【Hレベルの3頭ボックス】父
オルフェーヴルの成長そのまま、3歳春、
オーソリティが化ける。母系の
シーザリオの影響力も大きいのだろう。オルフェの仔にしては、顔も首も大きく胸前が発達、フォームもダイナ
ミック。
新馬戦は65秒9のスロー。道中は頭を上げ気味、口の周りは泡で真っ白。直線入り口で危ういシーンもありながらも、12秒3-11秒5-11秒9(3Fは35秒7)というレースラップに対し、自身のソレは35秒4。湿った洋芝で11秒前半の連続ラップを余裕で叩き出した。
芙蓉Sは、パドックで馬っけ。しかし実戦での操縦性は高く、中山の急坂・11秒4-11秒2-11秒5(3Fは34秒1)というレースラップを33秒8で坂上圧倒。高速の上りにも対応できた。
ホープフルSは508キロに増量、返し馬など
テンションも高い。スタートで立ち遅れ。当面のラ
イバルを
ワーケアに置いていたこともあったのだろう。3コーナーすぎから、同馬を封じ込める形で外から動いて行ったが、結果は独り相撲。ただ、心身ともに消耗の激しいあの競馬でも、坂上でジリジリと、伸びようともがいていた。
中間の調教方法や息遣いなど見ていると、心身ともに一段ヴァージョンアップ。天才ヒューイットソンの意識ひとつ、正攻法の競馬を心掛ければ、激変があっても不思議なし。
第一本線は
ワーケア。母は伊1000ギニー、伊
オークス優勝。母の妹
シーオブクラスは、一昨年の
凱旋門賞で
エネイブルに肉薄した名族。
セレクト1億1500万の走りを、まずは初陣で披露。定番のスロー、ヨーイドンの決め手勝負となったが、11秒1-11秒0-11秒4(3Fは33秒5)というレースの上りを33秒2で漸次加速。まだ腰が入りきれない、いかにも緩い造りでも、ゴール板が近づくにつれ急加速。あの仕上げでも10秒台の脚が使えるのか…。
二戦目のアイビーSは、腰回りが膨らみ、馬体のラインも初陣より陰影が濃くなった。重馬場という条件下でも11秒7-11秒1-11秒2(3Fは34秒0)というレースラップを33秒3でグイとひと差し。推定10秒台を2連続マーク、みるみる間に3馬身と突き放した。
ホープフルSは、コーナー4つの右回り。内に押し込められ
ギアチェンジに手間取ったが、馬体もレース精度も、陣営とルメールがひと工夫。この頭数なら、当然首位で勝ち抜けたい。
サトノフラッグは、
ホープフルS勢を一蹴すれば、一気にクラシックの頂点が見えてくる。
勝ち上がりは二戦目。ガツンと固まり切れていないような、幼さや水っぽさが残しつつも、よどみのない平均ラップを中団追走。11秒9-11秒5-11秒6(3Fは35秒0)というレースラップを、残り1Fからまたひと伸び。終わって見れば、東京2000m・1分59秒5のレコードの灯がともった。
年明け1月5日、中山・芝2000mは2分1秒4で2勝目を奪取。1回中山は年末のAコースからCコース替わり。芝のコンディションなど異なるが、
ホープフルSとタイムは同じ。推定2F・11秒6-11秒6という滑らかなラップ、そしてレースの価値は、
ホープフルSと五分以上という見方もある。
上位3頭は拮抗、馬連・馬単はボックスから入りたい。大駈けがあれば
ブラックホール。
札幌2歳Sの優勝馬として、
ホープフルSは正攻法の競馬で挑んだが、父は
ゴールドシップ――いや、
その父ステイゴールドによく似た、末脚勝負型の一発型。身体は小さいが、ここ目標に、これでもかというハード調教で、攻めに攻めてきた。