【世代No.2の実力とは】4歳馬
ラッキーライラックがGI馬へ返り咲く。新馬戦から阪神JFまで3連勝をはたし、圧倒的な脚力とスピードで2歳チャンピオンの座に到達。3歳緒戦の
チューリップ賞を1分33秒4で走破し、春のGI・牝馬クラシック一冠制覇が視界に入ってきた。いざ
桜花賞、1番枠を利し、直線半ばではセーフティーリードをとったかに見えた。しかし外一気に
アーモンドアイ--想像外の怪物が、同じ世代にいたとは…。続く
オークスは、
アーモンドアイと真っ向勝負を挑んで3着に返り討ち。全精力を傾けて立ち向かった反動は意外に大きく、疲労が長引き
秋華賞は9着に終わった。
しかし、馬体造りをもう一度見直し、状態にあわせ番組を選び、
中山記念は512キロにビルドアップ。1000m通過が58秒2-マイル通過・1分33秒6という激流を手一杯に粘って2着と好走。1分45秒5という走破タイムは、過去十年では最高位のHレベル決着だった。
阪神牝馬Sは道中密集馬群の中で動くに動けず、進路が開き勢いがついたのは残り1F標識。こんなはずではないと、耳を立て怒りながらゴール板を通過したが、気力・体力に衰えなし。世代牝馬の層の厚さと、その頂点近くにいる実力を
ヴィクトリアマイル制覇で世に知らしめたい。
同世代の
ミッキーチャームは、本格化は少し遅い3歳秋。北海道シリーズで3勝と積み上げ、
秋華賞は1000m通過・59秒6-マイル通過・1分34秒8-1800m通過・1分46秒6というタフなミドルラップを牽引。こちらも
アーモンドアイという才能の塊に、最後は屈した。しかし残り1F標識まで、あわやの見せ場は演出した。二走前の
中山牝馬Sは初の関東圏への輸送で激しくイレ込んでしまったが、
阪神牝馬Sは折り合い確かにリズムよく、好位から余裕をもって抜け出す完勝。長距離輸送も二度目、体重と
テンションさえ維持できれば勝機は十分。
まとめて負かせば
プリモシーン。スタートや道中の操作に苦労はするが、昨夏の
関屋記念を1分31秒6という好記録で快勝。ダービー卿CTは5F通過・56秒5という超Hペースの前崩れにも恵まれたにせよ、1分31秒7でゴール前強襲。時計勝負・追い比べならチャンスはある。
フロンテアクイーンは今が盛り。持ち時計や瞬発力勝負に泣いてきたが、昨年秋・
府中牝馬Sを1分44秒8(0秒1差3着)で駈け、
中山牝馬Sは最後もうひと押し、6歳の熟女は粘り強い。
カンタービレは
阪神牝馬Sでは狭いインに進路を取り、お手上げ状態で6着。ただマイルのリズムは体感、構想通りデキも上向いている。
中山牝馬S7着の
ノームコアも、前回はそこに行くと負けるという、もったいない進路チョイスをしてしまった。
海外遠征明けだけに体調など不確定要素が多いが、
アエロリットは5歳以上の年代では文句なしのGI牝馬。