【スマッシュで決める】
ダノンスマッシュは、ス
プリントGI界期待の新星。強勢を誇る4歳世代が、短距離シーンも席巻する。2歳暮れの
朝日杯FSは5着、3歳春の
NHKマイルCは0秒4差の7着に終わったが、そこに至るまでの勝利2つの距離は7F。1600メートルは残り1Fが長かった。本質はス
プリンターだろう。ならばと夏の函館日刊スポーツ杯から1200メートル路線へと舵を切る。GIII・
キーンランドCは2着に終わったものの、
京阪杯は1分8秒0に時計を詰め、上り33秒6という加速ラップで2着に0秒3差の快勝を果たした。
続く
シルクロードSを連勝。56・5キロを背負い、あの操縦性と加速力が発揮できるのであれば57キロにも対応できる。ちなみに父
ロードカナロアは安田隆厩舎所属。カナロアは本格化と同時に調教の数字も精度の高いものになっていったが、息子のスマッシュも、13日の調教は坂路49秒7という快時計を楽々出るようになってきた。
大駈け、逆転があれば
デアレガーロ。昨夏の函館TVh杯で、鞍上との呼吸を確かめつつ1200メートルから仕切り直し。しかしこの馬の持ち味である切れや冴えが何かしら見えない。短期放牧に出し、メンテナンスをほどこし、迎えた本年の
京都牝馬Sの造りは32キロ増の486キロ。ズドンと丸い、
ドラム缶のような胴回りも凄いが、毛色も鹿毛というよりは鉄紺色。肌の張りや艶もなんだか特殊。あんなふうな体型になった牝馬は、例えていえばなんだろう。遠い昔JCに来日した、“鉄の女”と呼ばれた
トリプティク(英チャンピオンズS2勝などGIを7勝)みたい。
もしかしたらこの肌合いや張りが、求めていた、もしくは新しい、牝馬の理想体型なのかなとも思う。なんて、体重の増量ぶんは筋肉量の増加、パドックでも落ち着き払い周回している。臀部が充実すればスタートが普通に切れるようになる。水分の残る芝でもグリップが効き、馬群を捌き、ど真ん中から1F標識あたりで先頭。11秒8-11秒0-11秒9(3Fは34秒7)というレースラップに対し、自身の上りは34秒2。初の重賞タイトルをビルドアップした
パワーでもぎとった。週末は曇天。先週やここ数年をみると、1分7秒を切るような馬場設定にはなりにくく、1分8秒前半なら時計も足りる。
三番手は快速
モズスーパーフレア。急坂の中山1200メートルを1分7秒0から1秒という高速タイムで3勝をマーク。前半3F・32秒台の猛ラップで飛ばし、終いもうひと伸び。
武豊とルメールの名手が跨り、肉を切らせて骨を断つ、スカッとわかりやすいス
プリンターに育て上げてきた。中京2戦の着外は、ともに7F。中山の急坂であのペースで運べるのなら、中京1200mは、終わってみれば、中山以上に競馬が組み立てやすかったという可能性も考えられる。ただ、いかんせん初のGI、55キロが未経験というのが、ちょっとひっかかる。
本命のダノンも含め、有力どころはモズを視界に入れ追い出しを待てばよく、早めに並びかけられるようだとラスト1Fがキツい。惑星は
ミスターメロディの流れ込み。父は全米を中心に北半球で大ブレイク中のスキャットダディ。NHKマイルをあわやの0秒2差に踏ん張った、芝・ダート兼用のスピード馬。阪神Cはリズムよく2着に粘り込みをはかったが、
阪急杯は大外。しかも直線入り口で接触して
バランスを崩す不利。1Fも長く、最後はだらりとしたフォームで7着に終わったが、6F短縮に新味は十分。空は曇天、昨年のちょうど今頃、
ファルコンSも、
パワー馬場を利して勝った。
どう工夫してもGIのゴールがなかなか遠いが、
レッツゴードンキの地力は常に注意が必要。歳はとっても稽古はやるだけ動くが、もこもこっとしていた前走より、身のこなしもシャープになっている。
ロジクライは、
阪急杯は、ポジションを探りつつ、スピードを加減しながら3着。
6Fなら折り合ってズバリ、ここぞのルメール、G1をあきらめるわけがない。
アレスバローズも、川田とのコンビで
CBC賞を1分7秒0で一気差し。中京6Fは[1100]、重め残りの
シルクロードS(5着)を叩き動きにも切れが出てきた。