秋、この中間は追い切り本数を増やす形で、我慢を覚えさせ、ひと工夫を施してきた。皮膚も一層薄くなり馬体のラインもクッキリ。多少のチャカつき、発馬モッサリはご愛敬。中山2200mを勝ち切れば、遠く近く
有馬記念の自信にもなる。
当面の目標は
ガンコ。障害練習効果というのは、
オジュウチョウサンを思えば、なるほどひとつの起爆剤にもなるものだろう。1000万を勝ち上り、初の重賞挑戦・GIIの
日経新春杯が3着。続く自己条件の
松籟Sの2200mの通過タイムは2分16秒0、同日の
京都記念の走破タイムより0秒3速かった。その時計の意味を中山2500mの
日経賞で証明。
2分33秒9という走破タイムは、開催こそ異なるものの前年の
有馬記念と0秒3差。天皇賞は心身ともに
ピークを過ぎていたか。道中コントロールが効かず14着に失速したが、中間の坂路調教タイムと過程は、
日経賞時に酷似している。
当日の体重をチェックする必要があるが、割って入れば
アルアイン。能力の起点は
皐月賞の1分57秒8、
京都記念は2着、GIの
大阪杯も勝ちに行っての3着。中山2200mの走りは昨年の
セントライト記念2着で学習済みだ。コース入りを嫌がるようになり、中間の調整を坂路調教に変えてきたが、瞬発力強化なったと、いいほうに考えれば、この秋はまた違った展開が開けるかもしれない。
ダンビュライトの扱いは、○や▲と同格。香港遠征で大幅に馬体を減らし、
宝塚記念は整備途上。ひと押しが足りず5着に終わったが、今期の中山は雨交じり。日によって芝コンディションに差はあるけれど、少し渋った2分12秒後半の
パワー馬場なら、
AJCCの再現十分。
距離が微妙だが、
エアアンセムはミドルペースの
函館記念を、11秒台の3連続ラップで我慢強くパンチアウトしている。連穴は直線勝負の
ブラックバゴ。