【80角度で急上昇】2歳マイラーは、朝日杯FS前後に急カーブを描き、理想像の8割近くの完成形となることが多い。デビュー時からの成長、変身力の大きさが、今年も朝日杯の大きなカギとなる。

　本命はステラヴェローチェ。祖母はオールザウェイベイビー、母の兄はゴスホークケン(朝日杯FS勝ち)。ひと昔前はPOGで大人気の血統だったよなぁ。

　なんて、ひとつ代を経て、父はバゴ。予定していた新馬戦を取り消し、7月5日の阪神マイルで仕切り直しのデビュー勝ち。なるほど、パドックの気配は、かなりの暴れん坊。折り合いを欠き気味に、鼻息バフバフ。雁行状態の厳しい展開ながら、馬の気に任せなんとか力で後続を封じ込めたが、うーん。怪しさ満杯ですね。

　1分36秒4・上りは35秒7(稍重)という走破タイムも若干平凡(あとで調べなおしてみると、稍重と重の違いはあるが、前日の7月4日、ホウオウアマゾンの未勝利勝ちのタイムは1分36秒1・上りは35秒7だった)。

　しかし、次走のサウジアラビアRCは東京へ遠征して14キロ増。胸前に厚みが増し、パドックや返し馬の着地も実に力強い。増加ぶんはすべて成長ぶん。いざ実戦でも一足飛びに、重賞奪取のパフォーマンスを発揮した。

　朝日杯FSは阪神に移る前も後も前走1勝クラス勝ち馬がそのまま通用しやすいレースで、過去10年の前走1勝クラス勝ち馬は[5-1-3-25]と勝ち馬の半分を占めている。

　ただ、距離延長・距離短縮のいずれであっても距離変動のある馬は不振で、馬券に絡んだのは1頭だけ。むしろ前走ダート1600mからアジアエクスプレスが勝っている(中山時代だが)。前走芝の1600m・1勝クラスを勝ってきた馬ということだと過去10年[4-0-3-2]、阪神に移ってからは該当馬のダノンプラチナとサトノアレスがともに勝っている。今年は4年ぶりに該当馬がいたので、◎ドゥラモンドには1着まで期待したい。

　前走重賞組ではサウジアラビアロイヤルカップがこのレースに最も結びついているので、○ステラヴェローチェも1着候補にする3連単フォーメーションで。▲レッドベルオーブはここ２走より良くはない路面をどうこなすか。

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【波乱含み】前走抜け出す時の脚が速かった7ステラヴェローチェ。道悪競馬での結果だけに馬場の恩恵があると見る人も多いが、デビュー戦はしっかり阪神でも勝てているし、良馬場でも十分勝負になる素質の持ち主と判断。15ロードマックスは前走多頭数の競馬を経験しているのは強み。同じく外目の枠を引いた。距離延長は気にならない。10アスコルターレは前走も勝負あったところから鋭く伸びた。奥の深さを感じる。

※12/13時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　阪神芝1600mで行われる2歳限定のGI戦。キャリアがまだ浅い2歳戦で私が重視しているのは、追い切りで走りが良化しているかどうかです。使われつつ良くなってくる子と、新馬戦から成長が見込みにくい子をしっかり見極めて買っているので、直前の追い切りがいい子は積極的に狙います。

　本命視しているのは、テーオーダヴィンチです。前走の未勝利戦では好位から終い33.9秒の脚で差し切る競馬。広いコース替わりもよかったでしょう。重賞で強い相手にもまれた経験はないものの、大きな馬体でこれからの伸びしろも楽しみですし、引き続き阪神コースなら楽しみです。

※12/12時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　重賞を含む2戦2勝のステラヴェローチェ。初戦は物見。前走は勝負どころで手前を戻してしまうなど、まだまだ覚えることは多いが、それで連勝してしまうのが非凡なところ。3連勝で戴冠だ。レッドベルオーブは前走でインを突いたように器用さがある。阪神マイルで勝っている点もポイントに。グレナディアガーズは未勝利戦を勝ったばかりだが、坂もクリアして快時計での楽勝だった前走が素晴らしい。モントライゼもさすがの能力。

※12/12時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　戦績の安定感がポイント。「“JRA、かつ1800ｍ未満のレースならびに重賞以外のレース”において5着以下となった経験のある馬」は2014年以降[0-0-1-33]と苦戦していました。

　また「出走数が5戦以上の馬」は2014年以降[0-0-0-19]、「“同年9月21日以降、かつJRA、かつ芝1400ｍ以上のレース”において1着となった経験のない馬」は2014年以降[0-1-0-47]。キャリアが豊富過ぎる馬や、9月中旬以前のレースしか勝っていない馬は強調できません。

　さらに「生月が4月以降の馬」も2014年以降[1-0-1-37]といまひとつ。比較的早い時期に生まれた馬を重視すべきでしょう。

　秋季競馬の重賞を勝っている3頭のうち、モントライゼ・レッドベルオーブの2頭は4月上旬生まれで、評価を下げるべきか否か微妙なところ。一方、2月中旬生まれのステラヴェローチェは素直に信頼して良いと思います。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　2014年に朝日杯FSが中山から阪神にコースが変更されたのと同時に、2歳の大レースとしてもうひとつホープフルSが用意され、17年からはGIに昇格。朝日杯は2歳暮れの大レースとして長い伝統を誇るが、あり方は「2歳マイル王決定戦」というものに変わってきている。

1.前走1着馬が強い

　トーナメントの決勝戦のような性質があるレースで、前走で負けていることはそれだけで割り引き材料になる。阪神開催になって以降の過去6回はいずれも前走1着だった馬が勝利していて、2着も3頭、3着も4頭が前走1着馬だった。

2.馬格がないと厳しい

　過去6年、馬体重が459kg以下だった馬は23頭出走し、3着以内に好走したのは昨年3着のグランレイのみ。対して、460-479kgは[2-4-1-31]で複勝率18.4％、480-499kgは[2-2-3-18]で複勝率28.0％。例は少ないが、500kg以上は[2-0-1-10]で複勝率23.1％。軽量馬は苦戦しがち。

3.マイルより短い距離を走った馬は勝ち切れない

　過去6年の勝ち馬で、以前に1600mより短い距離を経験したことがあった馬はゼロ。例えば、前走で芝1400mの京王杯2歳Sを走っていた馬は[0-2-2-14]と勝ち切れていない。距離延長組が穴を開けることもしばしばあるため軽視まではし難いが、軸はマイル以上を走ってきた馬から選びたい。

　ステラヴェローチェは前走のサウジアラビアRCを3馬身差完勝。バゴ産駒で道悪が向いたのかもしれないが、休み明けであれだけ突き抜けられるのは能力の証だ。飛びの大きい走りをする馬だから馬場が乾いていても瞬発力は発揮できると見る。阪神替わりも問題なく、戴冠を期待したい。

　ホウオウアマゾンはデイリー杯2歳Sで2着も、目標にされた分であり負けて強しの競馬。血統的にも大舞台でこそ底力を発揮できそうだ。モントライゼは距離延長自体はこなせそう。だが、初のマイルであり勝ち切るまではどうか。

　レッドベルオーブは馬場合うか未知数。多頭数も割引が必要であり、1番人気は過剰人気だろう。以下、2走前の萩Sが特に好内容だったジュンブルースカイ、血統やレースぶりからして揉まれなければ力を発揮できそうなスーパーホープ、前走できっちり巻き返したロードマックス。

【動き抜群】新潟2歳S以来となる04ショックアクションだが、帰厩後の稽古で見せている動きは素晴らしいもの。仕上がりのよさだけでなく、その能力の高さも感じられる内容だ。好位・中団のインで脚をうまくタメられそうなのも魅力的。GIのここでも侮れない存在である。相手は、08レッドベルオーブと07ステラヴェローチェの2頭を上位に評価。◎-○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で、チョイ荒れ決着を狙い打つ。

【小波乱】レッドベルオーブは能力上位。追い比べでジュンブルースカイが肉薄。バスラットレオンは先行力を生かす。

軸選びも迷うほど。右肩上がりと指数跳ねタイプがいる。同距離コース105○レッドベルオーブはいいが前走で上がらなかったので半信半疑。ならばきれいな右肩上がり◎ショックアクションを狙う。3走で30アップは大きい。次点に前走同距離コース104▲ホウオウアマゾン。次いで一発☆ステラヴェローチェ。あとはあえての人気薄めを抜擢△で勝負。

2歳レコードで連勝してきた8レッドベルオーブを推す。父譲りの瞬発力は非凡でここも差し切れる。次位は4ショックアクションで脚部不安で休養したが潜在能力は高く好走は必至。▲は7ステラヴェローチェで決め脚は鋭く侮れない。