【確変真っただ中】来春のクラシックの期待がかかる、中距離系の好素材が集結。第一に取り上げたいのは
ワーケアの才能と可能性。
母は伊1000ギニー、伊
オークス優勝。母の妹
シーオブクラスは、昨年の
凱旋門賞で
エネイブルに肉薄した名族。半姉の
ダノングレースは4勝、今春の
福島牝馬Sを3着に好走したが、弟の父は
ハーツクライ。セレクト1億1500万の走りを、まずは初陣で披露。定番のスロー、ヨーイドンの決め手勝負となったが、11秒1-11秒0-11秒4(3Fは33秒5)というレースの上りを33秒2で漸次加速。まだ腰が入りきれない、いかにも緩い造りでも、ゴール板が近づくにつれ急加速。あの仕上げでも10秒台の脚が使えるのか…。
二戦目のアイビーSは、腰回りが膨らみ、馬体のラインも初陣より陰影が濃くなった。重馬場という条件下でも11秒7-11秒1-11秒2(3Fは34秒0)というレースラップを33秒3でグイとひと差し。推定10秒台を2連続マーク、みるみる間に3馬身と突き放した。中間の調教はさらにハード、コーナー4つの中山2000mをクリアできれば、一気に
皐月賞が視界に入る。
強敵は
コントレイル、スピード指数はこちらが上。祖母はBCジュヴェ
ナイルフィリーズ勝ち、父にディープを配した3番仔は、構想通りの切れ者が登場。肌色や雰囲気など、走り方はあの
ナリタブライアンに似ているという人もいる。
デビュー戦の阪神9F・1分48秒9、上り33秒5(ラスト2Fめ10秒7を計測)で、何気に資質の高さを示していたが、次走の東スポ杯で大躍進。5回東京5日目は、2レースの10Fで2歳レコードも出た、特別な鏡のような高速馬場。9Fでもきっとレコードが出るだろうと思っていたが、1000m通過は58秒8でよどみなく展開。ラスト3Fのレースラップは11秒7-10秒8-11秒4(33秒9)、自身の上りは33秒1。鞍上のムーアが、右から左から圧を入れ、甘やかさないようしっかりと追った。ただ、決して目いっぱいではない。それでも1分44秒5が出せるのか。
ディープインパクトの血を受け継ぐ特別な馬、特別なレースだったのか?
ホープフルSで、とてつもない前回の記録の真意を問いたい。
オーソリティにも単穴の資格あり。
オルフェーヴルの仔にしては、顔や頭回りを大きく見せ、胸前が発達、フォームも伸びやか。母系の
シーザリオのラインも混在、今までみてきたオルフェ産駒たちとはちょっと相が違う。新馬戦は65秒9のスロー。頭を上げ気味、口の周りを泡で真っ白にし、直線入り口で危ういシーンもあったが、12秒3-11秒5-11秒9(3Fは35秒7)というレースラップに対し、自身のソレは35秒4。湿った洋芝で11秒前半の連続ラップを余裕で計測している。
芙蓉Sは、パドックで馬っけ。しかし実戦での操縦性は高い。中山の急坂・11秒4-11秒2-11秒5(3Fは34秒1)というレースラップを33秒8で坂上圧倒。
ステイゴールド系、
オルフェーヴル系は、想像を超える飛躍を遂げるときがある。
同族の
ドリームジャーニーを父にもつ
ヴェルトライゼンデの確変にも注目。小倉9Fの新馬は、道中逃げ馬を威嚇するかのように鼻息荒く二番手。直線手前が替わらないまま暴力的に勝ち星を強奪していったが、萩Sは1000m通過・63秒6の緩ペースにも手綱はがっちり。
上り3Fのレースラップは12秒2-11秒2-11秒3(34秒7)、正味2Fの上り勝負となったが、自身の上りは34秒5、稍重で推定11秒0前後を連発。「良馬場のほうがいい」と鞍上のスミヨンがコメント。半兄
ワールドプレミアは、つい先週の
有馬記念3着。父は違っても弟も、着実にクラシックの階段を歩もうとしている。
先週あたりから中山も
パワー馬場に転換、2分1秒台の決着なら、
ブラックホールにも出番がくる。祖母は
ブルーリッジリバー(
桜花賞2着)。デビュー戦の札幌1800mは1分54秒9で2着。次走の未勝利は時計を1分51秒3に更新、12秒2-11秒9-11秒9(3Fは36秒0)という上りを35秒7で加速。422キロと小柄だが、父は
ゴールドシップ。
ステイゴールド系ならではの魅力が詰まっている。
東スポ杯3着の
ラインベックも、まだ完成途上ではあるが、常に自身の力は発揮しようとするファイター。