【雨でも晴れでも】
ステラヴェローチェが、また一歩前進。予定していた新馬戦を取り消し、7月5日の阪神マイルで仕切り直しのデビュー勝ち。うーん。レースも仕草も、かなりの暴れん坊だな。1分36秒4・上りは35秒7(稍重)という走破タイムも若干平凡だった。しかし、続戦の
サウジアラビアRCは東京へ遠征して14キロ増。増加ぶんはすべて成長ぶん。いざ実戦でも一足飛びに重賞奪取のパフォーマンスを披露。馬場差は3秒以上あろうかという不良馬場の下、1000m通過は61秒9のHペースで展開。後方待機策がはまったにせよ、重い馬場も能力の違いで伸び放題。
朝日杯FSは出遅れ。前回とは一変、1000m通過・56秒9というHペースで展開。直線外に出すか内に入れるか、タイムロスがありながら、レースの上りを1秒9も上回る33秒5で鋭く2着に浮上。決着タイムは文句なしのレコード、1分32秒4という自身の走破タイムの精度も、このメンバーでは群を抜いている。中間
テンションアップや発馬など微調整も完了した。
強敵は
キングストンボーイ。半兄は
皐月賞馬
エポカドーロ、札幌1800mを遊びながら新馬勝ち。
サウジアラビアRCは幼さをモロに露呈したが、
ベゴニア賞は心身ともに一段研磨。返し馬では、手前を何度も代えたり、依然として子供っぽさも残っていたが、いざ実戦では背中と首をしなやかに使い11秒6-11秒3-11秒2(3Fは34秒1)というレース上りを33秒6で一閃。ゴール手前1Fのラップは推定10秒7前後でグングンと加速。兄と同レベルかそれ以上の才能--将来のGIを予感させる瞬発力を人々の目に刻印した。
シャフリヤールも、
皐月賞馬の兄に負けず劣らずの好素材。全兄
アルアインは、デビュー時の体重は518キロもあったが、3つ年下の全弟は450キロ、身のこなしの軽いコンパクトなディープにかわった。新馬戦はスタートはまずまず、前半1000mは1分2秒2のスロー、3コーナー過ぎ徐々に追い上げ開始。11秒9-11秒6-11秒5(3Fは35秒0)というレースラップを、34秒6でひと差し。直線半ば手前が代わり、ガツンとギアが入ると、一気にダイナ
ミックなフォームに変身。着差はクビだが最後は手綱を抑える余裕があった。福永Jをパートナーに、GIII仕様に
バージョンアップもできている。
エフフォーリアもクラシックの香りが漂う大型馬。初陣は馬の行き気に任せ先行策をとったが、
百日草特別は折り合いを勉強。1000m通過は63秒4のスローに苛立ち、口を割るシーンもあったが、
トップギアに入ると馬体が沈み込み、11秒1-11秒3-11秒3(3Fは33秒7)というレースの上りに対し、自身のソレは33秒4。ドトウの勢いでゴール板へ一目散。中間の上がり目も大きい。
ディオスバリエンテは、重賞3勝
ディアデラノビアの息子。この兄弟は総じて、馬っ気は強いな。新馬戦は道中好位のポケットに収まってくれたが、坂下で苦しい内に押し込められるロス。エンジン全開までに小さなタイムラグがあったが、上りラップは推定12秒1-11秒4-11秒5(3Fは35秒1)。正味2Fで一気に前を捕まえた。さらに馬体を大きくして二戦目に臨めれば、
皐月賞ロードが視界に入ってくる。
クイーンCを除外されこちらに回ってきたが、
レフトゥバーズも、クラシックの勢力図を一気に塗り替える可能性を秘める。タピット産駒の母は、米GI・
デルマーデピュタントS優勝(他にGIは2、3着1回)。二つ上の兄
シティーオブスター(
父ハーツクライ)は、現役1800ダートで2勝。父がディープにかわり、サイズは418キロ。若干身体は硬め、四肢の長さなど思うと、あまり大きくはならないかもしれない。初陣は1000m通過は60秒0のスロー、典型的な上り勝負。ラスト3Fのレースラップは11秒9-11秒1-11秒5(34秒5)と急展開。直線ジワリと外に持ち出すと、立ち木をなぎ倒すような勢いで一気差し。自身の上りは33秒4、ラスト2Fは推定10秒台半ばを2連発、1分34秒5という走破タイムは、GIII・
アルテミスSより0秒4速かった。
ヴィクティファルスも大幅な上昇が見込める血統馬。鞍上に松山Jというのも不気味。