【若さ=スピード】3歳馬
ピクシーナイトの本格化急。
新馬勝ちは1400m、春は
NHKマイルCを最終目標に置きマイル路線を歩ませた。マイペースに持ち込めたことで
シンザン記念を逃げ切ったが、坂路調教の時計やフォームを見るとス
プリンターの要素が色濃い。夏を過ぎれば、1200m路線に
アタックをかけるのは既定路線だった。しかし二走前の
CBC賞は、前半3Fは11秒6-10秒0-10秒7(32秒3)。スタート後下っていく小倉1200mは32秒台はザラにあるが、4Fめも10秒9のHラップで進行。従来の記録を0秒4塗り替える1分6秒0のレコードで決着をみた。一介の逃げ馬にしないよう、ジンワリ中団に控える競馬を試みたものの、さすがにこの激流には目を白黒。
ただ、気を抜くことなく2着に差を詰め右回りの走りも確認できた。
セントウルSも前半3F・32秒9という乱ペースを冷静に中団で構え、力強い足取りで大外強襲。クビ差遅れをとったがゴール前の迫力は古馬と見間違うほどだった。アフターケアも丁寧、デキはさらに上昇。過去十年
スプリンターズSを1分7秒前半で勝った馬は、いずれも4から5歳馬。若馬はスピードと可能性が武器、1分7秒前半の時計勝負なら4歳はもちろん、伸びしろ多い3歳馬に一番のチャンスがあっていい。
第一目標は
レシステンシア。阪神JFを従来の記録を0秒4塗り替える1分32秒7のレコードで駈けたスピードスター、重馬場の
桜花賞を手一杯に粘り2着に奮闘。マイル路線を歩ませ骨折も経験したが、転機は2月の
阪急杯だったか。1000m通過・56秒6というよどみのない流れを自らが牽引。残り2Fめ一気に10秒8にペースアップ(1200m通過は1分7秒4)、最後の1Fを11秒8でまとめ、1分19秒2のレコードを悠々叩き出した。ちなみに一昨年、同じ阪神1400mの
阪神Cを
グランアレグリアは1分19秒4(後続に0秒8差)で楽勝し、同レースを起点に後のGI制覇ラッシュへとつなげたが、7Fまでなら
レシステンシアの戦績や持ち時計は、グランと同等かそれ以上といっていい。
高松宮記念は外枠、展開、重馬場など重なり2着に敗れ、
ヴィクトリアマイルCはスタミナ不足を露呈したが、秋は
スプリンターズSを目標に前哨戦の
セントウルSを先行勝ち。ラップ構成も相当タフだったが、1分7秒2という記録は前年の
ダノンスマッシュより0秒7速く、本馬も4歳。高速決着は望むところ。
もちろん
ダノンスマッシュは強敵。昨年は
香港スプリントで待望のG1を奪取、返す刀で
高松宮記念を連勝。6歳にして完成像を造り上げた。
スプリンターズSは過去二年3、2着で走っているが、ただし一昨年の1分7秒2が最高タイム。馬場が渋ればよし。しかし時計勝負には限界があるかもしれない。
スタートを決めれば
ジャンダルムの大駆け十分。母は
スプリンターズS・
高松宮記念を制した
ビリーヴ、1200mという舞台は血統的に約束の地といっていい。
春雷S・1分7秒3で中山適性も能力も改めて確認。
北九州記念、
セントウルSと二度連続して痛恨の出遅れを喫したが、大勢が決着したあととはいえ前走の上りは32秒6。スタートさえ決まれば金星奪取があるかもしれない。
アウィルアウェイは昨年の
スプリンターズS3着馬。二走前の
CBC賞は1分6秒2で3着に食い込み、課題だった高速決着にもメドがたった。
北九州記念は重め残りに加え渋った馬場が敗因。調教も強化、良馬場なら怖い一頭になる。
ファストフォースは
CBC賞レコ勝ち、稍重の
北九州記念は差しに回って2着。坂コースと57キロという課題が加わるが、印を落とす理由が少ない。