【かっ飛んでいく】モンファボリの速力断然。祖母は北米G1・2着2回、母は北米G2勝ち。父にフランケルを配した長女は、過去の函館開催・2歳新馬シリーズと照らし合わせても、ちょっと例のない、特別なスピード馬としてデビュー勝ちを決めた。

　初陣は412キロ、馬体は薄め。腰高の幼児体型ではあるが、ポンと好スタートを切り、2F目には10秒6というHラップを踏み、前半3Fを33秒7で単騎先頭。4コーナーすぎてもまだ馬なり、ここいらでもう勝負あった。後々のために、直線ひと気合を入れると、グッともう一度ハミもとった。気分よく競馬で遊び、レースを学習しながら後続を5馬身差に封印。従来の記録を0秒5縮める、1分8秒7のレコードをマーク。記録通りなら、函館2歳Sはほぼ当確だろう。

　逆転があるとすれば、ルーチェドーロ。新馬戦勝ち上がりはダートだったが、2着に7馬身差をつけるブッチギリ、58秒5でレコ勝ち。父マクフィは芝マイルG1・英2000ギニー、仏ジャックルマロワ賞勝ちを含め英仏で6戦4勝。母アラフネは、札幌の芝1200mの新馬・すずらん賞を連勝。ピッチ走法ながら、芝の追い切りの動きも上々だ。

　次いでフォドラ。前半3Fの入りは34秒7、やや楽な平均ペースとはいえ、後半3Fも34秒9というバランスの良いラップでまとめ、後続に2馬身差のフィニッシュ。稍重条件下で1分9秒6というタイムも優秀。400キロと軽量だが、母は4勝、近親にラブリーデイの名が連なる熟成系、成長力も秘めている。

　カイザーノヴァは、先週の新馬戦を、馬体をぶつけ合いながらも外強襲。連闘・重賞挑戦にも耐えうる懐の深さを感じた。東京・芝1400mの新馬を外一気で勝ち上がってきたグレイトミッションのパワー。レディステディゴーは、ナックビーナス(キーンランドCなど芝で7勝)の妹。ダートか勝ち上がり組だが、パワーを要する洋芝なら狙い目は十分。ラヴケリーの1分9秒6という記録も侮れない。

　函館2歳Sについて近年の傾向を振り返ると、前走でダートを走っていた馬はかなり厳しく、芝も1000m組と1200m組なら後者がベター。他場からの転戦組はやや苦しい。前走勝ちの内容が逃げと先行なら先行のほうが安心感があるが、函館芝1200mの新馬・未勝利を勝ってきた馬については前走逃げと前走先行に大きな成績差はない。

　勝ち時計はもちろん速くて悪いということはないが、人気に反映されやすいのでそこがどうか。着差については、はっきりつけてくるにこしたことはない。新馬戦を一発で決めた馬と負けて未勝利勝ちの馬ではもちろん前者のほうが勝るが、1走余分に走った経験値が生きるケースもある。

　印は以上の点を意識してつけた。時計で選ぶと○モンファボリだが、今回かなり人気になりそうなうえに大外枠。15頭立ての外・外を回ることになった場合のことを考えると軸にはしたくない。そこで前走タイムがそれなりで内目の枠を引いた◎ラヴケリーから、○と▲フォドラに軸2頭マルチを2セット作る。◎▲のほうなら配当もある程度伸びるだろう。

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【相手探し】抜群のスピードと完成度で他を圧倒する15モンファボリ。6カイザーノヴァは新馬戦で直線ゴボウ抜き。連闘もプラス材料に感じる。11グレイトミッションは距離鍵も前走は完勝だった。

※7/12時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　函館芝1200mで行われる2歳GIII戦。函館コースは小回りコースなのでコーナーでうまく立ち回れる器用さのある子を重視して選びます。

　本命視しているのは、リンゴアメです。新馬戦では芝1000mで最内枠に組み込まれ立ち回りの上手な競馬を見せてくれました。ゴールしてからも余裕を見せるそぶりがありましたから距離が伸びても大丈夫でしょう。逃げる競馬で勝っている子が多いのでこのレースができた点は大きな強調材料だと思います。

※7/12時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　速い時計でデビュー戦を飾ったモンファボリ。スタートセンスも良く、仕上がりの早さで一歩抜けている印象だ。相手もハイレベルだがフォドラ。直線を向いて姿勢がグッと低くなったあたりにセンスの良さを感じた。これでフワフワしているというのだから奥がある。ルーチェドーロも能力が高い。逃げてラストで突き放したが、最後は追っていないので時計も詰められる。ディープエコロジーはぎりぎりの逃げ切りだが、使った上積みは見込める。

※7/12時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　勝ち上がったレースの内容を素直に評価したい一戦。「“JRA、かつ芝1200ｍ以上のレース”において“着順が1着、かつ4コーナー通過順が3番手以内”となった経験のない馬」は2014年以降[0-0-0-44]と上位に食い込めていません。

　また、馬格も見逃せないポイント。「前走の馬体重が430kg未満だった馬」は2014年以降[0-0-0-17]と苦戦していました。

　さらに「調教師の所属が美浦の馬」は2014年以降[0-3-3-37]と優勝例なし。栗東所属の調教師が管理する“関西馬”を重視すべきでしょう。

　今年は絞り込みの難しいメンバー構成になりそう。前走が好内容だったモンファボリ、馬格のあるリキサントライ・レディステディゴーらも侮れませんが、不安要素が少ないラヴケリー・リメスあたりはより楽しみです。

　なお「枠番が1‐2枠の馬」は2014年以降[1-0-0-23]、「枠番が7‐8枠の馬」は2014年以降[0-0-1-22]。最終的には枠順も踏まえたうえで買い目を組み立てるべきだと思います。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　JRAで行われる2歳世代最初の重賞。12年から函館開催時期が短くなったこともあって極端に時計が掛かることはなくなり、近年は通常1分10秒前後の勝ち時計になる。

1.前走4角4番手以下の馬は割り引き

　過去10年で、前走4角4番手以下だった馬は2頭しか馬券に絡んでいない。新馬・未勝利戦を前々で立ち回れなかった馬がここで通用することはほとんどないと考えて良さそうだ。

2.前走上がりが最速の馬に注目

　過去10年で、前走で上がり3ハロンタイムが1位だった馬は[6-7-5-41]で複勝率30.5％。上で示したように、道中の位置を取れなかった馬は割引が必要ではあるが、前半のスピードだけで粘り込み後半で目立った脚を使わなかった馬もまた、苦戦傾向にある。

3.サンデー系の台頭

　10-14年の5年間では父サンデーサイレンス系の馬は1頭しか3着以内に入れず苦戦していたが、ここ5年は9頭が3着以内に好走している。ある程度時計が出るようになりスピード競馬の側面が強くなってきたことが、サンデー系台頭の影響として考えられるだろう。

　レディステディゴーは阪神ダート1200mの新馬戦を快勝。走破時計やラップは目立った数字ではないが、道中で終始外4番手を雁行しながら最速の上がりを使って抜け出すという、出走メンバーでは頭一つ抜けた内容の走りだった。新馬戦からこのような勝ち方ができる馬は中々おらず、能力は重賞でも十分通用すると見る。芝スプリント路線で活躍したナックビーナスの全弟であるから、芝はこなせるだろう。

　モンファボリを嫌う理由は特にないが、開催後半であること、フランケル産駒の牝馬で2戦目がどうか未知数の面があるとケチをつけることができなくはない。とにかく、2歳戦で一本被りの人気馬は本命にしにくい。ホーキーポーキーは2戦目で勝ち上がり。初戦も仕上がっていたが、さらに良化を見せた。血統的にも滞在向きで引き続き期待。

　フォドラは洋芝が合っており、時計が掛かる馬場も歓迎。小柄な分54kgの斤量がどうかも、重賞でも差はないだろう。以下、洋芝合いそうなグレイトミッション、初戦で非凡な瞬発力を見せたカイザーノヴァ、初戦は順当勝ちのラヴケリー。

中央の馬は全頭が前走勝ちというなかなか気持ちいい並び。なんかワクワクする。まずは同距離コース値をそのまま評価していこう。◎モンファボリ筆頭に、相手○フォドラと▲ディープエコロジー。以下同80☆ラヴケリー、△カイザーノヴァまでは指数通り。あとは前走値を評価して△リキサントライ、△ニシノエルサで。

デビュー戦は破格のレコードで圧勝した15モンファボリが主力。洋芝適性は高くうまく仕掛ければ初重賞制覇だ。次位は8フォドラで素質は高く積極策からチャンスはある。▲は12ルーチェドーロで初戦のダートの大勝から素質は一級品。