【本領発揮】古馬GII相手でも、3歳馬
サリオスの才能が突出している。春二冠、緒戦の
皐月賞は2着。7番枠から距離ロスのないよう馬込みで我慢、直線入り口手前馬群をこじ開けるようにして一旦先頭に躍り出た。
コントレイルという才能の前に、0秒1差ひざは折ったものの、後続とは3馬身半の決定的な能力差があった。続くダービーも、勝ち馬には0秒5差と差を広げられたが、3番手以下は完封。
2400mという距離でも結果を残したが、原点となる距離はマイル。昨年のちょうど今頃、
サウジアラビアRC・1分32秒7のレコ勝ちが、能力の源であり、ダービーと前後して、早くから秋は中距離GIに目標を置いてきた。
春先は後肢や腰が緩く立ち姿や歩様が甘くなり、腰骨が広がって見え、下腹をぷっくり膨れ見せていたが、秋は四肢が整い、体重は増えているのに腹回りはスカッとシャープに見せている。秋はしっかり、サラブレッドに見えます(笑)。
バランスが取れたことで、調教の反応も春より敏感になった。
皐月・ダービーは距離に不安も感じ、大事に脚をため末を伸ばす戦法をとったが、1800mなら強気に行っても二枚腰が使える。道悪へのさじ加減、仕上げはルメールにお任せ。
第一本線は
ザダル。3歳1月デビュー後、マイルから2000mにかけ
ポンポンと3連勝を決めた好素材。
プリンシパルSはラスト4ハロンからゴールまで11秒台のHラップを重ね、1分58秒3という好記録をマーク。重馬場の2200m・
セントライト記念も地力で3着に粘り込んだ。
菊花賞は距離が長く、
中山金杯は体調ひと息で8着に終わり、メイSもロスがありながら3着。
復調に少し時間はかかったが、前走を境に調教の負荷は一変。
関越Sは、雨残りの馬場ゆえ走破タイムは良馬場でも1分45秒3止まりだったが、レースの上りが36秒1に対し、本馬の上りは32秒8。ただ一頭、段違いの末脚を叩き出している。中間の追い切りはさらにハード、これまでで一番というくらい馬を仕上げた。
一角崩しがあれば
サトノインプレッサ。新馬から
毎日杯まで一気のV3を遂げ、NHKマイルへ乗りこんできたが、疲労が重なり心身ともにコントロールが効かず、13着と大敗したものの、短い期間に立て直しに成功。ダービーは大勢が決着したあととはいえ、荒れたインをグイグイ。力感にあふれたあの末脚と4着は自信になった。母は世界にとどろく名マイラー、体型は父ディープに似てコンパクト。ベストは9-10Fだろう。追い切りも完調一歩手前とはいえ、弾力は見て取れる。
ダイワキャグニーは東京9Fで5勝を挙げている、当コースのスペシャリスト。昨年のJCやGI級が揃った
金鯱賞3着などを契機に、オープン大将から脱却、
エプソムCで待望の初重賞制覇を果たした。中間去勢手術を施したが、これがプラスと出れば、6歳にしてGIIへジャンプアップも十分あり得る。
サンレイポケットは
新潟記念を上り32秒4で大外一気に追い上げ1、2着馬に肉薄。56キロに負担増、展開の助けも必要だが、ひと夏の経験をいかしたい。
週末は雨模様、少し上りのかかる馬場になれば
カデナにも連下出番。