【絵になるね】
ラーゴムの重量感と伸びやかさは、クラシックの風景によく似合う。
母シュガーショックは、北米5勝(G3勝ち)。
オルフェーヴル産の男子らしく、506キロの悠々とした栗毛、元気もりもり。新馬戦は1000m通過は62秒5のスロー。折り合いに少してこずったが、手前を替え遊びながら、ドトウの力押し。
前回のアイビーSは1000m通過・1分0秒6というペースアップにも楽に対応。中団で機をうかがい、ラスト1Fでは勝負あったかに見えた。オルフェ産駒らしく、瞬発力よりは持久力が持ち味も
パワー型。勝ち馬の一瞬の切れにクビ差遅れはとったが、上りは34秒2、時計は1分48秒1。クラシック乗車チケットに値する内容で駈けている。距離延長は歓迎、
武豊Jも中間二度ほど調教にまたがっている。
逆転があれば
グロリアムンディのスケール。母は伊7勝、半姉
ナイントゥファイブは
フィリーズレビュー3着。初陣はスロー、道悪など苦にするふうでもなく、後方内目をゆったりと追走。動き出しの合図を送ると、がっちりハミを咥え直し、首・重心を低く12秒0-11秒7-11秒9(3Fは35秒6)というレースラップを35秒1で力強く強襲。
「次走は重賞でもいいと思う」と、福永Jが高評価を与えていたが、
キングカメハメハ産駒は叩いて味が増す。毛艶も操縦性も、いま急速に進化している。
割って入れば
グラティトゥー。胴回り、首差し、手先はスラリ。体重は454キロだが、この
エピファネイアの仔は運動神経が高いなぁ。新馬戦は突然の雷雨、馬場は稍重。道中掘れた芝の塊が飛んだりしていたが、好位のポケットに収まり、いつでも動かせる構え。コーナーの抜け方も鋭く、ラスト3Fは推定12秒1-11秒9-11秒8(35秒8)。渋った馬場で加速ラップを描き、後続を5馬身とチギる独走。馬場差1秒と考えれば1分51秒0も上々だった。
重馬場の紫菊賞を、対抗馬の新馬戦の前日、1秒2速い、2分4秒6で2着。雨競馬とはいえ味のある内容を二戦続けている。
ワンダフルタウンは、新潟1800mのレコードホルダー。前走は体重増が示す通り下腹に余裕、3着と詰め切れなかった。叩き良化は予定通り、ただ、持久力は備えているものの、上位3頭はかなり強力。能力負け、切れ負け?――ここがクラシックへの試金石かもしれない。
ビップランバンは、半兄は
ムスカテール(
目黒記念勝ち)。新馬戦で先着を許した相手は次走アイビーS2着。前々走の新潟マイルの勝ち馬は
新潟2歳Sを優勝しており、かなり骨っぽい相手と戦ってきた。バテない強みをダイレクトにいかそうと、前走は迷わず先手。1000m通過は58秒9というタフなミドル。そして後半1000mは11秒9-11秒8-11秒4-11秒3-12秒2。マイル通過は1分33秒4、走破タイムは1分45秒6。大胆な先行策がハマれば前残り有望。
バスラットレオンも、
札幌2歳Sでは歴代でももっとも厳しい乱ペースを、3着と踏ん張った。