【ダイヤモンドだね】まだ若さを残しつつも、ダイヤモンドの輝きを秘める馬が数頭いる。もっとも大きなカラット数はどの馬なのか。一番にまず、
アルジャンナの資質を語りたい。母は北米5勝、GI・スピナウェイS、他GII2勝。
初陣の体重は460キロ。数多くの
ディープインパクト産駒を見てきたが、全身緊張感の塊だ。後肢の返しの速さとメリハリ感は、ひょっとして世代産駒随一かもしれない。
いざ実戦、前半1000mは1分5秒2の超スロー。5頭立てのシンガリを、腹を括って我が道を邁進。二度三度ハミを噛みそうになるシーンもあったが、4コーナー手前、外から先団にとりつき11秒5-11秒1-11秒4(3Fは34秒)というレースラップに対し、自身の上りは33秒6。直線半ば、並びかけた時点で追うのをやめてしまったが、促せば10秒台のラップを軽く2連発叩き出せていたか。
父がそうだったように、体そのものはこれからも大きくはならないかもしれない。ただ馬体の強度、調教の練熟度は確実に増している。スローのヨーイドンは、ラ
イバルたちも同じ。東京9Fでどれほどのラップを刻めるのか。自身の才能としっかり向き合おう。
対抗の
コントレイルは、翌週・阪神9Fを1分48秒9で悠々の新馬勝ちを決めた。祖母はBCジュヴェ
ナイルフィリーズ勝ち、血統の出どころは本命と同レベルといっていい。1番仔
バーンフライ(
父ゴールドアリュール)は現役3勝、二番仔
アナスタシオ(
父ダイワメジャー)は現役1勝。
父にディープを配した3番仔は、構想通りの切れ者が登場。ラスト3F・11秒6-10秒7-11秒4(33秒7)というレースラップを33秒5で完勝。1分48秒9というタイムも新馬戦とすればかなり優秀。10秒7という具体数値の意味は大きく、ムーアならどんな形でも勝ち負けとして動かす。
さらに外から
リグージェがひたひたと迫る。
父ブラックタイド譲りの黒鹿毛、デビュー前の調教では
ステルヴィオを調教で撫で切り、坂路を11秒台で登坂していた。
ただ若干腰は小さめ、スタートは立ち遅れ。1000m通過は1分1秒9のスロー。外に持ち出すまで待ちぼうけをくらったが、12秒1-11秒6-11秒8(3Fは35秒5)というレースラップを33秒0で強襲、終い2Fは推定10秒台を連発。手先が伸びやかになり、もう一回り腰が大きくなれば、クラシック戦線でも、ほうと驚く結果を残す切れ者になるかもしれない。
良血
ラインベックも成長階段を着実に上りつつある。
中京2歳Sはマイナス6キロながら、細くはない。好スタートを切り、他がくるのをジンワリと待ち、3コーナーすぎ外に持ち出し、正攻法の構えで直線へ。11秒6-11秒6-12秒5(3Fは35秒7)という上りを自身35秒3でパンチアウト。
一生懸命、なんとも真面目に走る馬だなぁ。1分36秒5という走破タイムや上りなど、前走に限っては記録は平凡。ただ、デビュー戦は12秒1-10秒7-11秒2(34秒0)というレースラップを1馬身余に封印。母は
アパパネ、管理するのは友道厩舎。成長をうながしつつ、中間ハードワークを課してきた。