【艶々】
オーソクレースの、あふれんばかりの才能を堪能したい。
母マリアライトは、
宝塚記念では並みいる牡馬を撃破。母の弟
クリソベリルは、無敗の6連勝で
チャンピオンズCを制した現役ダート最強ホース。
父
エピファネイアを配した初仔は、新馬戦のサイズは472キロ、垢ぬけた黒鹿毛。仕草はおっとり。でっぱはひと息。だが小脚が使え、案外器用に先行勢にとりついた。前半5Fは64秒6、絵にかいたようなスローの上り勝負。
しかし4コーナーから見るまにフットワークが大きくなり、ラスト3F・11秒8-11秒2-11秒4(34秒4)というレースラップを、上り33秒9で外一気。造り八分の状態で、洋芝で上り2F・推定11秒1-11秒0?――それともラスト1Fは10秒台だったか。東京なら、いったい何秒で駈けるのか。才能のほどを数字で目視したい。
オルフェーヴル産駒だけに、超高速ラップは微妙だが、スケールなら
ラーゴム。
母シュガーショックは、北米5勝(GIII勝ち)。二番仔は父と母の両方の毛色を受け継いだ、506キロの悠々とした栗毛。調教はかなり走る、体力は相当だ。
オルフェ産駒の男子らしく元気もりもり。1000m通過は62秒5のスロー、好位で折り合いはやっとこさだったが、直線を向いても余力は十分。推定11秒8-12秒0-11秒8というラップで、手前を変え遊びながら、ドトウの力押し。11秒を切るような瞬発力勝負となると少し疑問は残るものの、追えば追うだけ伸びる。昨年の
オーソリティと
ラッキーライラックを足して二で割ったような、オルフェ産駒のクラシック候補です。
破天荒さなら
バニシングポイント。母は米G1・BCレディースクラシック優勝、他G2、G3各1勝(全6勝)。全きょうだいのユニークベラは米G1を3勝。ただ、美浦トレセン入りは3月。根気強く走り方を教え込んできたが、ルメール曰く、“
ビッグボーイ”――。
その幼さ、不器用さを慮り、変なレースにならないようにと、新馬戦は最初から行く構え。前半1000mは61秒0のマイペースに持ち込み、バタバタと手前を変えながらも、直線を向き、ひと気合入れた2F標識のラップは11秒4。ラスト1Fは12秒1を馬なり。ラップの精度を上げ、東京で同じような芸当がかなえば、一気にクラシック。
上位3頭に比べれば少し小粒だが、
アドマイヤハダル、
スパイラルノヴァ、
トーセンインパルスも連下には。