【常識を何度でも打ち破る】
グランアレグリアが、日本競馬のスピード指数を塗り替える。紐解けば、ちょうど一年前の6月。ダービーの翌週、東京マイルの芝・1600mを1分33秒6という出色のタイムでデビュー勝ち。スタートした時点から、ずば抜けた速力を誇っていた。
続戦の
サウジアラビアRCは18キロ増量、スタートの遅れを3角手前で一気に挽回、後続を0秒6差に封じ込める完勝。さて
朝日杯FSの舞台は、阪神の1600m。
桜花賞へ向け輸送やコースなど確認しておきたい。
ただ、482キロという造りはさすがに緩かったか。バフバフと鼻息の荒い、
アドマイヤマーズのぴったりマークにもあい3着と膝を折ったが、
桜花賞は476キロにシェイプアップ。前半少しリキむシーンも見受けられたものの、1000m通過は59秒4のスローにも我慢。後半4Fから11秒7にレースピッチを上げ、3F目は10秒8というHラップを意思をもって繰り出し早々に先頭。直線右ムチで矯正しながら11秒0-11秒5でフィニッシュ(3Fは33秒3)、1分32秒7の
桜花賞レコードで後続を完封だ。
ちなみに前年の
アーモンドアイの
桜花賞優勝タイムは1分33秒1、上りは33秒2。
アーモンドアイの末脚を以てしても、計算上は0秒1しか差が詰まらない、破格の数値であることがわかる。今度は再び牡馬混合戦、マークを一身に集める。プレシャーは相当だろうが、左回りはフットワークがスムーズ。
先週の馬場傾向を見ると、2回東京は10秒台の高速のラップを具体的に持つスピード系が断然有利。気負うことなく3Fから仕掛けていけば後続は追いつけない。
対抗は
ダノンチェイサーのひと差し。「お試し」で新馬戦は2000mも使った(4着)。しかし、体型は明らかにマイラー。脚の回転速度の速さと首の使い方は実に小気味がいい。
早くから
NHKマイルCを想定し、左回り中京マイル・こうやまき賞一気差しを
ステップに、GIII・1800mの
きさらぎ賞を奪取。スピードと
パワーの両方を研磨してきた。
皐月賞は意識的に回避、ここ一本に備えてきただけあって、調教の動きは
ゴムマリのよう。良馬場マイルで、どれだけ切れるか。楽しみと自信の両方を川田はもっているようだ。
アドマイヤマーズも、乾坤一擲の造り。10秒台の実測ラップこそないけれど、
朝日杯FSは1分33秒9を計時。
共同通信杯の1分47秒0・上り33秒5も近年では
トップレベル。2000mの
皐月賞は少し距離が長く4着と伸びあぐねたが、先着を許した上位3頭の能力は別格だった。マイルなら多少強引に仕掛けていってもバテないことを
朝日杯FSで確認済み。
今の馬場コンディションなら、
ヴィッテルスバッハが連穴に面白い。二走前の東京マイルは11秒9-10秒8-11秒1(3Fは33秒8)というレースラップを32秒9で一閃。
NZTはスローを捌き切れず3着に敗れたが、中山の急坂・33秒3の中に10秒台の超速ラップを内包している。
マイルに戻せば
ファンタジストの巻き返しも十分。中間も坂路を11秒台で登板、デキもいい。
カテドラルは
アーリントンC・上り33秒3で、マイル路線に手応え。